ChatGPTのプラグインは終了?代替ツールについても解説

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  • ChatGPTのプラグイン機能はすでに廃止されており、GPTsが代替ツールとなっている
  • GPTsを使って、ChatGPTを特定の用途向けにノーコードでカスタマイズできる
  • GPTsで作成ができるのは有料版のみだが、公開済みのものは無料版でも利用できる

ChatGPTでは、機能拡張のためのプラグインが提供されていましたが、これらの提供は既に終了し、「GPTs」と呼ばれるカスタマイズ機能へと代替されています。本記事では、ChatGPTプラグインの廃止とGPTsについて、詳しく解説します。

目次

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  1. ChatGPTのプラグインの提供は終了している
  2. プラグインに代わる「GPTs」でカスタマイズ
  3. ChatGPTでGPTsを利用する方法
  4. 「GPT Store」でカスタマイズ版の公開や入手もできる
  5. GPTsによるカスタマイズ版の活用例
  6. ChatGPTのGPTsを利用するメリット
  7. ChatGPTのGPTsを利用するデメリット
  8. GPTs使用時の注意点
  9. まとめ

ChatGPTのプラグインの提供は終了している

ChatGPTにベータ版として搭載されていたプラグイン機能は、2024年4月9日をもって廃止されました。2024年1月11日には「GPT store」が公開されており、すでにプラグイン機能の代わりとなる「GPTs」も登場しています。

2024年3月19日以降はプラグインを使用した新たな会話の作成が、4月9日以降はプラグインを使用して行っていた既存の会話も継続できなくなっており、新たなカスタマイズ機能である「GPTs」に完全に移行したとい言って良いでしょう。

ここからは、この「GPTs」、そして「GPT Store」について、利用方法などを詳しく解説していきます。

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プラグインに代わる「GPTs」でカスタマイズ

GPTsとは、ChatGPTを特定の目的に合わせてカスタマイズするための機能で、2023年11月6日(米国時間)に発表されたものです。

GPTsではノーコードでカスタマイズを行うことができ、プログラミングコードではなく自然言語でカスタマイズ内容を入力するだけで、オリジナルのチャットボットを作成することができます。

参考:Introducing GPTs

プラグインとGPTsの違い

プラグインは、ChatGPTに新たな機能を追加するためのもので、ユーザーは基本機能にWebブラウジング機能やコードインタープリター機能、カスタムAPIなどを統合することができました。

対してGPTsは、特定の分野や用途に特化した回答を行えるようにカスタマイズを行える機能です。プラグインを使った単なる機能拡張よりもカスタマイズ性が高く、個々のニーズにより合致したチャットボットをつくり上げることができます。

プラグインは実に1,000種類以上が公開されましたが、GPTsはプラグインの機能をカバーしながらも、さらに柔軟性が高く、幅広い用途に対応できるツールとして活用されています

ChatGPTでGPTsを利用する方法

ChatGPTでGPTsを利用するのは比較的簡単です。ただし、オリジナルのチャットボットを作るには有料プランへの加入が必要で、個人の場合は「Plus」というプランに入らなければなりません。以下で詳しく解説します。

1.ChatGPT Plusへ加入

ChatGPTには、無料版と有料版があります。GPTsを使ってChatGPTをカスタマイズするには、有料版への加入が必要です

個人向けの有料プランには「Plus」、その上位プランの「Pro」が、組織向けには「Team」と「Enterprise」が用意されています。個人の場合、まずはPlusに加入するのが良いでしょう

「Plus」では無料版で使えない、あるいは利用制限のある、より高度なAIモデルを使うことができ、GPTsの利用をはじめ機能の幅も広くなります。

参考:ChatGPT 料金設定|OpenAI

ChatGPT Plusとは?無料版との違いやメリットを解説

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2.GPTsを開いて作成

GPTsを開くには、チャット画面の左側にあるサイドバーから「GPT を探す」を選択するか、画面右上にあるユーザーアイコンから「GPT の詳細を見る」を選択します。

すると、カスタムバージョンの検索・作成ができる画面が表示されるので、右上の「+作成する」ボタンをクリックします。

GPTsが立ち上がると、チャット形式でカスタマイズ内容を伝えることができます。カスタマイズバージョンの概要や目的、回答の具体例などを入力していき、細かな設定を詰めていきます。入力は日本語でも可能です。

「GPT Store」でカスタマイズ版の公開や入手もできる

「GPT を探す」(「GPT の詳細を見る」)の画面からもわかるように、GPTsを使って作成したカスタマイズバージョンの中には、他ユーザーに公開されているものもあります。これらは、「GPT Store」を通じて公開されています。

自分が作ったカスタマイズバージョンの公開ができるのはもちろん、他ユーザーが作って公開しているカスタマイズバージョンも簡単に入手できます。入手に関しては、無料版を使っているユーザーでも可能です

「GPT を探す」(「GPT の詳細を見る」)の画面では公開されているカスタマイズバージョンが一覧で表示され、検索もできます。用途に合ったものを探し、クリックして「チャットを開始する」を選択すれば、すぐにそのバージョンでチャットを始めることができます。

参考:Introducing the GPT Store

GPTsによるカスタマイズ版の活用例

GPTsで作成したカスタマイズバージョンは、具体的にどのような用途で使われているのでしょうか。ここでは、おすすめの活用例と、その分野で使われている公開済みGPTsの例をいくつか紹介していきます。

用途内容公開済みGPTsの例
デザイン・描画イラストやロゴ、ポスターデザイン、
SNSへの投稿画像などを作成
・Canva
・漫画背景メーカー
ライティングマーケティングやSEOを意識した
記事コンテンツの作成や
コピーライティング
・SEO Article & Blog 100%Optimized Content Writer
・Hemingway Editor
プログラミングプログラムの内容をもとにプログラミング
コードを生成・ブラッシュアップ
・Programming Genius
・Grimoire
調査・分析インターネット上の資料をもとに、
目的に合わせた調査と分析を行う
・企業調査GPT
・Scholar GPT
教育・学習各学習分野に特化し、ユーザーの
学習をサポート
・GPT 英会話
・Language Coach
表図の作成テキストなどの情報をもとに、グラフや
図の作成ができる
・Diagrams: Show Me
・商品スペック表の作成ツール

プラグインがあった時にも、SEOに記事の生成ができる「SEO.app」、テキストからグラフや図の作成ができる「Show Me」、多言語を学習・練習できる「Speak」といった、上記と似たようなものがありました。そのため、公開済みのGPTsはプラグインと同じような感覚で使うことができます。

一方でGPTsはカスタマイズ性が高いので、プラグイン時代と比べてもより用途に合った仕様になっていることでしょう。また、これらの公開済みGPTsは、自身で一からカスタマイズをする際の参考にもなります。

ChatGPTのGPTsを利用するメリット

ここからは、GPTsを利用するメリット・デメリットについて改めて確認していきます。まずは、2つのメリットについて解説します。

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簡単にカスタマイズできる

GPTsを使えば、ChatGPTを特定の分野に強い仕様にできます。しかも、作り方もノーコードで簡単なので、専門知識がない人でも簡単にカスタマイズが可能です。完成形をはっきりと描いておく必要はありますが、ChatGPTにしてほしいことを言語化さえできれば良いと言えます。

また、上記でも紹介したように、すでに自分の目的に合ったカスタマイズバージョンが公開されている場合は、カスタマイズの手間をかけずに使い始めることができます。

多様な使い方が可能になる

GPTsによって機能がカスタマイズされると、多様な使い方ができるようになります。これはプラグインにも言えることなのですが、GPTsではさらに多様で、各用途への特化具合も高められたChatGPTが実現されます。

カスタマイズされていない通常のChatGPTと併せて、各カスタマイズバージョンを用意しておくことで、仕事でもプライベートでも、ChatGPTの出番が増え、良きパートナーとなってくれることでしょう。

ChatGPTのGPTsを利用するデメリット

GPTsには大きなメリットがある反面、デメリットもあります。ここでは、プラグインの2つのデメリットについて解説します。

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作成機能は有料プランでしか使えない

利用方法の解説でも紹介したように、GPTsの作成機能は、有料プランのChatGPT Plus以上でしか利用できません。料金は月額20ドルです。日本円では為替レートによって異なりますが、1ドル150.00円で計算すると3,000円となります。

この金額は、人によっては高いと感じるでしょう。GPTsだけでなく、より高度なAIモデルを使いたい、新機能をいち早く使いたいと考えている人向きだと言えます。

参考:ChatGPT 料金設定|OpenAI

公開されているGPTsの品質は保証されていない

ChatGPTの開発はOpenAI社が行っていますが、公開されているGPTsの多くはサードパーティが開発しており、個人が開発したものが共有されている場合もあります。そのため、品質はOpenAI社が保証するものではありません

したがって、チャットボットが期待していた性能を持っていないこともあります。また、自身でカスタマイズを行う場合も、やり方によっては想定していた通りのものができあがらないこともあるでしょう。

公開されているGPTsは安全性が確保されていない

品質の保証と合わせて、公開済みGPTsはほとんどがサードパーティ・第三者による作成であるため、安全性が確保されていません

万が一、悪意のある制作者が作成したプラグインをインストールすると、自身のパソコンがウイルス感染するといった危険性も否めません。GPT StoreからGPTsを利用する際には、作成者の情報やレビューなどを十分に確認しながら検討する必要があります。

GPTs使用時の注意点

GPTsをでChatGPTをカスタマイズすると、ChatGPTがより使いやすく便利なものになります。しかし、使用の際には知っておくべき注意点があります。ここでは、GPTs使用時の3つの注意点について解説します。

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利用規約への準拠

OpenAIは、ChatGPTの利用規約を定めています。カスタマイズバージョンを作成する際も、これらの規約を守らなければなりません。

例えば、違法行為の助長、ヘイトスピーチといったOpenAIが定める不適切なコンテンツの生成は禁止されています。また、個人情報の扱いについてもルールが定められています。自身でカスタムする場合には各種規約をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

参考:使用に関するポリシー|OpenAI

API利用時の料金や使用制限

自分、あるいは他者が作成したカスタマイズバージョンは、APIによって外部のシステムと連携させることができます。例えば、顧客への問い合わせ対応に特化したGPTsを自社サービスと連携させて使う、といった使い方ができます。

このAPI(OpenAI API)の利用には、従量課金制で料金がかかります。また、プランによって使用回数やトークンの制限があるとされています。トークンとは、AIモデルが言語を処理する際の単位のことです。

参考:OpenAI API

カスタマイズの限界

GPTsは特定の用途に合わせたチャットボットが作れる便利な機能ですが、土台となるAIモデルの性能や動作ロジックなど、根本的な部分までは当然ながら変えることはできません。

ChatGPTに搭載されているAIモデルは非常に高性能なので、ユーザーが期待するほとんどの動作には対応できると思われますが、カスタマイズはOpenAIが提供する性能の範囲内に限られることは覚えておきましょう。

まとめ

有料版のChatGPTは無料版にない便利な機能を搭載し、さらに使いやすくなっています。その中の1つが、特定の用途向けにカスタマイズができるGPTsです。すでに廃止されてるプラグインの代替となる機能で、プラグインよりも柔軟なカスタマイズが可能となっています。

作成したカスタマイズバージョンはGPT Storeを通じて公開することも可能で、公開済みのものは無料プランのユーザーでも利用可能です。

ただし、カスタマイズバージョンの開発はサードパーティや一般ユーザーが中心となって行っているため、OpenAIが動作や安全性を保証するものではないことに留意しなければなりません。これらの点には気をつけながら、ChatGPTをさらに有効活用するためにGPTsおよびGPT Storeを使いこなしていきましょう。

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