おすすめのID管理システム6選|選び方・比較のポイントも解説
Check!
- ID管理システムは、管理対象のシステム・機能・対象の規模や業界に注目して選ぶ
- 提供形態やベンダーのセキュリティ対策、使いやすさも確認する
- 導入後は、ID管理システムに障害が発生した場合に備えて対処法を決めておく
ID管理システムは、企業で使用しているあらゆるシステムのIDやパスワードを一元管理できます。しかし、数多くの製品があるため、選定に迷う場合も多いでしょう。この記事では、おすすめのID管理システムや選ぶ際の比較ポイント、導入時の注意点などを解説します。
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
ID管理システムでセキュリティ・コンプライアンスを強化
ID管理システムは、企業が使用するさまざまなシステムのIDやパスワードを一元的に管理するためのツールです。このシステムを導入することで、企業内のPCや社内システム、各種サービスのアカウント情報を効率的に管理できます。
従来は手動で行っていたIDの発行や削除、パスワードの変更などがシステムによって自動化されます。また、IDの一元管理により、アクセス権の厳密な管理や不正アクセスの防止がしやすくなります。
ただし、数多くのID管理システムが市場に出回っているため、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。この記事では、おすすめのID管理システムや選ぶ際の比較ポイント、導入時の注意点などを解説します。
ID管理システムとは、利用者がシステムやサービスにログインする際のID・パスワードなどを一元管理できるシステムのことです。ID管理システムの導入で、情報漏洩のリスク回避などが可能になります。本記事では、ID管理システムの機能やメリットなどを解説します。
ID管理システムは管理対象・機能・対象規模で選ぶ
ID管理システムを選ぶ際には、管理対象・機能・対象規模の3つの重要なポイントを考慮することが必要です。管理対象のシステムの確認、必要な機能を搭載しているか、自社の規模・業界に合っているかを確認することで、自社に適したシステムを選定できます。
これらのポイントを踏まえ、次の章ではそれぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 管理対象のシステムを確認
- 必要な機能を搭載しているか
- 自社の規模・業界に合っているか
【その他の比較ポイント】
- 提供形態を確認
- ベンダーのセキュリティ対策は万全か
- 使いやすさをチェック
ID管理システムの選び方で重要な3つのポイント
ID管理システムを選ぶ際には、以下の3つのポイントを押さえることで、自社に適したID管理システムを選ぶことが可能です。ここからは、それぞれの項目について注目して、詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ID管理システムの選び方で重要な3つのポイント
管理対象のシステムを確認
ID管理システムを選ぶ際は、製品によってID管理ができる対象システムが異なるため、自社で使用するすべてのシステムに対応しているかどうかを確認することが必要です。
たとえば、メールシステムや社内の業務アプリケーション、クラウドサービスなど、日常業務で使用するすべてのシステムがID管理システムで一元管理できるかをチェックしましょう。
もし一部のシステムが未対応だと、それらのシステムに関するIDやパスワードの管理が別途必要となり、管理の手間が増えたり、セキュリティリスクが高まったりする可能性があります。
必要な機能を搭載しているか
ID管理システムには、一つの機能に特化したものと、総合的な管理ができるものがあります。自社の要件に合わせて、どちらが適しているかを選ぶことが重要です。まず、現状の課題を把握し、どの機能が必要かを洗い出しましょう。
例えば、パスワードの定期変更機能やアクセス権限の細かい設定、アカウントの自動作成・削除機能などがあります。
システム選定の際には、具体的な要件リストを作成し、それに基づいて各製品を比較することが効果的です。主な機能として以下のようなものがあります。
機能 | 概要 |
---|---|
ID管理台帳作成 | ID・パスワード情報を一元管理する機能 |
ID管理の自動化 | 自社内システムと連携し、アカウントの発行・設定を自動で行う機能 |
ライフサイクル管理 | IDやパスワードの作成、変更、削除を管理する機能 |
ワークフロー | アカウント発行や変更の申請をシステム上で行う機能 |
監査レポート | アカウントの使用状況を記録・監視する機能 |
シングルサインオン | 一度のログインで複数のシステムにアクセスできる機能 |
多要素認証 | 2つ以上の方法でユーザーを認証する機能 |
特権ID管理 | 強力な操作権限や情報参照権限を持つアカウントの管理をする機能 |
自社の規模・業界に合っているか
ID管理システムの対象規模と価格は概ね比例するため、中小企業向けのシステムを選ぶとコストを抑えやすくなります。一方、大企業向けのシステムは高機能である分、価格も高くなりますが、より複雑なニーズに対応できます。
また、金融業界や医療業界など特定の業界に適したシステムも存在します。これらの業界は特有の規制やセキュリティ要件があるため、それに対応したシステムを選ぶことが重要です。
自社の業界に特化した機能を持つシステムを選ぶことで、コンプライアンスを確保しながら効率的なID管理が可能になります。
ID管理システムのその他の比較ポイント
ID管理システムを選ぶ際には、管理対象のシステムや機能だけでなく、さまざまな比較ポイントを考慮する必要があります。その他の重要な比較ポイントとして、提供形態やセキュリティ対策、利便性などが挙げられます。
これらの要素を適切に評価し比較することで、自社のニーズに最もマッチしたID管理システムを選ぶことが可能となります。以下ではそれぞれのポイントを詳しく解説していきます。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ID管理システムのその他の比較ポイント
提供形態を確認
ID管理システムには、クラウド型、オンプレミス型、アプライアンス型の3つの提供形態があります。クラウド型はインターネットを介してサービスを提供する形態で、導入コストが低く、柔軟性に優れています。
一方、オンプレミス型は自社サーバにシステムを導入する形態で、セキュリティやデータの管理を自社で完全にコントロールできます。アプライアンス型は、システムとサーバーがセットで提供される形態で、特定の用途に特化した高性能と安定性を提供します
専用ハードウェアによる安定したパフォーマンスを期待できます。以下の表では、それぞれの提供形態の特徴、メリット、デメリットをまとめました。
クラウド型 | オンプレミス型 | アプライアンス型 | |
---|---|---|---|
特徴 | インターネットを通じて サービスが提供 | 自社のサーバやインフラ にシステムを導入 | システムとサーバーが セットで提供 |
メリット | 導入・運用コストが 比較的低い | 自社でセキュリティ管理 が可能 | 導入・展開が簡易 |
デメリット | ネットワークの安定性が 求められる | 導入コストが高い | 特定の用途に特化して おり、汎用性に欠ける |
ベンダーのセキュリティ対策は万全か
ID管理システムの導入や運用において、特にクラウド型の場合は、システムのセキュリティがベンダーに依存することが多いため、信頼できるベンダーを選びましょう。
クラウド型のID管理システムでは、ベンダーが提供するインフラやセキュリティ対策が直接的に影響します。ベンダーがどのようにセキュリティを管理しているのか、どのような保護策が整っているのかを十分に調査しましょう。
このように、ID管理システムの導入は単なるソフトウェアの選定にとどまらず、セキュリティ面やサポート体制にも十分な注意が必要です。
使いやすさをチェック
ID管理システムは、海外製品も多いため、日本語でのインターフェースやマニュアルが充実しているかどうかを確認しましょう。
さらに、日本国内でのサポート体制も重要です。製品導入後に問題が発生した場合、迅速に対応してくれる日本語でのサポートがあることは大きな安心材料です。
サポートの品質や対応時間、利用できるコミュニケーション手段(電話・メールなど)も確認しましょう。これらのポイントを押さえることで、ID管理システムの導入と運用がスムーズに行えるでしょう。
おすすめのID管理システム6選
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
SecureCube Access Check
GOOD
ここがおすすめ!
- 厳格なアクセス制御が行え、万が一窃取されても防御可能!
- ゲートウェイ型の採用で最短1ヶ月、通常でも3ヶ月あれば導入ができる
- 必要な法令基準をすべて満たしている
MORE
ここが少し気になる…
- プランやオプション費用は問い合わせで確認
株式会社ディアイティ
Privileged Access Manager
GOOD
ここがおすすめ!
- サーバーやネットワーク機器はもちろん、クラウドやアプリケーションも管理の対象
- オンプレミス環境と同様のセキュリティ対策で統合管理が行える
- 「コマンド制御」や「アラート」などのセキュリティ機能も標準装備
MORE
ここが少し気になる…
- 特権ID管理・保護に特化しており、一般IDについては問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 特権IDやユーザー・権限の見える化や、管理作業の自動化が可能
- 特権IDの貸出しができ、ワークフローにも対応
- アクセスログを収集して自動点検が行え、特権ユーザーによる操作の動画記録もできる
MORE
ここが少し気になる…
- 管理するライセンスやターゲット数により料金が異なり、詳しくは問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 正規版と同様の機能を30日間試せ、本番環境への移行もスムーズ
- 退職者・異動者などのIDレポートにより、削除漏れを防げる
- 社員ごとのIDを管理でき、1年に1度の棚卸もwebで完結
MORE
ここが少し気になる…
- クラウド型のサービスが主のため、個別カスタマイズには対応していない
株式会社Works Human Intelligence
COMPANY ID管理
株式会社Works Human Intelligence
COMPANY ID管理
人事データベースと連動で便利!入退社や移動に伴うアカウント管理をスムーズに行いたい企業におすすめ
GOOD
ここがおすすめ!
- 企業内のさまざまなID/パスワードを一元管理でき、業務負荷軽減とセキュリティレベルの向上を実現
- 人事情報登録からIDメンテナンスまでの流れが自動化され、ID発行に関する工数削減が可能
- 業務システムのアカウント照合により、不正IDの自動検出・情報漏洩防止・セキュリティ対策強化が可能
MORE
ここが少し気になる…
- 詳しい金額や導入方法を確認するには問い合わせが必要
日本マイクロソフト株式会社
Microsoft Entra ID
GOOD
ここがおすすめ!
- 強力な認証と適応型アクセスポリシーの使用によりユーザーへ負担を与えずにアクセス保護ができる
- サインインをマルチクラウド環境でできることにより、生産性の維持やパスワード管理にかかる時間削減などにつながる
- すべてのIDとアプリケーションアクセスを一元管理でき、可能性と制御が向上する
MORE
ここが少し気になる…
- 無料利用も可能だが、企業で利用するには有料プランが効果的のためプランや料金の確認が必要
ID管理システムの導入フローと注意点
ID管理システムを導入する際は、適切な導入フローを踏むことで、システムの効果的な活用とスムーズな運用が可能になります。また、注意点を理解することで、導入時のリスクや問題を最小限に抑えることができます。
以下では、ID管理システムを導入する際のフローと注意点について詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ID管理システムの導入フローと注意点
1. 無料トライアルで試してから導入する
無料トライアルでは、実際にシステムを使ってみて、操作性や機能性を体験することができます。まずは、システムが自社の業務に適しているかどうかを客観的に評価しましょう。
無料トライアルを通じて、システムの使いやすさや効率性をチェックするだけでなく、製品サポートや問題解決の対応も確認できます。特に日本語でのサポートや製品の安定性を確かめることで、導入後の運用におけるリスクを最小限に抑えることができます。
2. 導入体制を整える
システムを導入する際には、システムの初期設定やID・パスワードの登録、アクセス権限の設定など、さまざまな準備が必要です。導入体制を整えることで、システムのトラブルや混乱を未然に防止可能となります。
特に大規模なシステム導入では、計画的な準備と適切な設定が全体の運用に大きな影響を与えます。各部門や関係者との連携も欠かさず、役割分担やスケジュール管理がスムーズに進むように調整しましょう。
3. トラブル発生時の対処法を決めておく
ID管理システムは、企業の業務において重要な役割を果たしていますが、システムに障害が発生すると業務に支障をきたす可能性があります。そのため、あらかじめトラブル発生時の対処法を決めておきましょう。
対処法を決める際には、どのようなトラブルが想定されるかを洗い出し、それに対する具体的な対策を準備します。また、トラブル発生時の連絡先や報告手順を整備しておくことも重要です。
対策を事前に整えておくことで、ID管理システムのトラブルが発生した際にも迅速かつ効果的に対処し、業務の連続性を確保することができます。
まとめ
ID管理システムは、企業が使用するあらゆるシステムのIDやパスワードを効率的に管理するツールです。このシステムを導入することで、セキュリティの強化や運用の効率化が図れます。しかし、市場には多くの製品が存在し、選定には注意が必要です。
選定の際には、まず自社が管理するシステムの種類や規模、業界の特性に応じて、適切なシステムを選ぶことが重要です。自社のニーズに最適なシステムを選択し、適切な導入準備と運用体制を整えることで、より効果的な管理と運用を実現しましょう。