ChatGPTのプロンプトとは?作成のコツや活用例を紹介

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  • ChatGPTにおけるプロンプトとは、AIチャットと会話する際の質問文・指示文のこと
  • 精度の高い回答を得るには、形式やAIの立場を設定するなどプロンプトの工夫が必要
  • ChatGPTの提案はビジネスシーンにも役立つが、必ずしも正解ではない点に注意する

ChatGPTにおけるプロンプトとは、AIチャットと会話する際の質問文・指示文のことです。精度の高い回答を得るには、プロンプトを工夫する必要があります。この記事ではChatGPTのプロンプト作成のコツや、ビジネスシーンでの活用例などについて解説します。

目次

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  1. ChatGPTのプロンプトとは
  2. プロンプトの質は回答の質を左右する
  3. プロンプトの種類
  4. プロンプト作成のコツ
  5. 覚えておきたいプロンプトの型
  6. プロンプトを工夫したChatGPTの活用例
  7. ChatGPTを活用する際に注意したいこと
  8. まとめ

ChatGPTのプロンプトとは

ChatGPTにおけるプロンプトとは、ChatGPTとやり取りする際にユーザーが入力する質問文や指示文のことです。プロンプトによって、ChatGPTに何を求めているのかを明確に伝えることで、希望に沿った内容を回答してもらえます。

ChatGPTとは

ChatGPTとは、OpenAIが開発した対話型のAIツールです。文章の生成や表の作成など、さまざまなことが行えます。Web版のほかにiPhoneアプリやLINEで利用できるサービスも展開しており、無料でも使用できるため、個人でも手軽に利用できるのがメリットです。

有料版では、無料版で使えない、あるいは利用制限のあるAIモデルも使えるようになり、さらに無料版にはない幅広い機能が使えるようになります。企業向けのプランもあり、近年では個人利用だけでなく企業利用も増えてきています。

参考:ChatGPT|OpenAI

プロンプトとは

プロンプトという言葉には、「何かを要請する」「促す」「要求する」などの意味があります。コンピューター用語としてのプロンプトは、「相手に動作を促すためにコンピューターが表示するテキストや記号」を意味します。

以前から使われていたプロンプトとしては、コマンドと呼ばれる命令文を用いてPCを操作するためのツールである「コマンドプロンプト」が挙げられますが、近年ではAIに出力を指示するための「AIプロンプト」を指すことも多くなっています。

ChatGPTにおけるプロンプトの特徴

ChatGPTをはじめとする生成AIチャットツールにおけるプロンプトの特徴は、自然言語によるテキストで指示を与えられることです。

例えば、文章を要約して欲しい場合には「以下の文章を〇字以内で要約してください」などと送ることで、ChatGPTが要約文を出力してくれます。プログラミングなどにおいては、「〇〇のプログラムを生成して」など、テキストベースの指示を送るだけでプログラミングコードが生成可能です。

プロンプトの質は回答の質を左右する

ChatGPTの利用において、プロンプトは非常に重要なものです。プロンプトが明確なものになっていなければ、期待したような回答は得られないかもしれません。

例えば文章を生成して欲しい場合、文字数や含めて欲しいキーワードなど、細かな部分まで指示を具体的にした方が希望に沿った回答が得られるでしょう。

適切なプロンプトを設定すると、AIは的確に作業を行えるようになります。曖昧な指示文ではこちらの意図を汲み取ってくれないため、期待するような回答を得るためには、質問・指示の仕方を工夫しなければなりません。

プロンプトの種類

プロンプトには、「Instruction(命令)」「Completion(補完)」「Demonstration(実演)」の3つの種類があります。

Instruction(命令)は、文章の要約などChatGPTにしてほしいことをテキストで命令する方法です。

Completion(補完)では、ユーザーの入力した文章に続いてAIが文章を補完します。具体的には、「織田信長」とユーザーが入力すると、「織田信長は、戦国・安土桃山時代の武将で〜」などのように、その説明を出力してくれます。

Demonstration(実演)は、ユーザーが入力した情報や提示した例を基に回答を提供してもらう方法です。例えば、「サービスの品質が高い//強み、認知度が低い//弱み」などの例を提示して、「資金が少ない//」と入力した場合、傾向を学習したChatGPTは「弱み」と回答します。

特徴
Instruction(命令)してほしいことを指示
Completion(補完)テキストの補完を行う
Demonstration(実演)提示した例に基づいて実演する

ニーズに合わせて適切にChatGPTを利用するためには、こういったプロンプトの種類を適切に選ぶことが重要です。

プロンプト作成のコツ

ChatGPTで期待通りの回答を得るには、AIの能力を十分に引き出せるような質の高いプロンプトを作成することが重要です。こういった技術のことを「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。

ここでは、プロンプトエンジニアリングの考え方に基づいて、適切なプロンプトを作成するためのコツやポイントを紹介します。

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形式を指定する

まずは、回答の形式を指定しましょう。「箇条書きで書いて」「〇〇文字以内でまとめて」などの形式を指定すると、ChatGPTはおおよそ指示通りの形式で回答をしてくれます。

形式を指定すると、文章量が多すぎて読みにくかったり、長すぎて内容が伝わりづらくなったりすることを防げます。また、文章を要約したい場合は文字数を制限することで、しっかりと短い文章でまとめてくれやすくなるのが特徴です。

形式を指定する際には、具体的な数値や形式を用いて分かりやすい指示にしましょう。また、記号を使用するのも有効です。例えば、『#(シャープ)』は見出しを意味し、数が少ないほど見出しは大きくなります。また、『-』や『*』で箇条書きを指示できます。

キャラクターを設定する

「あなたは学生です」など、AIの立場を先に設定しておく方法もおすすめです。あらかじめChatGPTのキャラクター設定をしておくことで、指定した立場に沿った内容を回答するようになります。

例えば、「あなたは〇〇を購入したい見込み客です」などと設定すれば、商談内容のテストを行ったりトレーニングをしたりできるでしょう。ChatGPTは指定したキャラクターになりきって回答してくれるため、さまざまなシーンで役立ちます。

条件を細かく指定する

ChatGPTは前の会話を記憶しながら対話してくれるため、一度返ってきた内容に対して再度、指示を与えることもできます。難しい説明文や専門用語の多い回答だった場合には、「中学生にも分かるように説明してください」などと指示を出すのがおすすめです。

このような指示を出すと、かみ砕いた表現で回答してくれます。何度も質問を繰り返していくうちに、希望通りの回答が出てくるでしょう。ChatGPTはプロンプトの粒度次第で回答の粒度も変わるので、必ず細かく指示を出すようにするのが有効です。

参考情報を提供する

ChatGPTが提供する情報は、100%正確とはいえません。そのため、ChatGPTが提供する回答の精度を上げるために、参考情報を補足として提供するのがおすすめです。

これにより、複雑な質問でもChatGPTが混乱せずに質問の意図を理解できるようにしたり、不正確な回答を減らしたりする効果が見込めます。

回答内容の詳細を尋ねる

ChatGPTはWebサイトなどから情報を収集し、回答してくれる対話型のAIのため、場合によっては回答が曖昧なケースがあります。そのような場合には、「もっと具体的に教えてください」「理由を教えて欲しい」などと詳細を尋ねてみましょう。

このようにすることで、曖昧だった答えが具体的なものになったり、その回答に至った理由を答えてくれたりするようになります。何か分からない部分や用語がある場合には、その部分に絞って質問をすると、より詳しい内容を答えてくれるはずです。

ChatGPTに質問をする際には、誰かと話をしていることをイメージすると上手く活用できます。分からないことや気になることは随時質問をしながら、何度も会話を繰り返していきましょう。

「続けて」と入力する

ChatGPTはサーバーの混雑が起こったり、回答が長くなりすぎたりするとテキストが途中で途切れてしまう場合があります。テキストの生成中に止まってしまった場合には、「続けて」「続きをお願いします」などと指示をすると、続きを生成してくれるでしょう。

それでも途中で止まる場合には、再度「続きをお願いします」などと伝えてみてください。ChatGPTではトークン(AIが文章を処理する際の最小単位)による文字数制限が設定されているため、長すぎる内容は途中でストップしてしまいます。

そのような場合でも、同じチャット内で繰り返し「続けて」と伝えれば、続きを生成してくれます。

覚えておきたいプロンプトの型

プロンプトエンジニアリングでは、以上で紹介したようなコツを踏まえて確立されたプロンプトの「型」もあります。ここでは、代表的な3つの型と、そのプロンプトテンプレートを紹介します。

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覚えておきたいプロンプトの型

  1. 深津式
  2. ReAct式
  3. ゴールシーク式

深津式

深津式は、冒頭でAIに与える役割を明確に示し、その上で出力の条件を示していく型です。note株式会社のCXOである深津貴之氏によって考案されました。

AIに与える役割とは、例えば「塾講師」「マーケター」「ライター」といった職種などです。それらを設定してから、具体的に何を出力して欲しいのかや、文字数や文体といった出力する際の条件を明示していきます。

【深津式のプロンプトテンプレート】

#命令:

あなたは〇〇です。

以下の制約条件と入力文をもとに、〇〇を出力してください。

#制約条件:

  1. 〇〇
  2. 〇〇
  3. 〇〇(文字数など)

#入力文:

〇〇~

#出力文:

ReAct式

ReAct式は、「Thought(推論)」「Action(行動)」「Observation(結果)」の3段階で回答をしてもらうことで、回答の精度を高める型です。

「Thought」は、入力された課題に対してどのような解決策があるか思考する段階、「Action」は、Thoughtで考えた解決策を実行するための行動を示す段階、「Observation」は、Actionの結果を観察して再度思考することを促す段階です。

【ReAct式のプロンプトテンプレート】

〇〇についての解決策を教えてください。

Thought:

Action:

Observation:

ゴールシーク式

ゴールシーク式は、目的に合ったプロンプトをAI自身に考えてもらうための型です。プロンプトを作成する上での設定を示してChatGPTに出力してもらい、その後プロンプトの修正を何度も繰り返してゴールを目指します。

【ゴールシーク式のプロンプトテンプレート】

あなたにはプロンプトエンジニアになってもらいます。ChatGPTへのプロンプトを一緒に考えてください。

以下のプロセスに従ってください。

  1. 最初に何についてのプロンプトであるか私に確認してください。
  2. 私の入力に基づいてプロンプトを作成してください。
  3. プロンプト作成後に私が追加情報を提供するので、プロンプトを改修してください。

プロンプトを工夫したChatGPTの活用例

プロンプトを工夫すれば、ChatGPTをさまざまなシーンで活用できます。ここでは、プロンプトを工夫することで実現できるChatGPTの活用例を5つ紹介します。

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難解な文章の要約

長文の要約は、ChatGPTの基本的な使い方です。「以下の文章を200字以内で要約してください」といった指示のあと要約したい文章を記入すれば、要点を抜き出して200字以内の文章を返してくれます。

この際、「箇条書きを使用して、構造化された文章にしてください」「内容は改変せず、タイトルを入れてください」など、プロンプトに様々な条件を加えることで、要求を満たしたわかりやすい要約文を作成できます。

新サービス提供に向けたペルソナ設定

プロンプトを工夫することで、ChatGPTで新サービスのペルソナを設定できます。年齢や職業、生活環境などAIに設定してほしい項目を指定すると、新しいサービス提供のためのペルソナ設定ができます。

ChatGPTは与えられた情報を基に、ペルソナの生成が可能です。ターゲット顧客の年齢・性別・職業・趣味・生活スタイルなどをChatGPTに入力すると、その情報をまとめた人物像を描き出す文章を生成してくれます。

宣伝メールの文章作成

プロンプトを上手に活用できると、宣伝メールの文章作成が可能です。ChatGPTが得意としている文章生成の性能を活かし、効果の出る宣伝メールを作成してもらいましょう。宣伝したい商品やターゲット層を指定することで、ペルソナに合うものを作成してくれます。

商品やターゲット層などを指定した上で、「告知メールを作成してください」のような指示を与えてみましょう。これだけの指示で、宣伝メールを短時間で作成してくれます。作成する際は、内容を見直したり質問を繰り返したりすると、より良い文章に仕上げられます。

SEOに強いブログのタイトルの修正案

プロンプトの工夫によって、SEOに強いブログのタイトルの修正案の作成ができます。ブログやオウンドメディアなどを運営している場合には、記事の執筆をChatGPTに依頼するケースもありますが、タイトルの作成も簡単にできます。

最初からChatGPTに考えてもらうこともできますが、すでにタイトル案がある場合には、原案を伝えた上でSEOに強いタイトルに修正してもらうことができます。公開している記事のリライトや新規記事の公開の際に使うことで、効果的なコンテンツにすることが可能です。

想定されるクレームへの対処

商品やサービスを提供する際、どのようなクレームが来るのかが予測できれば、事前に対処法を考えられる上、クレームを回避するような業務内容の改善も行えます。

プロンプトの例として、まずは商品やサービスの概要を簡単に記載し、「これを販売した場合に想定されるクレームを箇条書きで教えてください」と入力します。

この際、「幅広い年代かつ、女性からのクレーム」「セリフ形式で、概要の説明は不要」などの条件を加えれば、ターゲットを絞ったクレームを効率良く洗い出せるでしょう。

ChatGPTを活用する際に注意したいこと

ChatGPTは便利なツールではありますが、利用の際には気を付けるべき点があります。ここでは、特に気を付けたい2つのポイントを解説します。

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ChatGPTを活用する際に注意したいこと

  1. 回答をそのまま使わない
  2. 時間がかかりすぎることもある

回答をそのまま使わない

ChatGPTは精度の高い回答をしてくれるケースが多いものの、全ての情報が正しいものだとは限りません。そのため、ChatGPTから得た回答はあくまでも参考程度に捉えることが重要であり、自身でしっかり調べたり考えたりするようにしましょう。

提供された回答をそのまま使うのではなく、間違った箇所がないか自身で確認することが大切です。また、そのまま使うと他サイトのコピーになる可能性もあるため、コピペチェックツールなどを用いながら活用しましょう。

時間がかかりすぎることもある

ChatGPTは便利なツールですが、質問の入力や回答、そのブラッシュアップにはある程度の時間がかかります。質問文を入力する際はプロンプトを考える必要があり、期待している答えが提供されるまでに予想以上の時間を要するケースもあるでしょう。

場合によっては、自分で最初から考えた方が早いケースもあるため、使いどころをよく考えましょう。なお、ChatGPTの出力に時間がかかりすぎる場合には、通信環境を確認したり再読み込みしたりしながら様子を見てみるのがおすすめです。

まとめ

プロンプトとは、ChatGPTに回答させるための指示文です。ChatGPTの利用にはプロンプトが欠かせないため、質問文と一緒に必ず細かな指示を加えるようにしましょう。プロンプトがないと正しい回答が得られず、想像以上の時間がかかるケースもあります。

また、ChatGPTの回答は全て正しいとは限らないため、自身でも調べたり考えたりしながら使うのがおすすめです。本記事を参考にしながら、ChatGPTを上手に活用しましょう。

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