ChatGPTでできること|ビジネスで活用するメリットも解説

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  • ChatGPTはアップデートを続け、言語モデルGPT-4oが誕生し性能がさらに向上している
  • ChatGPTはAI技術により、タイムラグの少ない人と接しているような会話ができる
  • ChatGPTをビジネスに活用すると、業務の効率化や顧客満足度の向上につながる

近年、最も注目されているAIサービス「ChatGPT」の機能は多岐にわたり、世界中の企業が有効な活用方法を模索しています。しかし、理解が追いつかず知見が浅くなりがちです。本記事では、ChatGPTのできることや、ビジネスで活用するメリットなどを解説します。

目次

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  1. ChatGPTの特徴と強み
  2. ChatGPTでできること
  3. ChatGPTでできないこと
  4. ChatGPTをビジネスで活用するメリット
  5. ChatGPTの注意点
  6. まとめ

ChatGPTの特徴と強み

ChatGPTはOpenAI社が開発した言語モデルの一種で、フォームに文章を入力すると、まるで人間が書くような自然な文章で返答してくれる、AIチャットサービスです。

ChatGPTの言語モデルは「GPT-3.5」に続き、現在は「GPT-4」「GPT-4o」もリリースされています。有料サービスもありますが、アカウント作成を行えば無料で利用可能です。

従来のチャットボットとChatGPTの違い

従来のチャットボットとChatGPTの違いは、自己学習能力の有無です。チャットボットには自己学習能力はなく、応答はあらかじめ設定されたルール内でしか行えません。

たとえば、チャットボットではプログラミングされていない質問には答えられません。同様に、プログラミングされていない返答も不可能であり、回答内容は定められた情報のみとなります。

一方、ChatGPTにはAIが搭載されているため自己学習能力があります。インターネット上の膨大なテキストデータを参考にしながら回答を自ら考え出すため、どのような問いかけにも対応できます。初めての質問に対しても、データを基に何かしら回答をしてくれます。

回答が間違っている場合は、ユーザーが修正することで自動的に修正の内容を学習します。つまり、対話・修正を重ねるほど、ChatGPTは精度の高い返答が可能になります。そして、言い回しのパターンを学習し、人間同士のような自然な対話も可能です。

参考:ChatGPT

最新言語モデル「GPT-4o」

ChatGPTは2024年5月14日のアップデートで、最新言語モデルとして「GPT-4o」をリリースしています。GPT-4oは、GPT-3.5やGPT-4よりも性能が向上しており、テキスト・音声・画像など幅広い情報を組み合わせ、リアルタイムで迅速な処理を行います。

また、GPT-4では制限付きだった機能が無料版でも使用できるようになり、利用ユーザーが増加しています。最新のアップデートにより、無料版で多くの機能が使えるようになったのも大きな変更点です。

なお、ChatGPTは基本無料で利用可能ですが、無料版のGPT-4oと有料版「ChatGPT Plus」に含まれるGPT-4oでは、使える機能に制限の違いがあるため注意しましょう。

ChatGPTとChatGPT Plusの違いとは?使い方も解説

「ChatGPT Plus」は、AIチャットサービス「ChatGPT」をアップグレードした有料版です。無料版と比べ、より精度の高いスピーディーな回答が可能となっています。この記事では、双方の違いやChatGPT Plusでできること、おすすめの使い方などを詳しく解説します。

ChatGPTでできること

AIを搭載したChatGPTは高性能であることから、従来のチャットボットでは困難だったタスクにも対応できるなど、使い方次第ではビジネスの場でも活用可能です。ChatGPTは生成AIの一種であるため、会話だけでなくさまざまな用途に使用できます。

ここでは、ChatGPTでできることを具体的に解説します。

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人と接しているような会話ができる

ChatGPTでは、人間を相手にしているような自然な会話ができます。それは、AIが膨大なテキストデータから、会話のルール・発言の意図・よくある言い回しなどを学習して回答するためです。

決められた型に沿って回答をしていた従来のチャットボットに比べて、よりリアリティのある会話が楽しめます。また、あらかじめプログラミングされた回答を返していた従来までと異なり、AIが「自分で考えて」答えを出す点も、現実味のある会話ができる理由です。

たとえば、同じ質問を何度かした場合、ChatGPTが出す答えは毎回内容が少し異なります。このように、人間らしい「揺らぎ」のある会話が楽しめる点は、ChatGPTの大きな特徴といえるでしょう。

タイムラグの少ない会話

GPT-4oは、GPT-4と比べて大幅に回答スピードが速くなっています。GPT-4でも複雑な質問内容に対して丁寧な回答を得られましたが、処理速度が遅く、質問内容の複雑さに合わせて回答が届くまでに時間を要するのが課題でした。

しかし、GPT-4oは瞬時に回答がもらえるため、タイムラグの少ない会話が実現します。回答の精度向上に加え、速度も上がっていることにより、利便性が飛躍的に高まっています。

高精度な画像認識

ChatGPTに画像ファイルを添付して説明を求めると、人間の目で確認・判断しているかのように、画像から読み取れる情報を回答してくれます。その際、単に画像がどのようなものなのか判断するだけでなく、色・形状・雰囲気など細かな部分まで認識します。

さらに、食べ物の画像であれば、データから読み取れる情報から分析を行い、推定のカロリーを計算することも可能です。GPT-4oでは画像認識能力が大幅に向上しており、感情を持っているかのような回答が得られます

画像生成(DALL-E 3)

画像生成AIとして、ChatGPTを使った画像の生成が行えます。利用者が送信したテキストプロンプトから内容を反映し、画像を生成するDALLシリーズの最新版が「DALL-E 3」です。

テキストでアイデアの提示を行うと、具現化された画像が回答として届きます。また、追加で指示を出すと、修正された新たな画像が生成されます。なお、生成された画像を利用する際には、著作権侵害などに注意する必要があります。

関数の作成やプログラミング

ChatGPTは、ExcelやGoogleスプレッドシートで使う関数、HTMLやPythonなどを使ったプログラムコードの生成も行うことができます。具体的にどのような関数・コードを生成したいのか指示すると、関数・コードを出力してくれます。

指示があれば自動で出力してくれるため、専門知識がない人でも関数の作成やプログラミングが可能になります。プログラミング初心者のサポーターとして活用するのも良いでしょう。

その他に、デバッグを行うことも可能であり、対象のコードを入力してバグ箇所の発見をしたり、修正案の提示・正しいコードの生成を指示すると、瞬時に対応してくれたりします。

データ整理や表作成

データの整理や簡単な集計、表の作成もChatGPTでできることの1つです。整理や集計をしてほしいデータ、表化してほしいデータを提示して指示を与えることで、自動的に作業を行ってくれます

たとえば名刺管理で使う場合、複数の氏名・電話番号・勤務先を箇条書きにし、ChatGPTに「表を作成して」と指示すれば自動的に全ての項目を表に見やすくまとめてくれます。

資料の作成やデータ分析を行う際に、データを適切な形に整理するのには手間がかかりますが、ChatGPTを活用すれば短時間で完了させることができます。

記事やドキュメントの作成・添削

ChatGPTにある程度の情報を与えることで、業務マニュアルやドキュメントの作成なども行えます。人間の手で1から作成するよりも、大幅に時間を短縮して作成できるでしょう。

さらに、作成した文章の添削や校閲に活用することも可能です。間違った情報がないか、誤字・脱字がないかなどを素早くチェックしてくれます。特に、分量が多い場合などに便利です。

記事やドキュメントの骨子を作成させることもできるため、スピード感を持って作業を進めたい場合は、ChatGPTにサポートしてもらうのも1つの方法です。

小説などの例文作成

ChatGPTでは小説・脚本など、ストーリー性のあるテキストの作成も可能です。大まかな物語の設定と方向性、文量などを指示すると、独自のストーリーで文章を考え出してくれます。

文章の長い・短いに関わらず、人間味のあるテキストの作成が可能です。商品のキャッチコピー考案や講演の原稿作成、得意客へのメルマガ作成などにも応用することができるでしょう。

100言語以上の翻訳

ChatGPTは100言語以上に対応しており、翻訳も可能です。AIが文脈を理解しながら翻訳するため、従来の翻訳システムに比べて、意味が通らない文章や不自然な文章になる確率が低く、言語ごとの自然な言い回しも学習しています。

たとえば、海外の人とやり取りする際、メールの内容をChatGPTに打ち込んで翻訳するといった利用が可能になります。ただし、ChatGPTは英語テキストを学習ベースとしているため、質問の際は日本語よりも英語を使うと、より精度の高い回答を得られます。

情報収集や要約

ChatGPTは情報収集・要約にも長けています。たとえば、「野球での勝ち方を教えて」と質問すると、インターネット上から情報を収集し、重要なポイントを抽出して端的にまとめた回答を提示してくれます

手動での調査よりも大幅な時短につながるため、多くの情報を参照しなければならない事柄に関して簡潔に知りたい際に便利です。ただし、ChatGPTは最新情報や専門性の高い情報の収集には適していません

アイデアの取得

ChatGPTは自らオリジナルの回答を導き出す生成AIであるため、何か新しいアイデアやヒントが欲しい場合にも役に立ちます

具体的には、小説などの例文作成に加え、「新しい小説を書きたいがどのような話にすれば良いかわからない」といった際にも、AIが導き出したアイデアを得られます。

また、ビジネスシーンにおいては、商品企画などのアイデア出しに活用できれば、面白い使い方もできます。人では思いつきにくいユニークな回答が得られることもあるため、新しい視点を取り入れたい場合には、ChatGPTに相談してみるのも1つの手です。

API連携

既存のチャットボットと連携させることで、ChatGPTの機能を活用し、従来よりも柔軟で精度の高い受け答えができるようになります。通常はあらかじめ用意された答えのみを返すチャットボットですが、実際にオペレーターと会話しているような回答が提示されます。

また、会計ソフトや給与計算システムなど、業務ツールとChatGPTをAPI連携することも可能です。たとえば、会計ソフトの場合、ChatGPTにあらかじめ指示を出しておけば、経費報告・請求書作成・財務データ分析などを一定程度自動化できます。

このように、自社サービスを拡張させたり、自社の既存システムとChatGPTを連携させて、業務の効率化を図ったりするのも効果的な使い方の1つです。

ChatGPTでできないこと

万能ツールのように思われるChatGPTにも、できないことは存在します。思わぬミスや誤った使い方を防ぐためにも、ChatGPTの弱点を正確に理解しておきましょう

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最新の情報の取得

ChatGPTはリアルタイムな最新情報の収集には適していません。なぜなら、ChatGPTは一定の期間までしか学習していないからです。最新のGPT-4oでも、2023年10月までの情報に基づいて、質問内容に対する回答を行います(2024年7月執筆時点)。

そのため、今日の天気や昨夜のサッカーの試合結果など、直近の事柄について質問しても「こちらから検索してください」と検索エンジンに案内されるだけで、正確な回答は得られないでしょう。

詳細な未来の予測

ChatGPTは未来を詳細に予測することはできません。未来予測に関しては、「一般論として展開されている予測」程度であれば回答できますが、人間でも予測が難しいことは答えられないと認識しておきましょう。

たとえば、自然災害の予測はプロの気象予報士や専門家でも困難です。そういった専門性の高い事柄や、そもそもデータや情報が存在せず、不確実性が高い事柄については、ChatGPTは予測できません

高度な未来予測を求めた際、何かしらの回答は返ってくると考えられますが、間違った予測を回答することも考えられる点には留意しましょう。

正確な演算

ChatGPTは演算が苦手です。特に苦手なのは掛け算で、人間が筆算で解けるような簡単な掛け算でも間違うことがあります。そのため、ChatGPTに演算を頼んだときは、回答が正確かをチェックする必要があります。

演算を間違えた場合は、指摘・修正すればAIが自動で学習して正しい答えを導き出すこともあります。しかし、今のところ業務に関わるような演算目的で利用するのは、まだ好ましくないといえるでしょう。

ChatGPTをビジネスで活用するメリット

ChatGPTはビジネスにも応用可能で、実際に導入を検討・開始している企業も多いです。ChatGPTで業務の効率化・顧客満足度の向上を図りながら、自社の売上拡大につなげていきましょう。ここでは、ビジネス利用におけるメリットを具体的に解説します。

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業務の効率化につながる

ChatGPTの導入により、業務の効率化が期待できます。たとえば、ビジネスに必要な情報収集や競合他社のWebサイト要約をChatGPTに任せれば、事前準備にかかる時間と手間の削減につながります。

特に、他ツールとのAPI連携により、チャットボットをはじめとした既存のシステムにChatGPTを組み込むことで、人手を増やさずにサービスの充実度を高めることができます。実際に、API連携を駆使して大幅な効率化を実現している企業が多数存在します。

また、プログラミングにおけるコード生成・バグ修正も任せられるため、システム開発などIT分野の業務を一部自動化することも可能です。

顧客満足度を向上できる

最近は、顧客からの問い合わせ・購買サポートにチャットを利用する企業が増えています。各システムにChatGPTを導入することで、顧客満足度の向上につなげられる可能性があります。

ChatGPTはアップデートを重ねており、タイムラグのない人間味のある対話を実現しています。紋切り型の回答は顧客に不愛想な印象を与えたり、望んだ回答が得られなかったりする恐れがありますが、ChatGPTではそのような心配も少なくなります。

また、ChatGPTは顧客のニーズ分析の面でも優れています。社内システムとAPI連携させて過去の膨大な顧客データを学習させれば、顧客の潜在ニーズや好みを踏まえながら商材の提案を行うため、自社サービス・商品をより良いものへと発展させられます。

ChatGPT APIとは?メリットやできること、料金について解説

ChatGPT APIは、WebアプリケーションやソフトウェアとChatGPTを連携させるインターフェースです。ChatGPT APIにより、新しいサービスの開発を効率化させることができます。本記事ではChatGPT APIでできることや料金などについて解説します。

機会損失の防止が可能

API連携でChatGPTをチャットボットに組み込めば、スタッフによる対応に劣らないカスタマーサポートが年中無休で行えます。そのため、応対不可能な時間を作らず、機会損失の防止が可能です。

たとえば、有人によるカスタマーサポートの場合、営業時間しか対応できず、顧客が他に流れてしまう恐れがあります。また、チャットボットは営業時間外も対応可能ですが、決められた返答しかできないため、顧客が求める満足なサポートを受けられないことも多いです。

そこで、ChatGPTをチャットボットに組み込めば、24時間365日柔軟な顧客対応が可能になり、夜間・休日におけるサポートの充実化を図れます。また、オペレーターも必要最低限の人数で済むため、人的リソースの有効活用と人件費のコスト削減にもつながるでしょう。

ChatGPTの注意点

ChatGPTにはできること・できないことがあり、活用方法を誤ると取り返しのつかないミスやトラブルに発展しかねません。無用なトラブルを避けるためにも、ChatGPTは次の4つの注意点を抑えて活用しましょう

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誤情報や不適切な回答もある

ChatGPTは必ずしも正しい回答をするとは限りません。ChatGPTはAIが集めた情報を基に答えを考えるツールであり、学習した情報が誤っていると、誤情報や不適切な回答が送られてきます。

ChatGPTには学習内容の正誤を判定する機能がないため、誤った情報をそのまま伝えるケースも多くみられます。特に、特定の人物・商品・サービス・作品などに関する固有の事象については、回答内の情報が間違っていることが多いです。

ChatGPTの回答の精度を高めるには、質問の仕方を工夫してみましょう。具体的な内容を質問に盛り込むと、より正確な回答が期待できます。ただし、ChatGPTの出した答えは鵜呑みにせず、必ずファクトチェックを行うことも大切です。

論理的・倫理的ではない回答が届く

ChatGPTは、インターネット上に多くみられる問答・言い回しを参考に回答を作成するため、時に非論理的な回答が届くことがあります。簡潔にいえば、よくある言い回しをかき集めて回答を作り上げるため、文意が伝わらないケースが発生します

また、一つひとつの単語の意味や人間の感情、道徳観、文化背景などを理解できません。学習した情報に偏りがあった場合、差別や偏見とも感じとれるような倫理的に不適切な回答をすることもあります

したがって、外部に公開する目的では、ChatGPTが生成した文章をそのまま使うのは危険性が高いです。文意が伝わるか、言い回しや言葉遣いは適切か、意図していない内容が含まれていないかなどをよく確認し、人の手で修正した上で使う必要があるでしょう。

専門分野の精度が低い傾向にある

ChatGPTは専門性の高い分野における回答精度が高くありません。それは、専門性の高い知識や情報はインターネット上に載せられている情報が少なく、ChatGPTの学習が不十分になりやすいためです。

学習を重ねれば精度の高い回答を作り出すことは可能です。しかし、医療など専門家による意見やアドバイスが重要となる分野、特定の業界に関する詳細な知識などについては、誤った回答である可能性が高く、ChatGPTに回答を求めるのは好ましくないといえます。

個人情報や機密情報の漏洩につながる

ChatGPTに善悪を判断する機能はなく、受け取った情報はすべて回答の材料にしてしまいます。よって、情報漏洩を避けるため、ChatGPTには個人情報・機密情報を送信しないようにしましょう。

たとえば、ChatGPTと対話する中で自身や他者の個人情報を入力してしまった場合、ChatGPTは学習データとして取り込み、他のユーザーへの回答を生成する際に悪気なく使われてしまう恐れがあります。

したがって、個人利用・法人利用問わず、ChatGPTへ入力する情報には、外部に漏洩すると重大なリスクがある個人情報や企業の機密情報などは、決して質問に含めないようにしましょう。

まとめ

ChatGPTは人間に近いリアルな対話を実現するチャットシステムです。テキストの作成、翻訳、プログラムや関数の自動生成も可能なため、さまざまな作業を一部自動化することもできます。

一方、ChatGPTは最新の情報や専門性の高い情報の収集には適していません。誤回答も多いため、ChatGPTの答えは必ずしも鵜呑みにせず、ファクトチェックなどの対策が必要です。また、ChatGPT経由の情報漏洩にも十分に注意しましょう。

ChatGPTをビジネスに上手く応用できれば、業務の効率化・顧客満足度の向上・機会損失の防止につながります。ChatGPTで人的リソースの有効活用・コスト削減を図りながら、売上の拡大につなげていきましょう

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