ChatGPTをプログラミングに使うには?活用のコツも解説
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- ChatGPTでプログラミングを行うと、時間の節約や学習の支援になる
- ChatGPTでプログラミングを行う際は、問題や質問の仕方にコツがいる
- ChatGPTにプログラミングで生成されたコードは、適切にテストする必要がある
ChatGPTでは、コード生成やコードレビューも行うことができ、プログラミングに活用することが可能です。本記事では、プログラミングにおけるChatGPTの使い方や、上手に活用するためのコツ・注意点などについて解説します。
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ChatGPTはプログラミングにも使える

生成AIサービスであるChatGPTは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)というアーキテクチャを採用しており、英語や日本語をはじめとした自然言語処理のタスクにおいて非常に強力なパフォーマンスを発揮します。
また、ChatGPTは自然言語だけでなくプログラミング言語の処理にも長けているため、多くのITエンジニアが活用しているツールです。
ここでは、ChatGPTが対応できるプログラミング言語や、ChatGPTを活用したプログラミングの手順について解説します。
参考:ChatGPT
対応可能なプログラミング言語一覧
ChatGPTは多様なプログラミング言語に対応しており、主要な言語はほぼすべて扱えます。Web系、汎用系、データベース、アプリ・ゲーム系など幅広いカテゴリに対応しているため、目的に合わせた言語選択が可能です。
以下の表は、ChatGPTが対応可能な主要なプログラミング言語の一例です。
| カテゴリ | 対応言語 |
|---|---|
| Web系 | JavaScript、TypeScript、Java、PHP、Ruby |
| 汎用系 | Python、C言語、C#、C++ |
| データベース | SQL |
| アプリ・ゲーム系 | Swift、Kotlin、Go言語 |
ChatGPTでプログラミングを行う3ステップ
ChatGPTによるプログラミングは、以下の手順で行います。
- 作成したいプログラムの要件を書く
- 生成されたコードを自分の環境で実行する
- エラーや改善点を修正する
まずは、作りたいプログラムを明確にする「要件定義」が重要です。例えば、ECサイトなら商品検索機能や決済機能など、実装したい機能を具体的に提示することで、意図に沿ったコードを生成しやすくなります。
次に、生成されたコードを自分の開発環境で実行して動作を確認し、エラーや不具合があれば修正を重ねて精度を高めます。プログラムは一度で完成するケースは少ないため、エラー内容を確認しながら段階的に調整を重ねましょう。

ChatGPTとは?できることや始め方、メリット・デメリットを解説
ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。誰でも無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。本記事では、ChatGPTのメリット・デメリット、始め方、有料版と無料版の違いなどについて解説します。
プログラミングにおけるChatGPTの使い方

ChatGPTは、コード生成(プログラム生成)以外にもコードレビュー、エラーメッセージの解読などさまざまな使い方ができます。プログラミングにおけるChatGPTの使い方について、1つずつ解説していきます。
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プログラミングにおけるChatGPTの使い方
コード生成
プログラミングにおけるChatGPTの活用方法としてまず挙げられるのが、プログラミングコードの生成です。自然言語で回答するのと同じように、コーディングを指示すればプログラムコードを提示してくれます。
ChatGPTは多くの言語に対応しているため、言語と作成したいプログラムの内容を示すと、それに応じたコードを生成してくれます。
コードレビュー
ChatGPTは、生成したコードに対して潜在的な問題点や改善点を指摘するコードレビューのプロセスでも利用できます。
具体的には、デバッグ、パフォーマンスやセキュリティ、可読性の改善などのサポートです。これにより、人間が見落としがちな細かなバグの発見や、コードの品質向上に繋がります。
例えば、C++で生成されたコード中の「<<」を「((」に置き換えてコードレビューを指示すると、構文エラーがあるという表示と共に、修正されたコードが表示され、エラーの理由などの説明も記述されます。
このように、提示したコードの問題点・改善点が示され、どのように修正すれば良いか、その修正案も提案してくれます。
エラーメッセージの解読
ChatGPTが持つ、プログラミング自体の知識と自然言語の理解という能力は、エラーメッセージの解読にも役立ちます。プログラミングにおけるエラー表示の解説やアドバイスを得られるため、コードのテストや時間をかけずにエラー解決を図れるでしょう。
エラーメッセージが理解できない場合や、問題の解決方法がよく分からない場合などにも役立ちます。
サンプルデータの作成
プログラムが正常に動作するかを確認するために、サンプルデータが必要になることがあります。ChatGPTにデータ項目や形式など条件を指定すれば、大量のサンプルも短時間で生成できます。
データ形式も設定できるため、ChatGPT上の回答結果から直接ダウンロードできます。サンプルデータをすぐに揃えられることで、スムーズにテストを行えるでしょう。
別の言語への変換
ChatGPTを利用して、あるプログラミング言語で作成したプログラムを、他のプログラミング言語への変換も可能です。このような活用方法は、既存コードを用いた開発や新たなプログラミング言語の学習に役立ちます。
例えば、「次のC++プログラムをPythonに翻訳」と指示し、C++で作成したプログラムコードを一緒に入力すると、Pythonに変換されたプログラムコードが表示されます。
さらに、PythonとC++の文法の違いや変換時のポイントについて解説が添えられることもあり、理解を深めながら作業を進められるでしょう。
ChatGPTによるプログラミングがおすすめな理由

ChatGPTをプログラミングに活用するのがおすすめな理由はいくつかあります。ここでは、プログラミング業務の効率化や業務品質向上などの観点から以下の3つの理由を挙げて解説します。
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ChatGPTによるプログラミングがおすすめな理由
時間の節約になる
ChatGPTを活用することで、プログラミングにかかる時間短縮が可能です。特にコード生成やコードレビューではその効果を実感しやすく、開発者が自力でコードを考えるための工数が減り、時間の節約になります。
コードの素案や改善案を提案してくれるツールとしてChatGPTを使えば、それを参考にして手間や時間をかけずにクオリティの高いコードを作成できます。
新しい視点が得られる
ChatGPTは、小説のアイデア出しなど多様な視点の回答に長けていますが、それはプログラミングでも同様です。開発者が考え付かない見落としがちな視点を示唆してくれます。
こうした視点はプログラミングの品質向上に繋がるため、ChatGPTを開発の心強いパートナーと捉えるITエンジニアも少なくありません。ChatGPTの活用によって、生産性だけでなく創造性の向上も期待できるでしょう。
幅広い言語で開発できる
ChatGPTは幅広いプログラミング言語に対応しているため、多様な分野の開発で活用できます。Webサイト作りやデータ分析を含め、近年需要が高まっているモバイルアプリの開発などにも対応可能です。
ChatGPTはC言語やPython、JavaScriptなど主要言語を含む多くの言語に対応しており、気になる言語やフレームワークがあれば直接質問することで詳しい情報を得られるでしょう。
ChatGPTでプログラミングを行うコツ

ChatGPTを使う際は、指示文(プロンプト)をどう作成するかが非常に重要です。ここでは、ChatGPTをプログラミングに活用するためのコツとして、プロンプトの書き方などについて以下4つの観点から解説します。
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ChatGPTでプログラミングを行うコツ
問題の提示の仕方
ChatGPTにプログラミングに関する指示を行う場合には、基本的に以下のような形式でプロンプトを記述します。
- 概要(指示の内容、具体的な要件や目標を示す)
- 入力データの形式や範囲
- 期待する出力形式や内容
ここで重要となるのが「簡潔さ」と「具体性」です。冗長な表現や曖昧な記述は避け、どのような課題をどのように解決してほしいのか、できるだけ簡潔かつ具体的に示しましょう。
プロンプトテンプレートの利用も効果的
良質なプロンプトを作成するために、プロンプトテンプレートというものも活用されています。あらかじめテンプレート化されたプロンプト構造に自分の要求を当てはめて入力するだけで、ChatGPTが理解しやすいプロンプトを作成できます。
プログラミング向けのプロンプトテンプレートも多数あるので、インターネットなどで検索して探してみましょう。
質問・指示の仕方
たとえ内容が具体的であっても、複数の指示を1つのプロンプトに詰め込んでしまうと、正確な回答を得られない可能性が高まります。
ChatGPTに依頼する作業量が多い場合には、段階的に質問・指示していくことが効果的です。作業を順序立て、1つひとつの工程をシンプルにすることで情報が整理され、適切に要求を理解してくれます。これにより、回答の精度も向上するでしょう。
段階的な質問・指示は、修正時における対応工数削減にも繋がります。例えば、コード生成で連続的な処理のためのコードで初歩的な誤りがあると修正が大変ですが、予め複数の段階に分けていれば誤りに早く気付きやすく、修正範囲も少なく済みます。
プログラミング言語の選択
ChatGPTにプログラミングをサポートしてもらう際には、どのプログラミング言語を用いるのかを最初に指定しておきましょう。言語の指定がないと、期待とは異なる出力になるかもしれません。
また、言語によって回答の精度が異なる可能性があることに注意が必要です。ChatGPTはさまざまな言語に対応していますが、マイナー言語などChatGPTの学習量が乏しいと思われる言語では精度が落ちる可能性があります。
情報提供の仕方
回答を生成するのに役立つ関連情報を提供することも大切です。必要に応じて、開発の背景や開発環境、使用したいライブラリなどの情報をプロンプトに含めましょう。
場合によっては出力の具体例をあらかじめ提示しておくと、回答の精度がより高まります。さらに、より正確な回答を生成するために必要な注意事項・制約などの情報があると良いでしょう。
「必要な情報や不明な点があれば質問してください」といったように、ChatGPT側から質問ができるように指示するのも効果的です。
プログラミングでChatGPTを使う際の注意点

ChatGPTはプログラミングにおいても非常に有効なツールとなりますが、利用する際には注意が必要な部分もあります。ここでは、プログラミングでChatGPTを活用する際の注意点として、以下の3点について解説します。
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プログラミングでChatGPTを使う際の注意点
コードは必ずテストする
ChatGPTは便利なツールですが、回答内容が必ずしも正しいとは限りません。ChatGPTを活用したプログラミングに関しても同様で、ChatGPTで生成したコードにミスや不具合が生じることもあります。
そのため、ChatGPTを用いて作成したコードは必ずテストを行いましょう。人の目で出力内容が正しいか判断したうえで、テストを行って動作に問題がないか、きちんと使えるプログラムになっているか確認することが大切です。
解決できる範囲は限られる
ChatGPTは強力な自然言語処理モデルですが、問題解決の限界点も存在します。第一に、リアルタイムのデータを学習しているわけではないため、新しいプログラミング言語や最新の技術に対応することは難しい場合があります。
また、時には論理的な誤りが発生することがあり、特に高度で複雑な推論を行う場合や大規模なプログラミングのケースなどでは、正確な結果を得られにくいでしょう。
さらに、テキストベースのモデルなので、実際にプログラムを実行する環境や能力はなく、コードの実行結果の確認や、インタラクティブにプログラムを実行する場合は、ユーザーの環境で確認テストなどを行う必要があります。
プライバシー・セキュリティー
ChatGPTを利用する際には、漏洩してはいけないユーザー側の情報について注意が必要です。プロンプトに入力した内容はChatGPTが学習し、他ユーザーへの回答に使われる可能性があります。
ChatGPTをプログラミングに活用する際に、自社の機密情報や自社開発コードなどをプロンプトに含めてしまうと、重大な情報漏洩に繋がりかねません。社外に流出させてはいけない情報は、ChatGPTに与えないようにしましょう。
企業向けのプランを使うのがおすすめ
ChatGPTには無料版と有料版がありますが、有料版の中には企業向けのプランもあります。企業向けの「Business」「Enterprise」では、デフォルトでデータの学習利用がオフになっています。
その他、企業での利用に即したさまざまな機能やサービスも含まれているので、企業がChatGPTを使う際はこれらのプランを選択するのがおすすめです。
オプトアウト機能も活用しよう
ChatGPTには無料版と有料版がありますが、有料版の中には企業向けのプランもあります。企業向けの「Business」「Enterprise」では、デフォルトでデータの学習利用がオフになっています。
その他、企業での利用に即したさまざまな機能やサービスも含まれているので、企業がChatGPTを使う際はこれらのプランを選択するのがおすすめです。
【設定からオプトアウトを行う方法】
- ユーザーアイコンをクリックする
- 「設定」をクリックする
- 「データ コントロール」をクリックする
- 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする
【申請によりオプトアウトを行う方法】
以前はオプトアウト申請フォームがありましたが、現在はプライバシー リクエスト ポータルに移行されています。オプトアウトのリクエストを行う場合は、OpenAI プライバシー リクエスト ポータル(privacy.openai.com)にアクセスし、リクエストの意向を伝えましょう。
プログラミング初心者ができるChatGPTの活用例5選

ChatGPTの活用は、プログラミング学習の始めたてやこれから学習を行う初心者にもおすすめです。
教本を用いたりプログラミングスクールに通ったりしてプログラミングスキルを習得するのが一般的ですが、併せてChatGPTも活用することで効率的な学習が可能です。プログラミング初心者がプログラミング言語を学習する際の活用方法について解説します。
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プログラミング初心者ができるChatGPTの活用例5選
学習したい言語の特徴を教えてもらう
ChatGPTにより、プログラミング言語の概要を理解することで、プロジェクトやタスクに最適な言語を選択できます。また、特定の要件や目標に適した言語を選ぶことで、効率的な開発が可能です。
プログラミング言語毎の特徴を知ることで、アプリケーションのアーキテクチャやデザインに関する意思決定がしやすくなるだけでなく、言語のパフォーマンスや拡張性、保守性などの特性を考慮して、適切なアプローチを選べます。
また、各言語の構文や機能を把握することで、基礎から応用までの学習がスムーズに進むでしょう。
コード内容の解説
ChatGPTにプログラミングのコードを具体的に解説してもらうことで、効率的な学習が可能です。コード解説の方法は、まず大きなコードブロックを小さなセクションに分割して、ブロックごとに入力します。
その後、セクションごとにコードの内容が説明されます。そのコードが何をしているのか、各行やブロックの目的や意味、変数や関数の名前、データの処理方法、アルゴリズムの手順など、詳細な説明が行われます。
コードの実行結果や効果について、また、出力結果や変更されるデータの内容、処理の影響なども説明されます。さらに、コードの実行フローとして、どの部分が最初に実行され、どの条件分岐により判定されるか、ループがいくつ回るかなどが解説されます。
文法などの解説
コード内容を理解し、自分でも書けるようになるには、その言語の文法を理解することが大切です。プログラミング言語は普段私たちが使う自然言語とは異なる文法で機能しているので、文法を構成している要素に慣れなければなりません。
ChatGPTに学びたい言語の文法、あるいは変数や条件分岐といった各要素への説明を求めれば、初心者にもわかりやすい言葉で解説してくれます。
不明点があれば、「〇〇について、もっと詳しく教えて」「〇〇について、中学生にもわかるように説明して」などと、より詳しい、または簡単な説明を求めることで、自分のレベルに合った説明を出力させられます。
自分が作成したコードの添削
ChatGPTは、プログラムコードの添削や修正・改善などに活用できます。まず、使用しているプログラミング言語やバージョンなどの環境を伝えたうえで、改善したい点や問題点を提示し、対象のコードを質問ボックスに貼り付けます。
すると、コード内の文法エラーや不具合を特定し、修正のための具体的な指示が提供されます。括弧の閉じ忘れやセミコロンの不足、条件分岐の漏れや不適切なループの使用など、ロジック面の改善点まで指摘してもらえるのが特徴です。
練習問題を出してもらう
ChatGPTに、プログラミングの練習問題を出題してもらえます。そのために、どのプログラミング言語の練習問題を出してもらいたいのか、また、どのレベルの難易度の問題を望むのか、などの情報を入力しましょう。
例えば、「初心者用、C++の練習問題の提出依頼」と入力すると、問題1として、「1. Hello, World! C++で「Hello, World!」を出力するプログラムを作成してください。」と回答が表示されます。
その後に続いて、問題2から問題10まで基礎的な問題が並んで出題されます。こういった問題を解くことで、そのプログラミング言語の基本的な構文や制御フローを理解できるようになるでしょう。
まとめ

ChatGPTは、高度なAI技術によって人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。生成された文章の素晴らしさや人間のような応答が大きな話題となっています。
ChatGPTを活用したプログラミングも注目されており、時間の節約や学習支援になる点、さまざまなプログラミング言語に対応している点などが強みです。ChatGPTをプログラミングに活用して、効率的なプログラミング作業を実現させましょう。
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