ChatGPTとは?できることや始め方、メリット・デメリットを解説

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  • ChatGPTとは、人間のような自然な受け答えをするAIチャットサービスのこと
  • 従来のAIとは違って滑らかで自然な文章を生成し、様々なタスクに対応できる
  • ChatGPTの回答は正しいとは限らず、また専門性の高い分野は苦手である

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

目次

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  1. ChatGPTとは
  2. ChatGPTの活用方法
  3. ChatGPTのメリット
  4. ChatGPTのデメリット
  5. ChatGPTの始め方
  6. 有料版と無料版の違い
  7. まとめ

ChatGPTとは

人工知能(AI)は、自動運転やロボット・AIスピーカーに搭載されるなど、多くの分野で実用化が進んでいます。しかし、AIによる文章の生成は大きな課題となっていました。それを、解決したのがOpenAIが開発したChatGPT(チャットGPT)です

OpenAIは2020年に、現在のChatGPTのベースになる「GPT-3」を公開し、AI分野に関心が高い人たちの注目を集めました。そして、GPT-3を進化させた「GPT-3.5」を搭載した実用性の高いChatGPTが2022年11月に発表され、世界中で利用が進んでいます。

無料で日本語にも対応しているので、日本でも爆発的人気となりました。さらに有料版では、2023年11月に同年4月までの情報を含んだ「GPT-4 Turbo」が公開され、話題となっています。

参考:Introducing ChatGPT|OpenAI

ChatGPTの活用方法

AIが進化したChatGPTは、現在世界中で多くの人に利用されています。ここでは、ビジネスにおいて具体的にどういった活用方法があるのかを紹介します。

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コンテンツ生成

ChatGPTは進化した自然言語処理技術で、高度な文章を自動的に生成できるAIです。この機能を生かせば、ブログ記事やECサイトの商品説明文といったコンテンツを、効率的に生成できます。

コンテンツの生成は、自社の商品やサービスの見込み顧客を獲得する有効な手段ですが、今までの手法では手間と時間がかかり、リソースを割いていました。しかし、ChatGPTを使えば最低限のリソースで、コンテンツマーケティングが可能になります。

テキスト翻訳

言語を指定することで、入力したテキストをさまざまな言語に翻訳できます。ChatGPT以外にも機械翻訳を行うアプリ等は多くありますが、ChatGPTの翻訳は、翻訳精度の高さばかりでなく、他の機械翻訳にない良さを持っています

たとえば、子供向けやビジネス向けの文章を出力するような指定ができるのも、機械翻訳技術の進化の結果です。また、一次翻訳はChatGPTに任せ、翻訳者がより良い文章に校正するなども可能になり、翻訳の効率化も進められます。

プログラミング支援

ChatGPTにどのようなプログラミングコードを書いてほしいか具体的に指示すれば、その内容に沿ったコードを自動生成してくれます。また、コードを実行して出てきたエラーメッセージを伝えれば解決方法の提示もしてくれます。

開発者は、基となるコードを自動生成してもらえれば、コードを作成する時間の大幅な短縮が可能です。また、プログラミング初心者の方が、学習するための支援ツールとしても使えます。

チャットボットの作成

近年、カスタマーサポートやヘルプデスクなどでも広く活用されているチャットボットですが、以前は事前にパターン化された回答を返すことしかできませんでした

しかし、膨大なテキストデータを学習しているChatGPTを利用すれば、質問に応じて精度の高い返答ができるチャットボットが作れます。また、自然な文章を生成できるため、問いかけに対し会話のような自然な文章で応答することも可能です。

ChatGPTのメリット

ChatGPTはこれからの情報化社会に対応したツールで、さまざまな可能性を秘めています。ここでは、ChatGPTを利用する主なメリットを解説します。

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自然で滑らかな文章が作れる 

従来のAIでも文書生成は可能でしたが、不自然な文章や矛盾した回答が生成されることが頻繁にありました。しかし、優れた自然言語処理技術を使用したChatGPTが出力する回答は、人間と会話しているかのような、自然な文章で返してくれるのが特徴です。

また、ChatGPTでは今までの会話や情報を記憶していて、継続性と一貫性のある会話を実現しています。ChatGPTの基本言語は英語です。しかし、利用する際に日本語で質問すれば、日本語の自然な文章で回答が返ってきます

さまざまなタスクがこなせる

文章で問い合わせたことに対しては、しっかり文章で回答してくれます。その際、かなり細かい条件を付け加えたとしても、ChatGPTはそれらの条件を満たす回答を探し出してくれます。

そのため、調べ物をするだけでなく、質疑応答・プログラミング・翻訳・文章の添削や校正・関数作成・アイデアの提供など、さまざまなタスクがこなせます。ただし、思い通りに近い回答を導き出すためには、問い合わせの工夫が必要です。

新しい視点で情報収集ができる

ChatGPTがいろいろな質問に対して回答できるのは、事前学習によって多くの情報を持っているからです。その事前学習はバージョンが上がるたびに驚異的な進化を遂げ、現在使われているものは膨大な情報量を持っています。

幅広く大量の情報を持っているChatGPTは、さまざまな情報を組み合わせることによって、個人では気づけない、新しい視点での情報収集・生成をしてくれます。企業では、情報収集の人的コストを削減でき、新たなマーケティング活動の展開も可能にします。

無料で利用できる

ChatGPTが一気に広がった要因の一つに、無料で使えるということがあげられます。登録するだけで、手軽に使用でき個人利用なら十分に使えます。しかし、アクセスが集中すると途切れたり、回答が遅くなったりするなどのデメリットもあります。

無料版を使ってみて、「もの足りない」「もっと便利に使いたい」と感じた方には、有料版のChatGPT PLUSもあります。無料版に比べて制限が少なく、使える機能も増えるうえ通信状況も安定します。

ChatGPTのデメリット

ChatGPTは万能のシステムではなく、デメリットもあります。ユーザーはChatGPTの持つデメリットをよく理解して使うことが大切です。

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回答が正しいとは限らない

ChatGPTの学習は、主にインターネット上のテキストデータで行われています。しかし、ネット上のデータには偏りがあるものや誤った情報もあり、ChatGPTはそれらのデータも同時に学習してしまいます。したがって、必ずしも回答が正しいとは限りません。

また、同じ質問をしても回答は違ったものが返ってきます。それでも、ChatGPTは流れるような文章で回答を出してくれるので、一見すると正誤の判断がつきません。ユーザーはChatGPTの回答に常に疑問を抱きながらフォローしていくことが大切です。

最新のデータには対応していない

ChatGPTの言語モデルは、2024年4月時点で2022年1月までの情報しか学習していません。したがって、2022年2月以降の情報は持っておらず、質問しても正しい回答は得られません。

ただし、2023年11月に公表された有料版のChatGPT-4 Turboであれば、2023年4月までの情報を学習しています。なお、バージョンアップデートによって情報の期限は延長されているため、今後も更新されていく可能性があります。

専門性の高い分野は苦手

ネット上の情報を基にして回答を生成しているので、ネット上にない情報についての質問は苦手です。その代表的なものが、特定の専門家の間だけで共有されている専門性の高い情報であり、問い合わせても不確かな情報しか得られません。

たとえば、法的判断や医療診断などでは、たとえ回答をしてくれたとしても、大雑把であったり誤情報であったりして、信頼性に欠けます。ChatGPTが出した専門的分野の回答に対しては、信頼性の高い情報源で回答の裏付けを取った上での活用が必要です。

危険性も少なからずある

ChatGPTは上手に使えば、大変便利なツールです。しかし、利用することの危険性も理解しておかなくてはなりません。ここでは、2つの大きな危険性について解説します。

機密情報や個人情報の流出

ChatGPTは、会話を記憶し学習していています。そして、ユーザーがChatGPTに入力した情報が、ほかのユーザーの回答に利用される場合があります。そこに、個人情報や機密データが含まれていれば、情報漏えいにもなりかねません。

ChatGPTを提供するOpenAIでは、セキュリティを強化し、情報漏えいが起こらないような対策をしていますが、リスクはゼロではありません。危険性をよく認識し、入力する文言を精査して利用する必要があります。ただし、登録時に入力する電話番号は守られています。

ChatGPTが示す情報の過信

先にも解説しましたが、ChatGPTが出力した回答が正しいとは限りません。そのままの情報の過信は大きな危険があります。自分で考えたり情報の正誤を確認したりすることは、ChatGPTを使う上での基本です。

また、回答に偏見や差別的な言葉が使われている場合もあります。回答を安易にブログに掲載したり、メールで送ったりするのは大変危険です。情報の正誤を確認するばかりでなく、読み手の気持ちを察して、自分で考えた文章に整えることも大切です。

ChatGPTの始め方

ChatGPTにはブラウザ版とアプリ版があります。ここでは、ブラウザ版ChatGPTを無料で始める際の手順を紹介します。画面は英語で表示され、利用は18歳以上から可能です。

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公式サイトでサインアップ

  1. 下記に示したChatGPTの公式サイトにアクセスする
  2. サインアップを選択する
  3. メールアドレスとパスワードを入力する
  4. 入力したメールアドレスにメールが届く

メールアドレスの代わりにGoogleかMicrosoftのアカウントを使うこともできます。GoogleかMicrosoftのアカウントを使った場合は、メールは届かず直接名前と生年月日を入力する画面が開きます。

参考:ChatGPTサインアップ|ChatGPT公式サイト

メールから登録画面にアクセスし、SMS認証コードを入力

  1. 届いたメールを開き、「Verify your email address」ボタンを選択する
  2. 名前と生年月日入力画面で必要事項を入力し、「Continue」を選択する
  3. 電話番号入力画面でスマートフォンの電話番号を入力し、「Send Cord」を選択する
  4. 電話番号を確認したら「Send Cord」を選択する
  5. 画面に表示されたコード番号の入力場所に、届いたコード番号を入力する
  6. ChatGPTを使う際の注意事項が表示される
  7. 全ての確認が終了すれば登録完了

登録の画面はすべて英語表記です。英語が苦手な方は翻訳機能などを使い、確認しながら進めるようにしましょう。

SMS認証コードが届かない場合

まずは、入力した電話番号が正しいことを確認し、間違いがないようであればSMS受信設定のチェックを行ないます。「海外からのSMSを受信しない設定になっていないか」「迷惑SMSとして、スパムやブロックのフォルダに分類されていないか」などを確認します。

まれに、アカウント登録が混雑していて、SMSが届かなかったり遅れたりしている可能性もあるため、しばらくしてからやり直してみるのも一つの方法です。

ログインして枠内に質問を入力する

登録が完了したら、ChatGPT公式サイトにアクセスしてログインします。すると、ChatGPTの画面が表示されるので、一番下のテキストボックスに質問を入力してみましょう。なお、改行は[Shift]+[Enter]で行えます。

入力完了後、送信ボタンかエンターキーを押せば、即座に回答が返ってきます。もちろん、日本語の質問には日本語で返答してもらえます。

もしも、ほかの回答が欲しい場合は、もう一度同じ質問をしたり質問を編集したりすることで、回答に変化が生まれるため実践してみましょう。ただし、AIが網羅していない質問についてはエラーが起こる可能性もあります。

有料版と無料版の違い

ChatGPTには無料版と有料版(ChatGPT Plus)があります。ここでは、その違いを簡単に解説します。料金と言語モデルの違いは下の表のようになっています。

無料版(ChatGPT)有料版(ChatGPT Plus)
月額料金無料20ドル
使用モデルGPT-3.5GPT-4・GPT-4 Turbo

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回答の精度

ChatGPTの回答精度に直結するのがパラメーターの数であり、数が多ければ多いほど精度は増すと言われています。各モデルのパラメータを見てみると、GPT-3.5が約1,750億個であるのに対し、GPT-4は約5,000億~100兆個に及ぶとされています。

また、2024年4月時点でGPT-3.5は2022年1月までの情報しか網羅できていませんが、最新のGPT-4 Turboでは2023年12月までの情報を学習しています。

実際に、無料版では間違った回答が出力されたり、回答不可のエラーメッセージが表示されたりすることもあります。しかし、有料版のChatGPT Plusでは、より進化したGPT-4 Turboが利用できるので、精度の高い回答が期待できるのです。

つながりやすさ

無料版のChatGPTでは、一度に多くの人が利用した場合、回答が表示されなかったりログインできなかったりすることがあります。しかし、有料版では優先的にアクセスができるため、混雑時であってもスムーズに利用することができます。

もちろん、利用者が多いピーク時にはつながりにくくなる可能性もありますが、利用中に突然接続が切れて使えなくなるといったことは少ないため、アクセスのストレスを軽減できるでしょう。

リクエスト数と生成文字数

リクエスト数(利用可能な回数)にも違いがあります。無料版では1分あたり最大60回、1日あたり最大4,000回までとされているのに対し、有料版では1分あたり最大600回、1日あたり最大100,000回と大幅に増えています。

また、有料版の生成文字数は無料版の約2倍となっており、長文の質問をしたり、多くの回答を受け取ったりすることも可能です。

プラグインの利用

有料版のChatGPT Plusでは、拡張機能であるプラグインを利用することができます。プラグインを追加すれば、Webサイトから情報を探し出したり、仕事に必要なフローチャートを自動生成したりといったことが簡単に行なえます。

同時に使用できるのは3個までという制限があるものの、仕事や趣味でChatGPTを使いこなしたいという方にとっては便利な機能です。

創造性

有料版のGPT-4やGPT-4 Turboでは、創造性と協調性が大きく進化しています。その進化を利用することで、作曲・脚本の執筆・ライティング など、できるタスクの可能性を広げられます。

また、無料版ではテキスト入力だけでしたが、有料版では画像アップロードも可能となっています。これにより、画像から簡単に情報を得たり、画像を使用したコンテンツを作成したりといった使い方もできます。

安全性

GPT-3.5では人を傷つけたり、犯罪に利用されたりするリスクがあると言われていました。しかし、OpenAI公式のGPT-4のページにおいて、「GPT-4 は GPT-3.5に比べ、禁止コンテンツのリクエストに応答する可能性が 82%低くなっている」と記載されています。

つまり有料版では、禁止コンテンツの入った質問は拒否される可能性が高いということです。また、個人情報の観点からの安全性も高められています。しかし、悪意を持った人が使えば犯罪につながりかねないため、使う人のモラルと周囲の監視が重要です。

まとめ

ChatGPTは、自然な言葉のやり取りで、さまざまなタスクに対応できる、AIチャットサービスです。2022年11月に公開されて以来、世界中の話題となりました。無料で利用できることもあり、今では多くの人たちに便利に使われ、企業での利用も進んでいます。

ChatGPTでの入力テキストは、いろいろな条件をつけた長い文章でも可能で、それに対して、人間の会話のような自然な文章で回答してくれます。しかし、すべてが正しいとは言えず、専門性の高い分野での回答は信頼性が低いため、必ずチェックが必要です。

ChatGPTを始めるのは簡単で、必要なのは氏名・生年月日・メールアドレス・電話番号だけです。また、より便利に使いたい方はさらに進化した、有料版のChatGPT Plusもあります。

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