BPMツールのおすすめ10選|選ぶ際の比較ポイント・注意点も解説

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- BPMツールは、テンプレートの充実度・操作性・連携性に注目して選ぶ
- システムの導入形態・BPMNへの対応・費用対効果なども確認する
- 導入するツールに合わせて業務プロセスを変更し、継続して改善を行うことが重要
BPMツールとは、業務プロセスを可視化することで生産性や業務効率を向上させるツールです。導入によって自社に合った業務プロセスを構築できます。本記事では、おすすめのBPMツールや選ぶ際の比較ポイント、導入時の注意点などを解説します。
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BPMツールで業務プロセスを効果的に改善

BPM(Business Process Management)とは、業務プロセスの可視化によって業務改善を進めていくマネジメント手法です。BPMの効率的な推進のために用いられるのがBPMツールであり、システム上での管理で業務効率化と生産性向上を図れます。
BPMツールには、業務プロセスの改善を図る機能として、プロセスを可視化する「モデリング機能」、新規プロセスや変更時の動作や影響を予測する「シミュレーション機能」、プロセスのパフォーマンスを監視する「モニタリング機能」などが搭載されています。
しかし、多くのベンダーからさまざまな製品が提供されているため、自社に合った製品を選ぶのに迷う場合も多いです。本記事では、BPMツールを選ぶ際の比較ポイントや導入時の注意点などを解説し、おすすめのBPMツールについても紹介します。

BPMツールとは?メリット・デメリット、機能や比較ポイントを解説
BPMツールとは、業務プロセスの可視化・自動化により、業務の効率化や改善をサポートするツールです。組織内の申請などを一元管理するワークフローシステムとは異なります。本記事では、BPMツールの機能や選び方、メリット・デメリットを比較ポイントと合わせて解説します。
BPMツールはテンプレートの充実度・操作性・連携性で選ぶ

BPMツールは、自社にとっての使いやすさを重視すると探しやすくなります。ツール選択の際は、テンプレートの充実度・操作性・既存システムとの連携性といった3つのポイントに注目するのがおすすめです。
次の章から、各ポイントについて詳しく解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- テンプレートが充実しているか
- 簡単に操作できるか
- 既存システムと連携できるか
【その他の比較ポイント】
- BPMNに対応しているか
- 導入形態を確認
- コストは予算に見合っているか
BPMツールの選び方で重要な3つのポイント

自社に適したBPMツールを見つけるには、3つのポイントに注目して選択することが重要です。テンプレートの充実さ、操作性、連携性を満たすツールを導入すれば、早い段階で運用の効果が実感できるようになります。
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BPMツールの選び方で重要な3つのポイント
テンプレートが充実しているか
業務プロセスは業種や部門によって異なり、自社の業種に合った業務プロセスを用いることが大切です。しかし、1から業務プロセスを構築するのは手間と時間がかかるため、業務プロセスのテンプレートが豊富に用意されているBPMツールの選択がおすすめです。
なお、テンプレートはそのまま利用するのではなく、自社の業務にマッチするような調整を行うと、より高い効果が見込めます。基本形となるテンプレートがあれば、調整作業は比較的容易で時間もかかりません。
簡単に操作できるか
BPMツールを効果的に運用するには、操作性の高いツールの導入が重要です。BPMツールには多くの機能が搭載されており、適切に使いこなすことで業務効率化につなげられるため、IT操作が不得手な従業員でも簡単に操作できるものを導入しましょう。
また、業務フローの変更などで、機能の追加や削除が必要になるケースもあります。そのような場合に備えて、プログラミングの知識がなくても、簡単操作によって機能の追加や削除が可能な、ノーコード・ローコードのツールがおすすめです。
既存システムと連携できるか
BPMシステムの運用では、企業全体の業務プロセスの最適化を目指すことが大切になります。その際、各部署で運用しているシステムやデータと連携できるBPMツールの選択が重要です。
既存システムとの連携により、システム間のデータのやり取りがスムーズになり、データの一元管理も実現します。また、データの移行作業やデータの再入力の必要がなくなるため、ヒューマンエラーの防止や重複データの解消などにもつながります。
ただし、すべてのBPMツールが自社の既存システムと連携できるわけではないため、導入前に連携の可否について確認が必要です。
連携によって業務自動化を実現するBPMツールも
一部のBPMツールは、業務プロセスの可視化だけでなく業務の自動化ができるものもあります。会計システム、CRM(顧客管理システム)、ERP(統合基幹システム)、Googleのツール、Microsoft Officeなどと連携して作業の自動化が可能です。
自動化によって業務効率化が進み、担当者の負担や人件費の削減に加え、入力ミスなどのヒューマンエラーも防ぐことができます。
BPMツールのその他の比較ポイント

BPMツールは重要なポイントとその他のポイントにも注目し、自社に適合したツールを選ぶのがおすすめです。ここでは、BPMツールのその他の比較ポイントについて解説します。
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BPMツールのその他の比較ポイント
BPMNに対応しているか
BPMN(Business Process Model and Notation)は、日本語で「ビジネスプロセスモデリング表記法」と呼ばれています。業務プロセスの手順を表す国際標準の手法で、丸や四角などの記号を用いて、フローチャートのような図で業務フローの可視化が行えます。
BPMツールがBPMNに対応していれば、業務プロセスを正確に表現することができます。また、BPMNに対応したツールで作成したデータは、BPMN対応の他システムでの利用も可能です。
導入形態を確認
BPMツールの導入形態には、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。「クラウド型」はベンダーのサーバーにあるツールにインターネットを介してアクセス・運用し、「オンプレミス型」は自社サーバーにツールをインストールして運用します。
どちらの導入形態にもメリットとデメリットがあるため、自社の環境や方針に合わせて選択しましょう。以下は、2つの導入形態のメリット・デメリット一覧です。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
メリット | ・導入コストが抑えられる ・サーバー管理・更新作業はベンダーが行う ・契約から運用までが短期間 ・モバイル端末での運用が容易 | ・オフラインでの利用が可能 ・カスタマイズ性が高い ・独自のセキュリティ対策が施せる |
デメリット | ・セキュリティはベンダーに依存 ・カスタマイズ性が低い ・月々の利用料がかかる ・インターネットへの常時接続が必要 | ・導入費用が高額 ・自社サーバーと管理者が必要 ・契約から運用までに数か月必要 ・メンテナンス費用がかかる |
無料で使えるオープンソースもある
BPMツールには、無料で使えるオープンソースタイプもあります。オープンソースのツールは、ソースコード(プログラム)が無償公開されており、ソースコードの書き換えや再配布が認められています。
そのため、ソースコードをゼロから記述しなくても、公開されているソースコードを書き換えることにより、自社に最適なBPMツールを構築できます。
しかし、ソースコードの変更には高度なプログラミングスキルが必要で、構築したBPMツールの責任はすべて自社が背負わなければなりません。また、基本的にサポートが用意されておらず、バグなどによるトラブルはすべて自社での解決が求められます。
コストは予算に見合っているか
オンプレミス型のツールを導入する場合は、初期費用が高額になるため、しっかりと予算を確保してからの検討がおすすめです。特に、自社サーバーを保有していない場合は、サーバーの購入とネット環境の構築に費用がかかり、さらに高額になります。
一方、クラウド型の場合は基本的に初期費用と月額費用が必要となりますが、中には初期費用が無料の製品もあります。月額費用は、ユーザー数によって費用が変わるものや定額料金となっているものなど、製品によって異なります。
クラウド型は継続的に費用が発生するため、長期間で試算するとオンプレミス型の方がコストパフォーマンスが高い場合も多いです。ツール導入の際には、予算に見合う製品を検討しつつ、十分な費用対効果が見込めるものを選びましょう。
おすすめのBPMツール10選
株式会社テクノデジタル
octpath
octpath
GOOD
ここがおすすめ!
- メンバーの忙しさを見える化し、作業結果も自動でチェック
- 15日間のトライアル提供があり、月3万円以上で全ての機能が利用可能
- デモンストレーションやレクチャーなど、導入時のサポートが手厚い
MORE
ここが少し気になる…
- 詳しい機能や料金プランは問い合わせで確認
インフォテック株式会社
Create!JobStation
GOOD
ここがおすすめ!
- 業務フロー全体を可視化させ、進捗状況や作業内容の共有が可能
- 作業タスク管理により、作業漏れ防止やナレッジ共有・蓄積ができる
- 既定の条件が複雑でも、いつ・誰が・何をやるか迷わずに手続きを進められる
MORE
ここが少し気になる…
- ユーザー数が最低10ユーザー必要のため、10人以下の小規模企業には不向き
株式会社クエステトラ
Questetra BPM Suite

GOOD
ここがおすすめ!
- クラウド型業務プロセス管理システムで、ワークフローシステムの開発・運用がWebブラウザだけで完結できる
- 稟議フロー・見積提出プロセス・問合対応プロセスなどさまざまな業務をシステム化できる
- 生成AIに草稿作成をリクエストしたり、Google Drive へファイルを保存するなどの高度な自動化も実装可能
MORE
ここが少し気になる…
- 公式HPの見方がわかりにくい箇所がある
株式会社ギャプライズ
monday.com

GOOD
ここがおすすめ!
- 効率的な作業の連携で生産性を最大限にアップできる
- 組織全体であらゆる作業を把握できるため、チーム力が高まり業績アップにつながる
- ニーズに合わせてワークフローを調整できるため、スピーディーに目標達成ができる
MORE
ここが少し気になる…
- 支払方法は主にクレジットカードになるため、口座振替などで支払希望の企業には不向き
コレオス株式会社
BP Director

GOOD
ここがおすすめ!
- 複雑な業務プロセスにも対応しており、ガントチャート形式で業務を管理できる
- 業務の進捗状況をリアルタイムで見える化でき、迅速かつ正確な経営判断をサポート
- 既存システムとも柔軟に連携できるため、必要なデータの呼び出しが可能
MORE
ここが少し気になる…
- 費用の詳細を知りたい際は問い合わせが必要
株式会社ユニリタ
Ranabase
GOOD
ここがおすすめ!
- 既定記述法とテンプレートを使い自力で業務改善を始められる
- 直感的なUIとガイド機能で改善検討の仲間を増やせる
- エントリークラスの価格設定でコストパフォーマンスが高い
MORE
ここが少し気になる…
- ログインしない期間が一定日数を超えたら、データが削除されてしまう
Process Street, Inc
Process Street
GOOD
ここがおすすめ!
- 生成AIと組み込み統合ツールでタスクを自動化し、手作業を減らして時間の節約ができる
- 組織がKPIを追跡し、プロセス全体を通して全員の進捗状況を監視・分析できる
- チーム全員がシンプルで効率的に知識共有が可能
MORE
ここが少し気になる…
- 公式HPが海外仕様のため、多少わかりにくい
Pipefy, Inc
Pipefy
Pipefy
GOOD
ここがおすすめ!
- AIによってあらゆるワークフローを数分で構築・自動化・管理できる
- パフォーマンス測定機能でビジネスの求めるスピード感が維持できる
- プロセスの自動化とAIによりエラー回避やリードタイム短縮、手作業削減などにつながる
MORE
ここが少し気になる…
- 海外仕様の公式HPで説明や仕様がわかりにくい箇所がある
株式会社日立ソリューションズ
intra-mart
intra-mart
GOOD
ここがおすすめ!
- 申請業務をワークフローに集約・標準化することで、時間的コストの削減になる
- 業務プロセスの各工程を定着させ、業務手順の統一や業務最適化につながる
- 交通系IC連携で外出先から交通費精算・申請ができ、業務効率化が実現
MORE
ここが少し気になる…
- 価格や詳細を確認する際は問い合わせが必要
イノルールズ株式会社
InnoRules

GOOD
ここがおすすめ!
- わかり易いUIでITスキルのない方でも簡単に使用が可能
- 8種類のルールテンプレートが使用でき、ルールの特性に合った記述が容易にできる
- 1クリックでルール実行結果がトレースされるため、可視化でき効率が向上する
MORE
ここが少し気になる…
- 費用や導入方法を確認するには問い合わせが必要
BPMツールを導入するメリット

BPMツールを導入することで、業務の流れをフローチャートやダッシュボードで見える化でき、迅速な業務改善につなげられます。主な導入のメリットは、以下のとおりです。
- 誰が・いつ・何をしているのかが明確になる
- 業務の流れを整理して手作業や重複作業を減らせる
- 改善案のリアルタイムな検証が可能
- 業務のノウハウを仕組化して属人化を防止できる
- 顧客対応のフロー整備で対応のスピード・品質を向上
ツールで現在の業務フローを可視化し、担当者ごとの業務内容・流れを把握することで、無駄な作業や非効率な業務の削減を検討できます。そして、手順や承認フローの適切な標準化・記録によって、監査対応と内部統制がしやすくなります。
さらに、定量的なデータの取得・蓄積で、データに基づいた意思決定が可能です。
BPMツールの導入がおすすめな業種

BPMツールは、複雑かつ段階的・反復的な業務が多い業種におすすめです。具体的には、以下のような業種が挙げられます。
- コンプライアンス・内部統制の強化が求められる金融業
- ワークフローの標準化が大切な医療・製薬業界
- 多工程のプロセス管理が必要な製造業
- 動的で繰り返し作業が多い物流・運輸業
- 人材管理に関わる人材・教育・サービス業
これら以外にも、不動産・建築業、公共機関などでもBPMツールの効果的な活用に期待できます。業務の属人化や煩雑化する非効率な作業に課題を抱えている業種ほど、導入によって得られる効果が大きいです。
BPMツールの導入フローと注意点

BPMツールの導入・運用は、適切な手順に従って行うと費用対効果が出やすくなります。ここでは、それぞれのフローにおける注意点について解説します。
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BPMツールの導入フローと注意点
1. 課題・業務プロセスを洗い出す
BPMツールの導入では、事前に自社の現状を把握することが重要です。そのため、自社のすべての業務プロセスを洗い出し、全体像の把握と現状の課題を発見する必要があります。
課題を洗い出したら、BPMツールで解決すべき課題と他の手法で改善すべき課題に分類し、ツール導入前に解決できる課題をクリアしておきましょう。そして、ツールの選定では、解決すべき課題に対応できる製品を選ぶのがおすすめです。
2. BPMツールに合わせて業務プロセスを変更する
BPMツールは、業務プロセス改善のためのツールであり、専門家が関わって構築されています。自社の業務プロセスに合わせてカスタマイズするのではなく、ツール推奨の業務プロセスに自社プロセスを変更して運用すると、高い効果に期待できます。
また、ツールの使い勝手も良くなり、スムーズな運用につながります。なお、ベンダーの中には、業務プロセス見直しのサポートを提供している場合もあります。
3. PDCAサイクルを回す
BPMツールを運用する際は、PDCAサイクルを回して業務プロセスの改善を繰り返すことが非常に重要です。改善を繰り返すことにより、業務プロセスの効率化が進み、費用対効果が高まります。
また、自社業務の変化で業務プロセスが非効率化してしまうケースもあります。そのような場合でも、PDCAサイクルが回っていれば素早い改善が可能です。ツール運用が長期間に渡るほど、PDCAサイクルの有無が企業の成長率に大きく影響します。
まとめ

BPMツールとは、業務プロセスを可視化して生産性や業務効率の向上につなげるツールです。ツールの導入形態にはクラウド型とオンプレミス型があり、自社の予算・環境・方針に合わせた導入が求められます。
ツールを選ぶ際は、テンプレートの充実度・操作性・連携性に注目し、運用時にはツールに合わせて自社の業務プロセスを見直すことが重要です。自社に合ったBPMツールを導入して業務プロセスを改善・最適化し、生産性の向上を目指しましょう。