育児休業制度とは?取得条件や育休中の経済的支援などを解説
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- 育児休業制度は、子どもの養育義務がある労働者が法律に基づき取得できる休業のこと
- 育休の特例に、両親共に育休を取得できるパパ・ママ育休プラスや産後パパ育休がある
- 育休中の経済的支援には、育児休業給付金や出生時育児休業給付金などがある
育児休業制度とは、子どもを養育する義務がある労働者が1歳に満たない子について取得できる休業のことを言います。多くの働く母親が育休を取得していますが、男性も育児休暇を取得できる制度もあります。本記事では育休制度の概要や、取得条件などを解説しています。
目次
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育児休業制度とは
育児休業制度とは、子どもを養育する義務がある労働者が、原則1歳未満の子の育児のために休業できる制度です。労働者の家庭と仕事の両立を支援するもので、法律によって保障されています。
多くの働く母親が育休を取得しており、両親が協力しあって育児に取り組めるよう、父親が育児休暇を取得できる特例もあります。また、育児休業中は原則として賃金の67%の給付金が支給されるなど、両親が休業中も安心して育児に取り組めるようになっています。
育児休業制度を利用すると、労働者は子どもが親を最も必要とする期間に、育児に費やせる時間を確保できます。労働者は子どもと過ごす時間が増え、仕事と家庭を両立しやすくなります。
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育児休業と育児休暇の違い
育児休業と育児休暇の大きな違いは、育児休業は国が法律で定めた公的な制度であるのに対し、育児休暇は企業が独自に定めている制度だという点です。
育児休業は、対象者・取得期間が法律で定められており、雇用保険から給付金も支給されます。一方で育児休暇は、会社が自由に規定の内容を決定できるため、対象者・取得期間・給付金の有無などはすべて企業に委ねられます。
育児休暇制度を導入している企業は、現状あまり多くありません。また、導入していても利用者は少ない傾向にあります。
育児休業と産休(産前・産後休業)の違い
産休(産前・産後休業)とは、出産で大きな負担がかかる母体の保護を目的に、労働基準法で定められた女性労働者のみが取得できる休業制度です。育児休業は、勤続1年以上で退職予定のない労働者に与えられるのに対し、産休は全労働者に与えられます。
このように、育児休業とは制度の目的や対象者が異なるほか、開始日や終了日、分割取得の可否、給付金の有無、延長制度の有無などにも違いがあります。
育児休業と子の看護休暇制度の違い
子の看護休暇制度とは、小学校就学前の子を養育する労働者が、子の病気や怪我の看護を目的に取得できる制度です。育児・介護休業法によって定められている制度であり、1年度につき5日(小学校就学前の子が2人以上の場合は10日)を限度に取得できます。
ただし、子の看護休暇制度には給料に関する法律上の定めがないため、有給であるか無給であるかは企業によって異なります。子の看護休暇制度は、取得の目的や日数、給与の有無において育児休業とは異なる制度です。
参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律|e-Gov法令検索
育児休業の取得条件
育児休業を取得するには、以下のような条件があります。
- 同一の事業主に、継続して1年以上雇用されている
- 子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでない
有期雇用のパートの場合、育休期間中に期間満了を迎えても、契約更新の解除が明らかでなければ育児休業の対象です。ただし事業者は、労使協定の締結により、以下の要件を満たす労働者を育休の対象外にすることができます。
なお、育児休業の申請期限は、休業開始の1カ月前までと定められています。また、子どもが1歳6カ月になるまで育児休業を延長する場合は、1歳の誕生日の2週間前までに申し出る必要があります。育児休業を取得する際は、申請期限を過ぎないようにしましょう。
育児休業の対象外になる可能性がある労働者
事業者は、労使協定の締結により、以下の要件を満たす労働者を育休の対象外にできます。
- 継続して雇用された期間が1年未満
- 1年(1歳以降の休業の場合は6カ月)以内に雇用関係が終了
- 週の所定労働日数が2日以下
また、育児休業終了後に、引き続き雇用される見込みがない有期雇用者も育児休業の対象外になります。育児休業の取得を検討している方は、この点に留意しましょう。
育児休業の期間
育児休業の期間は原則、子どもが1歳になるまでです。ただし申請によって、1歳の誕生日から1歳6カ月になるまで、さらには1歳6ヶ月になった次の日から2歳になるまでの延長も認められています。
なお、「◯歳になる」は、誕生日の前日を迎えることを指します。たとえば、誕生日が2023年1月15日なら1歳になる日は2024年1月14日、1歳6カ月は2024年7月14日となります。間違えやすいので、覚えておきましょう。
参考:「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ|厚生労働省
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1歳になるまで
育児休業は、子どもが1歳になるまでの希望する時期に取得できます。前述の取得条件を満たしている必要があり、取得できるのは原則として1人の子どもに対して1回のみです。
母親は産休制度により産後8週間(56日)は強制休業のため、母親が育児休業を取得する場合は、産後8週間後(57日目)から子どもが1歳になるまでの期間になります。一方父親は、子どもが生まれてから1歳になるまでの期間、育児休業の取得が可能です。
1歳の誕生日から1歳6ヶ月になるまで延長
子どもの1歳の誕生日の前日に、母親もしくは父親が育児休業中の場合、子どもの1歳の誕生日から1歳6ヶ月になるまで育児休業の延長が可能です。ただし、延長するには、以下の条件のいずれかを満たしている必要があります。
- 育児休業の対象の子どもが保育所に入所できず、1歳を過ぎても休業が必要な場合
- 子どもを育てる予定だった配偶者の死亡・けが・病気、離婚などにより、育児が困難な場合
1歳6ヶ月になった次の日から2歳になるまで延長
子どもの1歳6カ月の誕生日の前日に、母親もしくは父親が育児休業中の場合、子どもが1歳6ヶ月になった次の日から2歳になるまで、育児休業の延長が可能です。ただし、これは法律で定められた最低限の基準であるため、事業主がこれ以上の措置を行うことも可能です。
育児休業期間の延長は、無条件に利用できるわけではありません。「雇用の継続のために特に必要と認められる場合」と定められており、以下の条件のいずれかを満たしている必要があります。
- 育児休業の対象の子どもが保育所に入所できず、1歳6か月を過ぎても休業が必要な場合
- 子どもを育てる予定だった配偶者の死亡・けが・病気、離婚などにより、育児が困難な場合
育児休業の期間延長申請に必要な手続き
育児休業の期間延長を申請したい場合は、所定の手続きが必要です。延長が必要な理由によって、それを証明する添付書類が異なるため、不備がないようしっかり確認しておきましょう。
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育児休業の期間延長申請に必要な手続き
子どもが保育所に入れなかった場合
育児休業の対象の子どもが保育所に入所できず、休業延長の申請が必要になった場合は、1歳の誕生日の2週間前までに不承諾通知を事業所に提出します。不承諾通知は、選考により希望の保育所に落選した際、自治体から発行される書類です。
不承諾通知は、保護者の心情に配慮し、厚生労働省が名称を「保育所入所保留通知」に改めました。名称変更のみで、内容は同じものです。また、自治体によっては「入園待機通知書」「利用調整結果通知書(保留)」などの名称で通知される場合もあります。
不承諾通知の入手が遅れると、育児休業延長の申請に間に合わない可能性があるので、早めに手配するようにしましょう。また、前述の通り、育児休業は最大で2歳までの延長が可能です。
子どもを育てる予定だった人が死亡や怪我などで育児が難しくなった場合
子どもを育てる予定だった人が、死亡・怪我・病気などで育児が困難になった場合は、休業延長の申請ができます。その際には、以下の書類が必要です。
- 世帯全員の住民票の写し
- 母子健康手帳
- 医師の診断書
子どもの1歳の誕生日の2週間前までに、上記書類を事業主に提出します。さらに育休を2歳まで延長したい場合は、1歳6ヶ月になる日の2週間前までに延長の手続きをする必要があります。
ただし、申請がこれより遅れた場合でも、特別な事情があると認められれば1週間前まで申請が可能です。
育児休業の特例
育児休業の特例として、育児休業の期間が延長される「パパ・ママ育休プラス」、父親が2回にわけて育児休業を取得できる「産後パパ育休制度」があります。それぞれの制度について、以下で詳しく説明します。
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制度名 | 内容 |
---|---|
パパ・ママ育休プラス | 両親ともに育休を取得する場合、1歳2ヶ月まで育児休業を取得できる |
産後パパ育休制度(出生時育児休業) | 子どもの出生後8週間以内に、合計で最大4週間の育児休業を2回に分けて取得できる |
パパ・ママ育休プラス
配偶者が育児休業を取得している場合、通常は子どもが1歳になるまでの育児休暇を、1歳2カ月になるまで延長できる「パパ・ママ育休プラス」を利用できます。パパ・ママ育休プラスの適用条件は、以下の通りです。
- 子どもが1歳になるまでに、配偶者が育児休暇を取得していること
- 両親そろって育児休業を取得すること
- 子どもの1歳の誕生日よりも、パパの育児休業開始予定日が前であること
- パパの育児休業開始予定日が、ママの育児休業初日よりも後であること
パパ・ママ育休プラスは、父親の育児休業の取得促進を目的とし、夫婦が協力しあって育児できる仕組みづくりを目指しています。なお、適用条件の「配偶者」は、事実婚の夫婦の場合にも該当します。
パパ・ママ育休プラスをうまく活用すれば、夫婦で同時に育児休業を取ったり、母親の育児休業が終わるタイミングで父親が交代して育児休業を取ったりと、家庭事情や夫婦のスタイルに合わせて夫婦間で育児休業の取得時期を柔軟に調整できます。
産後パパ育休制度(出生時育児休業)
「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、通常の育児休業とは別で、子どもの出生後8週間以内に最大4週間までパパが育児休業を取得できる制度です。申請は、休業する2週間前までが原則です。なお、最初に申請しておくと、2回に分割して取得できます。
子どもの出生・退院など、必要なタイミングに応じて育児休業を取得できる便利な制度です。正規雇用者であれば、取得条件は特にありません。勤続1年未満であっても、原則として取得可能です。
有期雇用者(パート社員・派遣社員・契約社員・アルバイト)の場合は、取得に条件があります。子どもの出生日または出産予定日いずれかの遅い方から数え、8週間後の翌日から6ヶ月までに労働契約期間が終了し、更新されないことが明らかでない場合に適用されます。
パパ休暇と産後パパ育休の違い
育児休業法の改正によって、2022年9月30日にパパ休暇が廃止され、2022年10月から産後パパ育休が新設されました。
どちらも、子どもの出生後8週間以内が対象期間という点は同じですが、パパ休暇は育児休業の特例で、産後パパ育休は育児休業とは別の制度という点で違いがあります。
育児休業の取得は原則1回で、申し出ることのできる休業は連続したひとまとまりの期間です。パパ育休はその特例として、パパが子どもの誕生から8週間以内に育児休業を取得すれば、特別な事情がなくても2度目の育児休業が取得できます。
一方で産後パパ育休は、育児休業とは別で、子どもの誕生から8週間以内に4週間まで取得でき、初期にまとめて申請すれば、分割して2回まで取得が可能な制度です。分割取得ができることで、夫婦のライフスタイルに合わせて柔軟に対応できるようになりました。
産後パパ育休も要件を満たせば給付金の取得が可能
産後パパ育休も、要件を満たせば給付金の取得が可能です。休業期間中の父親と、その家族の生活を保護するために支給される給付金で、支給には以下のような条件があります。
- 子どもの出生日から8週間が経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定め、その子どもを養育するための産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した被保険者であること
- 休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は、就業した時間数が80時間以上)完全月が12か月以上あること
- 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は、就業した時間数が80時間)以下であること
- 子どもの出生日(出産予定日前に子どもが出生した場合は、出産予定日)から8週間が経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと
参考:育児休業や介護休業をすることができる有期契約労働者について|厚生労働省
育児休業中の経済的支援
出産・育児のために休業中の家庭を支える経済的な支援・手当は、複数あります。以下で詳しく解説します。
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育児休業給付金(育休手当)
育児休業給付金(育休手当)とは、育児休業の期間中、休業前の賃金に応じた金額で支給される給付金です。育児休業給付金の計算方法は、以下の通りです。なお、支給額には上限・下限額があります。また、育児休業中は、年金・健康保険等の支払いは免除されます。
育児休業開始から180日目まで | 休業開始時の賃金日額×休業期間の日数×67% |
181日目以降 | 休業開始時の賃金日額×休業期間の日数×50% |
2023年3月の発表では、政府は給付率を手取り10割にする案を新たに検討しており、育児休業中の生活支援がより手厚くなることが期待されています。
出生時育児休業給付金
出生時育児休業給付金は、子どもの出生日から8週間が経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、その子どもを養育するための産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合に支給される給付金です。
なお、支給額は育児休業給付金と同額で、原則として休業開始時の賃金日額×休業期間の日数(上限28日)×67%です。
育休中の社会保険料の免除(健康保険・厚生年金保険)
育児休業や、パパ育休などの育児休業の制度に準ずる措置で休業をしている間は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)料が免除されます。免除期間は、育児休業等を開始した日が含まれる月から、終了した日の翌日が含まれる月の前月までです。
社会保険料が免除されている期間でも、健康保険の給付は通常通り受けられます。また、免除された期間分も、将来の年金額に反映されます。
3歳未満の子を養育する期間についての年金計算額特例
3歳未満の子どもを養育している親が、何らかの事情で養育を始めた月の前月と比べて、標準報酬月額が低くなった場合に、将来受け取る年金額が低くなることを避けるための特例があります。
子どもが3歳に達するまでの期間に標準報酬月額が低下しても、子どもの養育を始めた月の前月の標準報酬月額を、当該期間の標準報酬月額とみなして計算します。
参考:3歳未満の子を養育する期間についての年金計算額の特例(厚生年金保険)|厚生労働省
育児休業中に退職する場合
育児休業後に職場復帰するつもりでいても、休業中に何が起こるかわかりません。育児休業中に退職しなければならないケースも起こり得ます。育児休業中に退職する場合はどうなるか、以下で解説します。
育児休業中に退職はできるのか
子どもの誕生前は、一段落したら復職して家事と育児を両立しようと考えていても、子育ては実際にやってみないとわからないことが多いです。また、子どもの病気・障がいなどで復職が難しくなるケースもあります。
家庭と育児の両立が難しいと感じ、退職を考える人は少なくありません。育休中の退職は、法律や会社の規定に違反するわけではないので、退職すること自体は問題ありません。
育児休業給付金は受け取れるのか
育児休業中に退職する場合、育児休業給付金の支給は打ち切りになります。育児休業給付金は、育児のために一時的に休業する親に対して支払われる給付金制度であるためです。また、それまで免除されていた 社会保険料の支払いも、退職後は免除が受けられません。
退職はできますが、給付金の支給や社会保険料の支払いの免除は受けられなくなるため、その点は注意が必要です。また、やむを得ず退職した場合は返還義務はありませんが、育児休業中に退職する予定であることを隠していた場合は、返還義務が発生します。
産後パパ育休以外の育児・介護休業法の改正で変わったこと
育児・介護休業法の改正で、育児休業の分割取得ができるようになったり、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件が緩和されたりするなど、より制度を利用しやすくなりました。産後パパ育休以外に、法改正で変わった点を以下で解説します。
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産後パパ育休以外の育児・介護休業法の改正で変わったこと
育児休業の分割取得
これまで、ひとまとまりの期間でしか取得できなかった育児休業が、法改正によって2回に分割して取得できるようになりました。
分割取得をすると、父親と母親で取得時期をずらして育休を交互に取得することもでき、それぞれの家庭事情やライフスタイルに合わせて育児に取り組むことが可能です。また、仕事と家庭の両立もしやすくなります。
雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
事業主は、育児休業・産後パパ育休を取得しやすい雇用環境を整備し、労働者に対して個別に周知・意向確認を行うことが義務付けられました。周知・意向確認を行う内容は、以下のようなものになります。
- 育児休業制度の概要
- 育児休業期間
- 育児休業給付金
- 育児休業中の社会保険料の免除
- 育児休業中の職場復帰支援
- 育児休業中のハラスメント防止
また、事業主は、労働者の育児休業取得意向を把握し、その意向を尊重して育児休業取得を促進する必要があります。
有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
パート・アルバイト・契約社員など、有期雇用労働者の休業取得要件が緩和されました。改正前は、A:継続して雇用された期間が1年以上、B:子どもが1歳6ヶ月までの間に契約満了することが明らかでないことが取得の条件でしたが、改正後はAが廃止され、Bのみとなりました。
改正前 | 改正後 |
---|---|
A:継続して雇用された期間が1年以上 | 子どもが1歳6ヶ月までの間に契約満了することが明らかでないこと(Aが廃止され、Bのみに) |
B:子どもが1歳6ヶ月までの間に契約満了することが明らかでないこと |
これにより、無期雇用も有期雇用も同様の取得条件になりましたが、労使協定などを別途締結している場合にはAの条件が適用される場合もあります。
育児休業取得状況の公表の義務化
常時雇用している従業員が1,000人以上の企業では、育児休業の取得の状況についての公表が義務付けられました。公表を求められている事項は、以下の通りです。
- 男性の育児休業等の取得割合
- 育児休業等と育児目的休暇の取得割合
また、公表内容は上記2つと併せて、「女性の育児休業取得率」や「育児休業平均取得日数」なども公表して、企業の実績PRを行うことが推奨されています。
企業は、これらの情報を自社のホームページや厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表する必要があります。
企業が育児休業取得率の向上のために行うポイント
企業によって、育児休業の取得率は異なります。この原因の1つに、従業員が育児休業を取得しにくい環境があります。ここでは、企業が育児休業の取得率を向上させるために行うべきポイントについて解説します。
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企業が育児休業取得率の向上のために行うポイント
従業員の負担を減らす取り組みを行う
従業員が育児休業を取得すると、その人が行っていた業務を代わりに負担する従業員が出てきます。これは、従業員が育児休暇を取得しにくい原因でもあるため、あらかじめ負担が発生しにくいような人材配置や作業分担を行っておくことが大切です。
また、業務において無駄な作業を廃止したり、手間のかかる作業は自動化したりするなどを行って、業務の効率化を行うこともおすすめです。これにより、育児休業の取得によって生じる他の従業員の負担を軽減でき、育児休業を取得しやすい環境に改善できます。
育児休業に関する情報などを周知する
育児休業は、当事者以外の従業員は知識が浅い場合が多いです。職場のメンバーの理解が少ないと、男性が育児休業を取得しにくい環境にも繋がります。そのため、育児休業に関する情報を定期的に発信することがおすすめです。
企業のポータルサイトや社内報などに、育児休業の概要や目的、取得方法などを掲載して、当事者以外の従業員の理解を促すことが重要です。また、管理職に対しては育児休業に関する勉強会を開くことで、育児休業取得を促進できる環境づくりを行うことに繋がります。
不利益な取り扱いやハラスメントを防止する
企業は、育児休業の取得を申し出た社員に対して、それを理由に解雇や降格、減給といった不利益な取り扱いをしてはなりません。これは、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などの法律でも定められている事項です。
また、企業は義務として育児休業の取得や申し出を理由とするハラスメントを防止するよう措置を講じなければなりません。不利益な取り扱いやハラスメントを防止し、企業全体で育児休業を取得しやすい環境づくりを行っていくことが求められます。
なお、育児休業取得率の向上を目的に、育児休業を取得していない社員に対して取得を強制することもハラスメントにあたるため注意が必要です。
参考:職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!|厚生労働省
参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律|e-Gov法令検索
参考:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律|e-Gov法令検索
まとめ
育児休業制度は、子どもを養育する義務がある労働者が1歳に満たない子どもについて取得できる休業です。働く母親の多くが育児休暇を取得していますが、それと比較して父親の取得率はまだまだ低いのが現状です。
国は、父親の育児休業を取得しやすくする取り組みを行っており、両親共に育休を取得できるパパ・ママ育休プラスや産後パパ育休の制度が設けられました。経済的支援も整備され、休業中も安心して育児に向き合えます。
この記事を参考に、育児休業の基本的な知識を把握し、制度を上手に利用していきましょう。