CRMを活用したコミュニケーション設計|社内での設計手順を解説
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- コミュニケーション設計とは、潜在的な顧客ニーズを追求し成約につながる導線を作ること
- CRMの分析機能を活用すれば、コミュニケーション設計は社内でできる
- コミュニケーション設計を成功させるポイントは、顧客の反応を見て分析することである
多様化した顧客ニーズに対応し、企業の顧客ロイヤリティを向上させるには、CRMを活用してコミュニケーション設計を行うことが有効です。本記事では、効果的なコミュニケーション設計の手順やコミュニケーション設計を成功させるポイントを解説しています。
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CRMを活用してコミュニケーション設計を成功させよう
CRMとは、顧客との関係を管理することで、ユーザーとの最適な関係性を保つためには、CRMを活用したコミュニケーション設計が重要です。ここでは、コミュニケーション設計の内容と、その重要性について解説します。
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CRMを活用してコミュニケーション設計を成功させよう
コミュニケーション設計とは
コミュニケーション設計とは、企業側が顧客にこうなってほしい、こう進んでほしいと目指す道筋をたどってもらえるよう、事前にプランニングを行うことです。具体的なプロセスやストーリーを用いることから、シナリオ設計と呼ばれることもあります。
たとえば、広告を見て商品を購入してくれた顧客に再度利用してもらうには、どうすればいいのかを考える場合、具体的な顧客の行動や行動原理について、顧客目線でプランを立てることが必要です。
そのため、コミュニケーション設計では、自社の理想と顧客の心理を擦り合わせる綿密なプランニングが求められます。
コミュニケーション設計の重要性
コミュニケーション設計は、企業側が利益を追求していく中で、顧客との関係性をより深める効果もあります。コミュニケーション設計を怠ると、せっかく自社の製品を気に入った顧客との関係性が深まらず、顧客離れにつながります。
そのため、コミュニケーション設計には、CRMを利用したカスタマージャーニーの理解が必要です。顧客が商品を購入したり、サービスを利用する背景には、どんな感情や行動の変化があるのかを理解しましょう。適切に対応することで、顧客の満足度を高めます。
CRMにおけるコミュニケーション設計の手順
それでは、具体的にコミュニケーション設計を社内で行う場合にはどのようにしたらいいのでしょうか。ここでは、4つのポイントについて手順と共に解説していきます。
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CRMにおけるコミュニケーション設計の手順
課題や目的を明確にする
コミュニケーション設計では、課題や目的を明確にするところから始めましょう。たとえば、商品の購入数が安定しているのに対し、リピート率が低いといった課題を打ち出します。
そして、購入した商品をリピートしない理由を顧客目線で考えます。顧客目線で課題や目的を明確にすることで、どのような問題に取り組めばいいかがわかります。あとは、課題をクリアするために、必要な情報を収集していきましょう。
また、目的を明確にするために、KPIを設定することも必要です。KPIとは、目的達成に向かって、プロセスが適切に実行されているかどうかを計測するための指標のことです。
ターゲットを選定する
課題や目的が明確になったら、次は具体的なターゲットの選定を行います。たとえば、20代のシングル女性と30代、40代のファミリー層の女性では、同じような商品でも求めている性能や機能が異なります。そのため、商品購入に設定したペルソナの把握が必須です。
ペルソナやターゲットの設定には、CRMツールの利用が非常に効果的です。中でも、分析機能や検索機能を使用すれば、商品に興味を持っている年代の選定が容易にできるため、より適切なターゲット層の認定に役立ちます。
具体的な伝えたい内容を決定する
選定したターゲットに対してどのような情報を発信するか決めましょう。その際、明確にした課題や目的をクリアできる内容を意識する必要があります。
カートに入れたままの商品があるお知らせや誕生日のお祝いクーポンなど、具体的な内容の決定が、次のステップで重要になります。
アプローチのタイミングや手法を決める
適切なタイミングや具体的なアプローチ法を考えるには、カスタマージャーニーに焦点を当て、顧客の行動心理を具体的に考えることも必要です。顧客の購入プロセスには、以下の8つのステップがあります。
- 否定
- 無関心
- 関心
- 不満
- 欲求
- 比較
- 決心
- 購入
それぞれのプロセスにおいて、自社商品になぞらえ、具体的なカスタマージャーニーを作成しましょう。その上で、顧客に伝えたい内容にはどのようなアプローチ法が適切か考えます。
また、ABテストの実施も、アプローチの手法やタイミングを決めるのに役立ちます。ABテストとは、商品を紹介する広告やWebサイトなどを、比較できるよう2種類以上作成し、顧客の反応を見ながらアプローチ方法を選定するという方法です。
結果検証を行う
コミュニケーション設計を行い、売上の人数やアクセス数の増減値、人数や世代での注目度の変化などの収集した情報を基に、CRMツールで分析します。各ステップにおけるKPI値の達成率なども同時に検証を行いましょう。
分析が終わると、達成した部分とそうでない部分が明確に浮き彫りになります。目標の達成が厳しくても、新たな改善点が見えてくることで、次の解決策を導くヒントが生まれます。効率的な業務へブラッシュアップできるため、より企業の成長につながるでしょう。
このように、PDCAサイクルを回し、継続的に課題の解決を行うことで、顧客ロイヤリティの向上につなげていくことが大切です。
CRMコミュニケーション設計に活用できる分析方法
では、具体的にどのような分析機能がコミュニケーション設計に活用できるのでしょうか。ここでは、下記の3つの分析方法を解説します。
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顧客分析
顧客分析では、顧客を既存顧客・見込み顧客・休眠顧客の3種類に分けます。その後、各顧客の傾向を理解し、それぞれに適したアプローチ法の選定や、顧客側の課題やニーズの詳細を詳しく分析します。
課題やニーズが明確になれば、より効果的なマーケティング戦略を進めることができます。他商品との差別化が図りやすく、売上のアップや自社商品のブランディング化が見込めます。
売上分析
売上分析機能とは、売上の内情を担当者や商品・サービスごとに分けて分析します。そのため、担当者や商品・サービスごとの売上傾向の把握が可能です。
担当者や商品などに細分化することで、より明確な数値を出せるため、今後の売上予測や目標値を掲げる場合に便利です。また、トレンドの把握もでき、売れている商品により注力した施策を行えます。
逆に売れていない商品などもピックアップできます。課題の抽出や新たなマーケティング戦略などを行いやすく、明確な評価基準が打ち出せます。
RFM分析
RFM分析とは、Recency(直近の購買日)・Frequency(購買頻度)・Monetary(購買価格)の3つの観点から、顧客の行動履歴を分析する機能です。それぞれを3つの軸でマッピングし、グループ化することで、分析結果を可視化します。
直近の購買日が近い、購買頻度が高い、購買価格が高いほど、優良顧客とみなされます。また、各指標から、Rが高く、FやMが低いのは新規顧客層、FやMが高く、Rが低い場合は、離れつつある顧客などの分析が可能です。
グループ化された顧客にはある一定のルールが発生します。ルール別に分かれた顧客に、より適したアプローチ方法を分析し、利益向上につなげます。
コミュニケーション設計を成功させるポイント
コミュニケーション設計を成功させるためには、施策の推進だけでは不十分です。ここでは、コミュニケーション設計を成功させるために必要な3つのポイントについて解説します。
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コミュニケーション設計を成功させるポイント
顧客視点で設計する
コミュニケーション設計を行う際は、自社本意なコミュニケーションにならないよう顧客視点を忘れずに設計しましょう。自社本意なコミュニケーションはマイナスイメージに繋がりやすいため、注意が必要です。
コミュニケーション設計は適切なタイミングで適切なアプローチを行うことで恩恵を得られるため、顧客ファーストな設計を行いましょう。
顧客の反応を見る機会を増やす
コミュニケーション設計では、できるだけ顧客の反応を見る機会を増やすことが、成功のポイントです。CRMの自動メール配信機能を使えば、メールの開封率を自動で測定し、レポートしてくれます。
また、Webマーケティングでは、LPページにリンクを貼って、ユーザーの興味から終わりに導く動線作りを行いましょう。しかし、この場合のリンクは、商品の購入サイトや申し込み、問い合わせのみに限ります。
もし、SNSなどのリンクの貼り付けは、せっかく訪れたユーザーを離反させてしまう可能性があるため、控えましょう。
3つの付加価値をつける
コミュニケーション設計を成功させるには、金銭的価値・利便的価値・情緒的価値の3つの価値を高めることも重要です。
金銭的価値 | 利便的価値 | 情緒的価値 | |
---|---|---|---|
特徴 | 経済的に有益なメリットを感じやすい | 快適感や利便性を感じやすい | 特別感や精神的な満足を得られやすい |
具体的な施策 | 値下げ・値引き・クーポンなど | 翌日発送・即対応・コールセンターの設置など | 先行受付・優先販売・特別招待セールなど |
たとえば、2度目以降の購入者にはクーポンや値引きなどの対応を行うと、お得感を感じやすく、リピート購入を促せます。また、即日発送や対応の早さは、商品をすぐ使用したいといった要望を叶え、利便的価値が高くなります。
他業者との商品で迷っている場合は、情緒的価値に訴える方法が効果的です。また、企業独自の付加価値を付けて、競合と差別化することも成功へのポイントと言えるでしょう。
まとめ
コミュニケーション設計は、企業と顧客のより良い関係性を作るために重要な施策です。企業にとって「売上目標の達成」というゴールは変わらないものの、目標達成のための手段が営業プロセスの設計から顧客側の行動や感情の動きを理解するものへと変化しています。
顧客を主として捉え、顧客目線のコミュニケーション設計が主流となる昨今です。自社商品の客層を理解し、ニーズや目的を捉えた商品やサービスを販売するには、顧客の理解を深めなければいけません。
カスタマージャーニーの分析から、より深いインサイトへの理解が求められているため、CRMによる膨大な顧客データの利用・分析が役立ちます。CRMを活用して、コミュニケーション設計を行い、企業の業績や顧客ロイヤリティの向上につなげましょう。
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