データドリブン経営とは|意味や必要性・メリットデメリットを解説

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  • データドリブン経営とは、データに基づいて意思決定を行う新しい経営手法である
  • データドリブン経営を行う際には、基盤の構築や人材の育成、従業員の理解が必要
  • データドリブン経営にあたって、DMPやMA、BIツールといったITツールが役に立つ

データドリブン経営では、デジタル技術を活用することで生産性が向上し、収益率の改善につながります。本記事では、データドリブン経営の必要性と、データドリブン経営の実現に向けたステップの他、メリット・デメリット・注意点を解説します。

目次

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  1. データドリブン経営とは
  2. データドリブン経営の必要性
  3. データドリブン経営のメリット
  4. データドリブン経営のデメリット
  5. データドリブン経営に必要な要素
  6. データドリブン経営を実現するためのステップ
  7. データドリブン経営に役立つITツール
  8. データドリブン経営を行う際の注意点
  9. まとめ

データドリブン経営とは

データドリブン経営とは、「データに基づいた経営」を意味し、収集したデータを分析して、アクションプランの立案・実践までを含んだ経営方法を指しています。英語では、「date driven」と表記されます。

データドリブン経営の導入によって、従来の勘や経験に頼っていた経営から、データという客観的な情報に頼った経営への変革を行うことができます。

データドリブン経営の最終目標は生産性の向上であり、企業利益を上げることです。今では多くの企業が取り入れており、数多くの成功事例が報告されています。本記事では、データドリブン経営の必要性やメリット、実現するためのステップなどを解説します。

データドリブン経営と従来のデータ活用の違い

ビジネスにおいては、これまでもデータの活用は幅広く行われてきました。そのため、データドリブン経営との違いがよくわからない方もいるでしょう。データドリブン経営とデータ活用は、データの活用方法や活用場面が異なります。

例えば、従来のデータ活用では、経営判断などが必要なタイミングでデータの参照が行われ、データの取得や閲覧、分析は専門部署や担当者が行っていることが一般的でした。

しかし、データドリブン経営では、業務の遂行や意思決定などあらゆる判断をさまざまなデータに基づいて行います。そのため、データの取得や分析などは専門部署ではなく、全ての部署や従業員が必要なタイミングで行えるように環境を整えることが重要です。

データドリブン経営とDXの関係性について

DX(Digital Transformation)とは、さまざまなデジタル技術の活用で従来の企業風土を変革し、企業競争の優位性を確立することです。そして、データに基づいた意思決定で行うデータドリブン経営の実現には、DXは欠かせません。

データドリブン経営とDXは企業経営の両輪となるものです。この2つを企業として進めることで、業務の効率化が図られ、従業員の働き方改革にもつながると同時に、新しいビジネスの創出も期待されます。

データドリブン経営の必要性

現在、多くの企業がデータドリブン経営の必要性を感じ、取り組んでいます。ここでは、データドリブン経営を行う必要性を以下の4つの視点で解説します。

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顧客行動の多様化と複雑化

データドリブン経営の必要性が高まった要因の1つは、顧客行動の大きな変化があります。スマートフォンが一般化された現代では、手軽に商品やサービスの情報が簡単に得られるようになり、顧客行動が多様化・複雑化しました。

それに伴い、顧客ニーズを今までのような主観的な方法で捉えるのが難しくなり、客観的なデータに基づき、多様化・複雑化した顧客行動に対応した、それぞれのニーズを捉える必要性が増しました。それらの顧客行動の変化に対応できるのがデータドリブン経営です。

業務の多様化と複雑化

顧客行動の多様化・複雑化への対応に伴い、従業員の業務も多様化・複雑化して、従業員の負担とオペレーションコストの増加が課題となっている企業は多いです。この業務の多様化と複雑化に対応するために、データドリブン経営は必要と言えます。

業務の多様化・複雑化への対応ではDXの果たす役割も多く、IT化で業務の効率化を図るとともにオペレーションコストを減少させて、企業の競争力強化や働き方改革につなげていくことも可能です。どの企業でも効率的な経営がより一層必要とされる時代です。

ビジネス変化のスピードが加速している

近年の技術の進歩によってビジネス変化のスピードが速くなったことも、データドリブン経営の必要性が高まった理由です。企業の競争力を高めるには、そのスピードについていく、またはそれ以上のスピードのビジネス展開を行うことが求められます。

そのためには、社会・業界他社の動向変化や、顧客のニーズ・行動の変化を素早くつかむことが重要です。そして、分析から戦略を立て、実践・検証するまでのPDCAサイクルを迅速化することが必要になります。

デジタルテクノロジーが進化している

デジタルテクノロジーの進化は、大量のデータの収集や分析を可能にしました。今までのような手作業や簡単なツールによるデータ収集や分析では、時間や労力もかかります。また、今現在求められているデータ量は膨大で、手作業で手に負えるような量ではありません。

膨大な量のデータ適切分析しそれを基に戦略を立てれば、より質の高いアクションプランが立てられます。ひいては、企業実績の向上・他社と差別化につながり、企業競争力の向上につながります。

データドリブン経営のメリット

データドリブン経営の実現は、企業にとって多くのメリットがあります。ここでは、その中でも注目すべき大きなメリット4つについて解説します。

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素早い意思決定ができる

データドリブン経営の実現で注目されるのは、データに基づいて素早く精度の高い意思決定ができることです。これからの企業は、先行きが不透明な社会情勢の中で、わずかな社会の変化も見逃さず、即座にその変化に対応していくことが重要になります。

それには、誰もが納得できるデータに基づいた分析を行い、誰もが納得できる意思決定が必要です。しっかりしたデータ分析は説得力があり、素早い意思決定ができます

顧客のニーズを理解できる

データドリブンの始まりはマーケティング分野で、顧客のニーズ分析などに使われていました。したがって、データドリブン経営にとって、顧客ニーズの理解を進めてサービス改善につなげるのは得意分野です。

近年の多様化する消費者行動や顧客ニーズによって、マーケティングにおいては既存顧客の維持、または既存顧客のアップセル・クロスセルで優良顧客を増やすことが重要です。

したがって、詳細なデータ分析で顧客のニーズを理解し、顧客ニーズに合ったマーケティングやサービス改善が求められます。

データに基づいて分析できる

データドリブン経営ではデータに基づいて、自社の課題や強み・弱みを分析することもできます。また、いろいろなデータを複雑に組み合わせて、各層の詳細な顧客ニーズ分析も可能です。これにより、各層ごとに適切なアクションプランが立てられます。

今までの企業経営では、経営者や従業員の経験値や感覚で意思決定されることがありました。しかし、それでは説得力に弱く、全員が納得できる戦略とならず、従業員の意欲も下がります。その点、データに基づいた分析は説得力があり、企業全体に活力が生まれます

生産性や収益率を上げられる

データドリブン経営では、デジタル技術を活用して生産性や収益率のアップが期待できます。企業によっては、各部署にデータが分散していて、他部署のデータの閲覧や利活用ができない場合もあります。しかし、データドリブン経営は、データの一元管理が基本です。

データの一元化は、すべての部署がすべての部署のデータを共有でき、作業の効率化を図れるとともに、作業コストの削減にもつながります。また、オンライン上でできる業務が増えることで、出先や自宅での業務も可能になり、テレワークなどの働き方改革も可能です。

データドリブン経営のデメリット

データドリブン経営は、現代社会における企業の課題を解決できる有効的な手段です。しかし、デメリットもあります。そのデメリットを最小限に抑え、データドリブン経営を上手く軌道にのせる必要があります。

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人材の確保が必要になる

データドリブン経営では、データを分析するための人材の確保が必要です。データの収集や分析、または効率的なアクションプランを立てるには専門スキルが必要ですが、これまでにない営業手法のため、そのようなスキルを持った人材がいない企業も多くあります。

たとえば、データドリブン経営の準備から調整まで多岐にわたって調整する「プロジェクトマネージャー」や、データの収集・分析を専門的に行う「データサイエンティスト」などが必要となります。一般的には、外部から採用内部で育成を行います

環境設備にコストがかかる

データドリブン経営を効率的に行うには、社内通信回線とデータベース・分析ツールなどを整備する必要があり、その分のコストが生じます。必要なコストは、企業内のインフラ環境整備の進行具合で大きく異なります。

ツールの導入では、社内サーバーと通信回線を使って自社で運用を行う「オンプレミス型」と、ベンダーのサーバーにデータを置いて使う「クラウド型」があります。中小企業などで人気の「クラウド型」は、導入コストが比較的低めに抑えられます

蓄積データが必要になる

データを利用するデータドリブン経営では、データの蓄積は必須条件となります。さらに、より有効性の高いデータ分析を行うためには、一定数以上の蓄積データが必要です。また、データが各部署に分散している場合は、それらを一元化する必要があります。

データ管理ツールを導入する際には、各部署のデータをサーバーに自動移行できるものが便利です。また、エクセルやスプレッドシートなどで管理している場合も、サーバーに自動移行できるツールがあります。できる限り現状のデータを生かすことがコツです。

セキュリティ対策の強化が必要

データドリブン経営では、多くのデータを蓄積する必要があります。しかし、利用できるデータが増えれば増えるほど、データが漏洩するリスクも高まります。

データドリブン経営におけるデータは、機密性が高いものも多いです。情報漏洩が起こると、企業の信頼性に関わるだけでなく、法的な問題に発展することも考えられます。

そのため、データ管理の体制を整えることや、データの取り扱いに関するルールを策定して、セキュリティ対策の強化を行うことが重要です。

データドリブン経営に必要な要素

データドリブン経営は従来の手法とは異なるため、導入当初は違和感を覚える人が出てくる可能性もあります。ここでは、データドリブン経営にスムーズに移行するために必要な3つの要素について解説します。

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データドリブン経営に必要な要素

  1. 基盤の構築
  2. 分析ツールの導入
  3. 社内認知・人材の育成

基盤の構築

データドリブン経営を始めるに当たって、データ活用基盤の構築が重要になります。データ活用基盤とは、必要な時に必要なデータをすぐに取り出せるデータ処理システムのことで、企業経営やマーケティング・戦略立案などに欠かせない技術基盤です。

データ活用基盤の構築は、データ管理の効率化が図られるとともに、蓄積したデータの価値が高まり、企業経営の強い方となります。データ活用基盤の構築には、DMP(データマネジメントプラットフォーム)やDWH(データウェアハウス)などがよく用いられます。

分析ツールの導入

データ活用基盤の構築とともに、分析ツールの整備が重要です。データ分析手法はいろいろあり、手作業での分析は効率が悪く、余分なコストがかかってしまいます。有用な分析ができるかどうかは、分析する人の能力とその能力を生かすためのツールに左右されます。

分析ツールの導入では、自社の課題を解決できるツールの選択が必要です。ツールには、データ管理ツールと分析ツールの両方を兼ね備えたものもあります。データドリブン経営では、一般的にDMP(データマネジメントプラットフォーム)が使われています。

社内認知・人材の育成

データドリブン経営は従来の経営手法と異なるため、違和感を覚える従業員が出る場合があります。したがって、事前にデータを活用した企業運営をしていく価値観を企業内に広げることが大切です。企業内に認知が進めば、必要な人材の育成をしやすくなります。

特に、企業の意思決定権を持つ経営層や役職者層の価値観理解は重要になります。経営層や役職層は今までの経営方法で実績を積んできており、企業全体に価値観を広げるためのキーパーソンです。

そのため、彼らの理解を促進することで、従業員まで広がりやすくなり、活気ある企業づくりが期待できます。

データドリブン経営を実現するためのステップ

ここでは、データドリブン経営を実現するための代表的な6段階のステップを解説します。細かなステップは、各企業に合わせて工夫が必要ですが、大まかな流れは変わりません。

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必要なデータを明確にする

データドリブン経営においては、闇雲にデータを集めても手間と時間がかかるだけで、効果は薄くなってしまいます。データドリブン経営の第一歩は、必要なデータは何かを明確にすることです。

必要なデータを明確にするためには、データ活用の目的を設定することが重要です。たとえば、売上げの増加・既存顧客の維持・ブランディングの強化・新規事業の創造などが考えられます。その目的に合ったデータに加え、将来も考えて収集するデータを決定します、

データを収集・蓄積する

収集するデータが決まったら、それに基づいてデータを収集・蓄積します。すべてのデータを新規収集するには、大きな労力が必要です。省力化を図るなら、既存データも活用することがおすすめです。データが散在している場合は、一元管理できる環境を整えましょう。

デジタル化が進んでいない企業では、一からデータを収集するには手間と時間がかかります。データ管理システムの中には、紙ベースのアナログデータをデジタルデータ化できる機能を持ったシステムもあり、今までの資産を生かしながらデータ収集ができます。

データを可視化する

データの可視化とは、 数値の並んだ見にくいデータをグラフ・チャート・表などで、視覚的に変換することです。データの可視化により、グラフなどを見ただけでデータが理解でき、問題点や課題の発見が素早くできるようになります。

データの可視化は人の手でも可能ですが、手間がかかります。この分野は、コンピューターの得意とする分野で、ツールを使えば短時間で作成できます。そのため、同じデータで何種類かの可視化を行い、一番説得力のある可視化されたデータを選ぶことができます。

データを分析する

データを可視化したら、最初に立てた目的に沿ってデータ分析を行います。その際、一般的にはデータ分析ツールを活用して、効率的にデータを分析します。分析ツールにもさまざまな種類があるため、自社に合ったものを選びましょう。

分析ツールでは、担当者の分析能力に左右されずに効果的な分析が可能です。しかし、より高度な分析をする場合は、データ分析を専門とするデータサイエンティストなどの人材の確保が必要になります。企業内に専門家がいない場合は、外注依頼も検討しましょう。

アクションプランを立てる

データドリブン経営では、データ収集や分析は手段であり、そこからより良い企業経営に結びつけていくのが目的です。そのため、データ分析の結果に基づいた施策やアクションプランを立てることが、データドリブン経営の最大の山場となります。

施策やアクションプランは、経営効果の高いものが必要です。しかし、プラン実行に必要なコストやアクション規模が企業に見合わなければ、実現は困難なものとなってしまいます。達成可能な施策やアクションプランの立案は、従業員の士気も高めます

プランの実行と検証を重ねる

アクションプランが立ったら、実施体制を整えて早い段階で実行します。実施体制を整えるには、企業全体がプランを理解し、それぞれの担当部署がプランの目標達成に向けた手段を共有することが大切です。実施体制がしっかりできれば、プランの達成に近づきます。

実行後は、プランの成功・失敗に関係なく結果のデータを集め検証するステップが必要です。そして、業界の動向も分析しながら、プランの修正や新たなプランを立てていきます。データドリブン経営はこれらのPDCAを繰り返して、成果を上げていく経営方法です。

データドリブン経営に役立つITツール

データドリブン経営を進めるに当たって、役に立つツールは多くあります。それらの中から自社に合ったツールを選んでの導入が大切です。ここでは、よく用いられるツールについて解説します。

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データドリブン経営に役立つITツール

  1. DMP
  2. MA
  3. SFA
  4. CRM
  5. ERP
  6. BIツール
  7. データレイク

DMP

DMPは「Data Management Platform」の略で、収集したデータを一元管理するためのツールです。DMPには、データ提供企業が保有するパブリックデータを共有するオープンDMPと、自社独自のデータを取り扱うプライベートDMPの2種類があります。

オープンDMPは「パブリックDMP」とも呼ばれ、自社で把握できない情報を入手でき、新規顧客の開拓に向けたデータ分析などに用いられます。プライベートDMPは、他社と共有されない自社独自のデータで、既存顧客へのアクションプランの立案などに活用されます。

MA

MAは「Marketing Automation」の略で、マーケティング活動やワークフローを自動化するツールです。メイン機能の中のスコアリング機能では、顧客のWebアクセス回数・送信メールの反応・イベント出席などの顧客の行動が随時記録され、数値データ化されます。

スコアリング機能で得られたデータを抽出分析すれば、いろいろな属性に入る顧客ごとのリアルタイムなニーズが捉えられます。それによって、ニーズごとの広告施策や案件創出ができるようになります。MAはこれらの作業が自動化され、効率化が図れるツールです。

SFA

SFAは「Sales Force Automation」の略で、「営業支援システム」とも呼ばれます。営業部門における業務プロセスの自動化・効率化を進める役割を果たしており、顧客管理・案件管理・行動管理・予実管理・商談管理などを支援します。

SFA活用のメリットの第一は、営業活動の見える化です。全員の営業活動を共有し、リアルタイムで営業活動の進捗状況の確認や、若い人たちが実績ある人の営業活動を参考にすることができます。また、売上予測・データの分析など幅広い活用も可能です。

CRM

CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理システム」とも呼ばれます。CRMは、企業と顧客の長期にわたる関係づくりに向けた施策を実行名刺管理・人脈管理・商品情報管理・リードナーチャリング支援などの機能を備えています。

たとえば、顧客一人ひとりのニーズに合わせた営業アプローチなどに使われます。顧客関係管理のためのマーケティングツールであるCRMと、効率のいい営業活動を行うための営業管理システムであるSFAの2つを組み合わせて使われる場合も多いです。

ERP

ERPは「Enterprise Resources Planning」の略で、「統合基幹業務システム」や「基幹系情報システム」とも呼ばれます。企業の基幹となる業務の情報を一元化し、効率のいい業務経営を目指します。また、その情報から自社のタイムリーな状況を客観的に把握できます。

ERPの主な機能は、会計管理・生産管理・販売管理・在庫購買管理・人事給与管理などです。ERPの導入形態はさまざまで、業務すべてをカバーする全体最適型や、会計や総務などの業務単位をカバーして拡張性も高いコンポーネント型などがあります。

BIツール

BIとは、「Business Intelligence」の略であり、自社におけるさまざまなデータを分析・可視化できるツールです。BIツールにはデータ分析機能を始め、データマイニング機能やシミュレーション機能などが備わっており、効率的なデータ分析が可能になります。

また、経営分析ができるBIツールもあり、売上情報や財務状況などを分析して可視化できるため、迅速な意思決定や、企業の問題の早期発見・改善に繋がります

データレイク

データレイクとは、各部門や部署などさまざまなソースから得たデータを形式に関係なく、そのままの形で保管できるレポジトリのことです。レポジトリとは、日本語で「格納場所」を意味します。

データレイクによって、必要なデータを一元的に管理することができ、データの活用基盤として活用できます。また、BIツールなどとの連携も可能なため、スムーズなデータ分析に繋がります。

データドリブン経営を行う際の注意点

データドリブン経営は現代にマッチした新しい企業の経営方法です。それだけに、成功させるには、いくつかの注意点があります。ここでは、以下の4点について解説します。

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企業文化の変化

新しい経営方法であるデータドリブン経営を取り入れると、意思決定の方法が大きく変わります。特に、ベテラン社員の経験や意見が重視されてきた企業では、変革の度合いが大きく、意思決定権を持つ人やベテラン社員には抵抗があるものです。

したがって、データドリブン経営を取り入れるには、勘や経験に頼っていた意思決定で行われてきた企業文化を、データに基づいて意思決定する企業文化に変えることを周知し、共通理解を図ることが重要です。

特に、縦の関係が強かったり、ITに理解の薄い経営陣が多かったりすると理解を得るのに時間が必要になる場合もあります。その際は、社会や業界の時代変化などを丁寧に説明しましょう。データドリブン経営の浸透には、企業文化の変化の理解は欠かせません

経営層の積極性

経営層にデータドリブン経営における企業文化変化の理解が進んだら、経営層主導型の大規模プロジェクトにするのが効果的です。データドリブン経営を取り入れることは、企業活動の根幹となる意思決定権に関わる事業となるので、一部署の担当者だけではできません。

また、データドリブン経営によってどのように経営やビジネスが変わり、どのようなメリットがあるのかを従業員にも広く理解してもらうことが大切です。そのためにも部長・課長・係長級の理解を深め、一般社員に広めていくことが必要です。

データドリブン人材の確保・育成

データドリブン経営の効果は、適正なデータ分析による実効性のあるアクションプランを立てることで発揮されます。そのため、どのようなデータ分析をするかがデータドリブン経営を成功させる鍵となります。

したがって、高度なデータ分析スキルを持ったデータサイエンティストが必要になります。ほかにも、データドリブン経営全体を見るプロジェクトマネージャーや、有効なアクションプランを立てるためのデジタルマーケティングに精通した人材も必要になります。

それらの人材を自社で育成するのも1つの方法ですが、時間やコストがかかります。社内の人材育成が進むまで外部の人材採用も視野に入れると、スムーズなデータドリブン経営ができます。

自社に合ったITサービス・ツールの導入

社会や企業の変化が速くなっている現代では、タイムリーで即効性のあるアクションプランが必要です。そのためにも、データドリブン経営のPDCAサイクルを速く回す必要があります。そこに、ITサービスやツールを導入する一つの価値が生まれます。

また、すべての分野で専門スキルを持った人材の育成や確保が難しい企業もあります。ITサービスやツールなら、ある程度の知識さえあれば専門スキルのない人でも扱えて、ポイントを絞った人材の確保が可能になります。

ポイントを絞った人材確保や、自社の特徴を生かしたデータドリブン経営を行うには、企業の規模・達成目標、プロジェクト予算などを考慮して、自社に適合するITサービスやツールを選ぶことが重要です。

まとめ

データドリブン経営は、データに基づいて意思決定を行う新しい経営手法です。従来の経験や勘に頼った意思決定での経営とは大きく異なるため、導入するためには従業員の理解や人材の確保が欠かせません。

意思決定には膨大な量のデータ蓄積が必要で、ITツールの利用が便利です。ツールを使ったデータドリブン経営は、データによる意思決定だけでなく、時代に即したマーケティング業務の変革にもつながっていくでしょう。

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