DMの有効性とは?CRMを活用するメリット、注意点も解説
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- DMとは顧客へ向けて郵送する広告で、リピート購入や離反防止などの効果がある
- CRMを活用すると、郵送先リストがすばやく抽出できDM施策が効率的になる
- DM施策を行う際は、常に顧客情報を最新のものに更新しておくよう注意する
DMとは、見込み客や顧客に郵送する紙媒体の広告のことです。デジタル媒体が主流となっている現在もその効果は高く、多くの企業で採用されています。この記事では、DMの有効性やCRMを活用するメリット、DM施策における注意点などを解説します。
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CRMはDM施策にも活用できる
DMとは、ダイレクトメールのことで、企業から送付される商品やサービスをPRする郵便物です。SNS上にもDM機能があり、混同されることが多いですが、ここでは郵送物を差しています。DMを使用したマーケティング施策のことを、DM施策と呼びます。
CRMとDM施策の相性はよく、CRMの顧客データを利用したDMは、一人ひとりに焦点を当てたニーズの高い内容のものが送れます。DMは、顧客ごとに最適なメッセージを伝えるのにおすすめです。
CRMとは
CRMとは、「Customer Relationship Management」の頭文字をとった言葉で、顧客関係管理と訳されます。顧客と企業の間に親密な関係を作り、お互いにとって有益な関係性を持ち続けるためのマネジメント手法のひとつです。
CRMの役割は以下の3つです。
- 顧客情報の収集・管理
- 顧客情報の整理・分析
- 分析結果を元に、ニーズに沿った対応やサービスを行う
集めた顧客の情報を細やかに分析することで、顧客のニーズや最適な対応・サービスを実践します。企業に共感する顧客数を増やし、また、リピーターになってくれるよう働きかけることで、企業の売上や利益を上げていきます。
\より詳しいCRMの解説はこちら/
CRMとは、利益の最大化を目的に顧客との関係性を管理することを指します。この記事では、顧客関係管理やマネジメントを自動化・効率化してくれるCRMの主な機能やシステム導入によるメリット・デメリット、導入の際に選ぶポイントを解説します。
DMの有効性
デジタルが主流の時代において、軽視されがちなDMですが、実は顧客にとって身近なもので、その開封率が高いということをご存知でしょうか。ここでは、DMの有効性について、下記の4点に注目して解説します。
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特別感が感じられ購入に至りやすい
DMは、宛先に自分の名前が記載されている紙媒体のメールです。広告ながら手触りのよい紙や美しいデザインの写真、イラストなどを使用しているものも多く、自分宛てに届くため、特別感が感じられ印象に残りやすく、購入に至りやすいといった効果があります。
DMでは、ハガキや封書といった手法が一般的で、封書の場合は、より情報を多く届けられるため、顧客の記憶に残りやすいです。イラストや写真を存分に用いた方法で、見た人に視覚的な印象を与えやすい効果もあります。
顧客にリピート購入を促せる
DMは既存顧客に適切なタイミングで送れるので、リピートしてもらいやすいです。購入履歴のある顧客層は、商品やサービスを必要としている層とも言えます。そのため、DMによって、もう一度商品を購入しようという気持ちを促せるのです。
顧客に適切なタイミングとは、顧客の誕生日や年に数回のセールといった、顧客にとって特別に感じる日を指します。
その特別な日に合わせて、DMを送ったりすることで、特別感を感じてもらい顧客のリピート購入を促します。
顧客の離反が防げる
DMは、顧客に合わせた割引セールなどを定期的に知らせることができます。定期的な連絡を継続して行うため、顧客の離反を防ぐのに効果的です。
顧客に直接メッセージを送れるDMは、ハガキや封書といった媒体を使用しており、デジタルメールとは違って手元に実物が残ります。処分しなければ、ずっと手元に残るため、目にする機会がある分、リピート購入のチャンスが生まれます。
インターネットを利用しない層にもアプローチできる
DMは、インターネットをあまり利用しない方や、ネットが苦手な層にも情報を届けやすいです。スマートフォンやPCのデジタルメールとは異なり、手元に届くため、開封率も高いです。
特に、インターネットに馴染みがないシニア層に効果があります。DMなら、他の郵便物と一緒に目にする機会も多いですし、興味を持って見てもらいやすいからです。そのため、顧客に情報が届きやすい環境を作れます。
DM施策にCRMを活用するメリット
ここではDM施策にCRMを活用するメリットについて紹介します。メリットは主に以下の2点です。CRMの概要や、DM施策の有用性についても解説しています。
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コストを削減できる
CRMを利用してDMを送る場合、以下の2点のメリットがあります。
- 顧客のフェーズが明確になるため、適切なタイミングを読める
- 一斉送信によるコストのムダが減る
CRMは、予め取得した顧客のデータをシステム上にデータ化しています。そのため、さまざまな条件でデータの抽出が可能です。たとえば、誕生日や記念日、ポイントが失効する1ヵ月前など、顧客ごとにDMを送る時期の適切なプランニングを行えます。
企業側の都合によってDMを一斉送信しても、顧客にとって適切な場合ではないことが多いです。そのため、作業や郵送料といったコストに見合った費用対効果が期待できません。適切なDM発送によって、コストの無駄を抑える効果もあります。
業務を効率化できる
CRMを利用してDM施策を行うことは、業務の効率化にもなります。CRMでは、顧客ごとの情報をデータ化して利用できるため、必要な条件を設定し、抽出作業を行うだけで、使いたいデータの自動リストアップが可能です。
購入履歴や頻度を加味した郵送リストを作成するのは、手間と労力がかかります。しかし、CRMを利用すれば、自動でリスト作成が可能です。あとは、条件を満たした適切な発送時期を決めるだけなので、効率的に業務を行えます。
CRMを活用したDM施策の具体例
CRMを活用して、効果的なDM施策を行いましょう。ここでは、CRMを活用したDM施策の具体例5点を紹介します。
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CRMを活用したDM施策の具体例
新商品・新サービスの案内
CRMを利用したデータを基にして、新商品や新サービスの案内をDMで行いましょう。DMを送る対象者はどのような顧客が狙い目か、どんな層がターゲットになり得るか、などを社内で話し合い、適切な条件を満たしている顧客をCRMを利用して抽出します。
CRMを利用すれば、顧客情報をピックアップから、自動送信も可能なため、ターゲットとなる顧客層の割り出しさえできれば、あとはCRMツールに任せるだけです。そのため、担当者の業務負担を減らせます。
特に、新商品がリニューアルしたものの場合は、旧商品を購入してくれた顧客にはDMを送りましょう。CRMの自動一斉送信機能なら、手動ではなく、データに基づいて、ほとんどの業務を自動で行ってくれるので、忘れずに手元に通達が届きます。
見込み顧客へのアプローチ
見込み顧客とは、また、商品やサービスの購入には至らないものの、アンケートに答えるなどして、認知はしている状態の顧客層のことです。このような顧客層へのアプローチには、下記の2つの方法が有効と言われています。
- 自社商品やサービスをより深く知ってもらう
- 自社に好感を持ってもらう
DMなら、自分宛てに届いたという特別感を感じてもらえます。また、封書の場合は、大判のプリントやイラスト・写真などで商品をアピールできるため、内容も伝わりやすいです。
既存顧客のリピート促進
既存顧客とは、一度でも自社商品やサービスを気に入ってくれた、購入履歴のある顧客のことです。定期購入がなくても、タイミングさえ合えばリピーターになる可能性が高い顧客層と言え、適切なタイミングでのDMを送ることで、既存顧客のリピート購入を促せます。
DM発送のタイミングは、購入から数カ月後、再購入や新商品のお試しなどをお知らせするのが効果的です。また、一定期間連絡が途絶えてしまった方にも、キャンペーンや特別なお知らせと称して購入意欲を刺激することで、リピーター率を上げられます。
優良顧客の育成
優良顧客とは、購入頻度が多く、高い利益をもたらしてくれる上客といえる存在です。上客である優良顧客の育成は、企業のブランディングに大きな影響があります。
優良顧客には、特別感や親近感が得られるような情報の提供やサービスの企画が有効です。特別なキャンペーンへの招待や、限定セールの案内、一般公開前に新商品情報を告知するなどの方法も効果的と言えます。
休眠顧客の掘り起こし
休眠顧客とは、一度商品を購入したことがあるが、その後利用に結びついていない顧客のことです。何らか理由や事情により、一度は商品やサービスから遠のいてしまったものの、ニーズを満たすことで、再び利用してもらえる可能性があります。
休眠顧客の設定が、通常半年から1年程度です。休眠顧客の掘り起こしには、まず休眠するに至った理由や原因を見つけなければいけません。休眠に至る理由として考えられるのは、以下の5点です。
- 商品に満足できなかった
- 他にいい商品を見つけた
- 商品の購入サイトや店舗を忘れた
- 商品が不要になった
- 利用する時間がなくなった
理由や原因の追究と同時に、顧客が以前に購入していた商品やサービスの把握も必要です。サービスから離れてしまったと思われる原因をうまくカバーする内容を、DMに載せて送りましょう。この手法は、休眠顧客の掘り起こしだけでなく、顧客の離反防止にも有効です。
CRMを活用したDM施策の注意点
効果的なDM施策には、ただCRMのデータを使用して、効率的に業務を進めるだけでは不十分です。それでは、どのような点に気を付けて、DM施策を行えばいいでしょうか。ここでは、CRMを活用したDM施策の注意点について解説します。
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CRMを活用したDM施策の注意点
常に最新のデータに更新する
CRMを利用する場合は、顧客情報を常に最新のデータに更新しておく必要があります。顧客情報を使用したマーケティング戦略には、リアルタイムの情報を使用する必要があるからです。
せっかくDMを送っても、顧客の住所や名前が変わっていたら、手元に届かないため、コストが無駄になってしまいます。情報更新は日ごろから行うようにして、常に最新の状態にしておきましょう。
効果が出るまでには時間がかかる
CRMを導入したからといっても、すぐに効果が出るとは限りません。DMを送ってから実際に顧客が行動するまでには時間を要すること、また、そのデータを収集し、分析するのにもある程度の時間がかかるからです。
また、CRMのツールを理解し、使いこなせるまでにも時間を要します。データ収集後、どのように使うかを考えなければいけません。そのため、担当する人材の育成や戦略の作成も必要です。
誰に・何を・どのように・いつ送るか明確にする
費用対効果の高いDM施策には、「誰に」「何を」「どのように」「いつ送るか」といった4つの要素「3W1H」を明確にしておかなくてはいけません。「誰に(WHO)」にあたる、顧客の種類は主に見込み顧客・優良顧客・休眠顧客の3種類で、それぞれ対応が異なります。
「何を(WHAT)」「どのように(HOW)」は、対応するDMの種類です。商品のパンフレットはどのようなものがいいか、キャンペーンやクーポンはどのようなものが適切か、などを決定します。
「いつ送るか(WHEN)」は、顧客のタイプによってタイミングが異なるため、注意しましょう。購入後の経過時期により、送るDMの内容も異なります。CRMツールを利用して、DMを送るタイミングを、顧客の種類によって設定しておきましょう。
優良顧客の分析ができると、顧客への適切なアプローチができ、業務の効率化やコスト削減にも繋がります。本記事では、優良顧客分析でできることや、分析手法の他、優良顧客を育成するためのアプローチ方法・ポイントを解説し、優良顧客を育てるときに役立つツールも紹介します。
まとめ
DMは、さまざまな顧客獲得の手法の中でも、一定の効果を得られる有効なマーケティング手法として人気があります。しかし、顧客の種類や時期などのタイミングを考慮しない一斉DMでは、膨大なコストが掛かるため、費用対効果を望めません。
CRMをうまく活用できれば、これまで時間がかかっていたデータ分析の効率を上げられます。さらにデータを分析すれば、顧客の離反を防げる効果的なアプローチを生み出せるでしょう。
しかし、CRMの利用には、綿密な計画や下準備が必要です。ツールの導入だけでは、効果が伴わない場合もあります。ツールを使いこなすための人材の育成や効果を得られるまでの長期的な視点が必要です。CRMをうまく使いこなして、効果的なDM戦略を行いましょう。
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