CRMにおけるROIとは?CRMのROIを改善する方法を解説

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  • ROIでは、投資したものに対する利益率を計算することができる
  • CRMにROIを用いると、CRMの利益率を計算することができる
  • CRMのROIを改善するためには、コストを削減したり、収益をあげたりする必要がある

CRMは、顧客との関係性を向上させることができるため、導入する企業が増えています。CRMを導入した場合の利益率は、ROIで計算することができます。本記事では、ROIについてと、CRMにおけるROIを改善する方法を紹介します。

目次

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  1. ROIとは
  2. ROIが注目される理由
  3. ROIの計算式
  4. ROIの活用方法
  5. CRMにおけるROIとは
  6. CRMのROIを改善する方法
  7. まとめ

ROIとは

ROIとは、「Return On Investment」の略で、日本語では「投資収益率」や「投資利益率」を指します。投資をした費用に対し、どれほどの利益が得られたのかを図る指数です。企業の利益を向上させるための目安となります。

設備投資により、ROIが高い傾向にあれば導入を継続するメリットがあり、低い傾向ならば、停止を検討しなければなりません。ROIを計測することで、投資した設備や施策を評価し、経営の圧迫を防止できます。

また、「コストパフォーマンス」と言い換えられることもありますが、一般消費者が使う言葉で、ビジネスにおいてはROIや費用対効果と呼ばれるのが一般的です。

ROIと費用対効果の違い

ROIと並んで語られることの多い「費用対効果」ですが、両者とも投資で得た利益がどれくらいあったのかを表す言葉として用いられます。

費用対効果は、投資に対して効果はどれくらいあったのかなど、投資バランスを見る指標を指し、おおまかな数式で効果を算出します。ROIは具体的なパーセンテージで利益の数値を確認するのに対し、費用対効果は投資バランスを指標で確認する点が異なります。

ROIが注目される理由

ROIが注目される理由は、投資した設備やプロモーションが、利益に繋がるものか早期に判断したいと考えている企業が増えているためです。投資するなら、設備投資は少なく、そこから得られる利益が大きいものを望みます。

そのため、ROIを用いて常に投資した費用に着目し、続けていくべきかどうか、効果を判断できます。また、成功しているものに対しては、あとどれくらいの費用を使えるか、ROIにて利益を数値で確認することができるなど、投資費用と利益の見比べが可能です。

ROIの計算式

ROIの計算式は、「ROI(%)=利益金額÷投資金額×100」です。計算式の中の「利益金額」とは、売上ー売上原価ー投資額の売上総利益を指します。シンプルな計算で言うと、利益を投資額で割るとROIが算出されます。

算出されたROIはパーセンテージ(%)で表され、数値が高いほど投資の効果があると判断されます。そのため、ROI値が低い投資に関しては、早期の段階で効果が低いと判断しやすく、無駄なコスト削減に繋がります。

ROIの活用方法

ROIはビジネスを行ううえで、営業活動やマーケティングにおいても、投資によってどれほどの利益を確保できたのか把握するために必要不可欠な指標です。投資した案件の成否は、売上額・利益でもある程度把握できますが、投資規模に対しての成果はわかりません。

そこで、ROIを活用すれば投資規模からの成否を判断しやすくなります。ROI値を見て、投資した案件に対する評価も可能です。たとえば、メルマガのROI・イベントのROIなど指標を統一して比較できるため、マーケティング方法の評価や改善にも繋がります。

CRMにおけるROIとは

CRMを導入する際、さまざまコストや導入前の準備、教育などにかかるため、費用対効果を確認してから導入する業者も少なくありません。CRMの導入目的の多くは、利益を生み出すことであるため、目標達成したかどうかの判断をするにはROIが適しています。

CRMは、無料のツールもありますが、売上を拡大させるための機能を搭載したツールは高額になるケースもあり、導入した場合はCRMの収益性を計算することが事業拡大へと繋げるコツにもなります。

CRMにおけるROIの計算方法は、「ROI (%)=(CRMによって増加した売上 – 原価 – CRMの費用)÷ CRMツールの費用で求められます。

CRM導入による企業のメリット

CRMは、顧客情報管理し良好な関係を構築・維持し向上させるため、手助けをしてくれるツールです。また、CRMは顧客情報の組織内共有が可能です。販売管理や売上予測分析も行えるため、キャンペーンの企画や受注以降のコミュニケーションを取りやすくなります。

顧客管理の内容は、既存の顧客概要情報だけでなく、見込み客の管理機能・商談取引履歴など顧客との関係を管理し、ニーズに合わせた対応を行うことを目的としています。

そのため、顧客満足度を高めることができ、リピート率アップや長期契約などにより、顧客との長期に渡る良好な関係を築けます。その結果、企業を安定させる効果が期待できます。

CRMのROIを測定するための指標

CRMのROIを測定するためには、ツール費用のほかにさまざまなコストが発生しているため、指標となる項目も複数あります。正確なROIを測定するために、以下のような項目には費用が発生しているケースが多いため、確認して指標に組み込みましょう。

  1. 売上高
  2. 売上までにかかった時間
  3. システム導入費用(サーバー・ハードウェアなど)
  4. 月額使用料
  5. 保守点検料
  6. 従業員の研修費用

CRMのROIを改善する方法

CRMのROIが低い数値だった場合、うまく機能していない場合があります。ここでは、ROIで得た課題を改善へと導くためにできることを解説します。

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CRMの目的やメリットを共有する

CRMがうまく軌道に乗らない理由のひとつに、従業員に浸透していないケースが考えられます。CRMの効果を実感するには、多くの顧客情報データが必要です。そのため、CRMの目的や、自社にとってどんなメリットが得られるのか会社全体で共有しましょう。

また、CRMを中心とした営業活動や、社内との連携を効率よく取るために、正確なデータ入力が重要なポイントです。操作方法が周知されていない場合は、再度社員研修を行うなど、CRMの効果を高めるために、正確なデータ入力に対する理解を求めましょう。

管理者がCRMを積極的に活用する

CRMのベースとなる顧客情報の入力は営業担当者などが行いますが、CRMの分析機能で得た情報をレポーティングし、経営戦略へと繋げるための活用が必要になります。そのため、管理者は積極的にCRMの機能を熟知することも重要なポイントといえるでしょう。

CRMでは、顧客の所在地や連絡先、担当者名、顧客の購買行動、自社とのコミュニケーション履歴などから、さまざまなマーケティングに役立つ分析を行います。分析結果のデータを常に確認しなければ、CRMのデータが正しくてもROIが低くなるでしょう。

目標を最初から高くしない

CRMは目標を明確にして運用することが重要ですが、その目標設定を最初から高くすると、現実とあまりにもかけ離れてしまった場合、従業員のモチベーションも下がります。そのため、CRMへの必要性からも離脱してしまう傾向も見られます。

設定する目標値は、課題を改善すれば達成可能な数値にするのが成功の秘訣です。中間目標が達成していると、最終的に目指すべき数値へ向かい、チーム全体のモチベーションの向上を期待できます。

他ツールとの連携

CRMの運用を成功させ、さらに売上の最大化を図るには、SFAやMAツールとの連携がおすすめです。CRMは顧客情報管理の役割を持っていますが、MAは見込み客を確保しリードに育て上げる役割を持っています。

また、SFAは営業活動の支援ツールで、顧客との商談進捗情報などを社内で共有する役割があります。これらのツールを統合することにより、MAで得たリードをCRMで管理し、SFAで商談を進めるといった一連の営業活動の自動化・効率化を実現します。

まとめ

CRMは、顧客との良好な関係を築き、囲い込み戦略で長い取引を行う武器となるツールです。しかし、その機能を十分に活用しなければ導入の意味がありません。CRMの課題を見つけるには、ROIを用いた測定方法がおすすめです。

ROIにより、CRMがうまく利益を出すためのツールになっているか把握でき、業務全体の改善が可能になります。CRMを役立てるために、他ツールとの連携や、従業員や管理者の再教育の機会を作るなど、改善点を見つけて売上の最大化に役立てましょう。

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