KPIを設定する方法は?KPI設定にCRMを活用すべき理由も解説

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  • KPIとは、企業や個人が目標達成のために、達成度合いを測る指標のことである
  • KPI設定のコツは、自社の現状から達成可能な数値の設定や結果から常時検証すること
  • KPIの達成は、顧客情報の分析から顧客に適切なアプローチができるCRM活用がおすすめ

KPIとは、企業や個人が目標達成のために、達成度合いを測る指標のことを言います。そんなKPI設定には、顧客とのコミュニケーションを管理するCRMの活用がおすすめです。本記事では、KPI設定のメリットや設定手順、CRMの活用がおすすめの理由などを解説しています。

目次

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  1. KPIとは
  2. KPI設定のメリット
  3. KPIの設定を成功させるコツ
  4. KPI設定のフロー
  5. KPI設定で意識するべきSMARTとは
  6. KPIの達成にはCRMの活用がおすすめ
  7. まとめ

KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標と呼ばれている、業務を遂行する各プロセスの目標達成度合いを定量的・数値的に確認し評価するための指標です。近年各企業で注目され、KPIによって業務成績を上げている企業も増えています。

KPIは、企業の最終目標達成のために、各プロセスで設定し継続的に測定・監視します。また、事後の分析で業務の課題の洗い出し、業務改善につなげていきます。このように、KPIは現実的な指標設定で、従業員の活動意欲の向上にもつながる優れた手法です。

KPIを設定する重要性

企業の最終目標は収益の拡大です。最終目標達成には、企業の現状に即した戦略が必要になります。そして、戦略に基づいてさまざまなステップを踏み、ステップごとに目標を立て達成するという積み重ねが大切です。

そのステップごとの目標がKPIで、具体的な数値で示されます。各部署では設定されたKPI達成に向け、部署全員が一致団結してタスクが進められ、結果として生産性が高まります。したがってKPIの設定は個人のモチベーションが上がる目標設定ともいえます。

目標の明確化

ゴールを明確化しなくては、従業員が一致団結して業務に取り組むことはできません。そこで、適切なKPIの設定は、その時点でのゴールが明確になり、従業員は行動しやすくなります。その結果、従業員のモチベーションが高まり、組織内の一致団結が生まれます。

KPIの設定は、企業の戦略や商品またはシーズンによって異なります。たとえば、同じ「商品売上げを伸ばす」でも、ある特定の商品か、商品全体かによって、従業員の行動は変わります。何が効果的だったかの分析のためにも目標の明確化が必要です。

カスタマーサクセスの実行

カスタマーサクセスとは、自社の商品やサービスを利用している顧客に、積極的に働きかけて、成功体験に導くための活動や戦略のことをいいます。顧客に継続的に購入してもらい、アップセルやクロスセルにつなげることで売上の増加を狙う手法です。

カスタマーサクセスの実行には適切なKPIの設定が効果的です。カスタマーサクセスのKPIには解約率・顧客維持率・オンボーディング完了率・アップセル・クロスセル率などがよく使われます。また、業務の強みや弱みの発見にも役立ち、業務改善のヒントにもなります。

KPIとKGIの違い

KPIとよく似たものでKGIがあります。KGIは「Key Goal Indicator」の略で、重要目標達成指標とも呼ばれています。KGIは最終目標のことで、KPIはKGI達成のための中間的な業務レベルの目標です。なので、KPIとKGIはセットで使われています。

たとえば、「年間売上30%アップ」というKGIを立てた場合、その戦略として「リピーターを2倍にする」や「商品Aの売上40%アップ」などが、KPIとなります。企業の目標(KGI)を達成するための、具体的なスケジュールと数値目標の設定がKPIです

KPI設定のメリット

KPIの考え方は各企業で注目され、数多く取り入れられています。ここでは、注目されているKPIの設定のメリットについて解説します。

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行動の指標が明確になる

第一のメリットは、行動指標が明確になり、従業員が行動しやすくなることです。特に経験やテクニックが生かされる業務では、従業員の個人差も大きく目標達成度に差が出がちです。しかし、KPIの設定で、行うべき行動が明確になり誰でも行動しやすくなります。

最終ゴールのKGIだけ示されても新卒や若手従業員は、取るべき行動がわからない場合が多いです。その点、適切なKPIの設定は、KGI達成までのステップがわかりやすく、従業員の経験値の差を最小限に抑え、スピード感を持ってKGI達成に向かえます

評価基準が統一できる

第二のメリットは評価基準が統一され、評価の公平性が保たれるとともに、評価者の負担の軽減が図れることです。公平性に欠ける評価はトラブルの原因となり、上司は従業員からの信頼を失いかねません。また、評価者も数値で評価でき、評価の効率化につながります。

たとえば、KPIとして「新商品を100個販売」と設定した場合、110件販売すれば達成率は110%、80個しか販売できなかった場合は達成率80%と、従業員も納得できる数値で個人の評価ができます

モチベーションアップ・生産性向上

第三のメリットは、従業員のモチベーションがアップし、生産性の向上につなげられることです。KPIは達成可能な指標が示されるので、個人のモチベーションの向上につながります。また、KPIの共有によって、部署全体のモチベーションも上げられます。

モチベーションの向上には目標や課題の共有だけでなく、個人の意見が反映しやすい組織の醸成も重要です。目標達成のためのプロセスの中で、問題が発生することはよくあります。しかし、組織の結束力が高ければ、スムーズに解決法を見つけられます。

カスタマーサクセスを展開できる

カスタマーサクセスとは、顧客に対し能動的にアプローチを続け、継続利用やアップセルを実現させる取り組みです。近年は「売り切り型」から必要なサービスだけ・必要な期間だけ、といった「サブスクリプション型」のビジネスが普及したため、カスタマーサクセスが注目されるようになりました。

カスタマーサクセスの展開に、KPIは必須です。継続的に顧客へ成果をもたらすためには、正しい課題の認識やそれらを改善する姿勢が求められます。リピート率・解約率・NPSなどから顧客満足度を測り、改善していくことで売上の増加が見込めるでしょう。

KPIの設定を成功させるコツ

KPIを設定すれば、必ずKGIが達成されるわけではありません。KPIの効果をより高めるには、適切なKPIの設定と、検証が必要になります。ここでは、KPIの設定を成功させるコツについて解説します。

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競合他社の平均を分析

KPI設定をする第一段階として、競合他社の平均値を分析することも大切な要素です。やみくもにKPIを設定しても、そのKPIが適正か判断できませんし、散々PDCAを回した後に方向性が間違っていた、ということにもなりかねません。

自社製品に似た商品・サービス、金額や商品数が近いことも重要でしょう。業界の平均値に沿ったKPIであれば、大枠から外れることはありません。多くはありませんが、実際に設定した過去のKPIを公開している企業もあります。

LTV(年間売上)など5つのKPIに着目

先述したように、業界の平均値が容易にわかればKPIが格段に設定しやすくなりますが、他社が情報公開をしてくれるケースの方が少ないでしょう。その場合、LTV(年間売上)を始めとする以下の5点に着目していきましょう。

  1. LTV(年間売上)
  2. F2転換率
  3. 商品リピート率・離反率
  4. 顧客育成率
  5. クロスセル・アップセル率

業種や扱う商品により差はありますが、これら5つが基本のKPI項目となります。いずれもKPIを引き、その先の最終目標を達成するための項目となりますので、項目同士どう作用しているのか、どのような役割を果たしているのかを明確にしておきましょう

達成可能な数値を設定

KPIの設定を成功させるコツの一つに、達成可能な目標であること・数値化されたKPIであることがあります。高すぎるKPIは、従業員の意欲の低下につながります。また。数値化されていない目標は、自分の進捗状況の把握ができず、評価側も客観的な評価ができません。

達成可能な数値の設定は、結構難しいです。設定の前に管理ツールなどを使った、さまざまなデータ分析から、会社の現状と課題を把握し、それを踏まえての設定が重要となります。時には個人の能力を加味して、個人のKPIを設定する場合もあります。

短期で対応できるKPIを設定

KPIの設定を成功させるコツの二つ目は、短期で対応できるKPIを設定することです。KPIの設定は、業務実績の評価だけでなく、業務実績を分析して業務改善につなげる所まで発展させてはじめて大きな効果が得られます。そのために、スピード感を持った実施が必要です。

KPIの設定から業務改善に至るまでは、ある程度の期間が必要で、その間も業務は進んでいきます。そのため、短期で対応できるKPIを設定し、短期間でPDCAを回していけるのが最適です。長期的目標を設定する場合は、それを補う短期的な目標の併用も考えられます。

結果に基づいて検証を行いPDCAを継続する

KPIは設定して実践したら終わりではありません。実践の結果に基づいた検証を行うことで、KPIの価値はより一層高められます。今回の設定は本当に適切だったのか、戦略は現状に合ったものなのかを分析・修正して、PDCAを重ねることが大切です。

KGIは本来変更すべきものではありません。しかし、KGIに至る道筋はいくつもあり、それがKPIになります。この道筋は遠いと気付いたときに、違う道筋が探れるのもKPIの良いところです。そのためにも、一つひとつのKPIを検証していくことが重要になります。

KPI設定のフロー

ここでは、実際にKPIを設定する、一般的な道筋について解説します。企業によっては、自社の業務に合わせた独自のフローを使っているところもあります。

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KGIを設定

KPIの設定の前に、最終目標であるKGIを設定します。KGIもKPIと同様に数値で設定します。たとえば、「年度売上100万円伸ばす」といった達成可能で具体的な目標です。KGIを設定したら、従業員とも共有し意見を聞き、必要があれば修正を行います。

従業員と共有して意見を聞くことはとても大切で、決定したKPIを従業員一人ひとりが自分の目標として捉えられるようになります。また、企業の実績・営業手法・顧客関係などを分析して、現状の課題をきちんと把握してから設定するのが重要です。

KSFを洗い出してKPIを設定

KSFとは「Key Success Factor」の略で、重要成功要因とも呼ばれている、事業を成功させるために必要な要因のことをいいます。KGIを設定したら、それを達成するためのプロセスを細分化して、必要なKSFを洗い出し、KSFを基にして、KPIを設定していきます。

KSFの洗い出しは、事業の特性や環境を多角的に見つめて行います。フレームワークを使った分析も有効的です。物を仕入れて販売する店舗なら「魅力的な商品の仕入れ」が一つのKSFとなり、「魅力ある商品を10品目開発する」がKPIとなります。

サブKPIを設定

サブKPIとは、KPI達成のためにさらに詳細化した数値指標です。KGIは企業レベルの指標、KPIは部レベルの指標、それに対してサブKPIは課レベルの指標ともいえます。そのため、サブKPIは、実際の施策や行動と直結したものでなくてはなりません。

たとえば「年度の売上げを100万円伸ばす」とKGIを設定したら、KPIでは「販売個数を100個増やす」、サブKPIでは「商品種類を2種類追加する」などとなります。サブKPIを設定により、最終のデータ分析で、目標達成できた理由や要因まで解析できるようになります。

KPIツリー作成

次に、KGI・KPI・サブKPIをツリー状に表したKPIツリーを作成して、戦略の見える化を図ります。KPIツリーは、大目標であるKGIと、目標達成に至る思考や行動のもとになるKPIやサブKPIが一目で確認できるようになっています。

KPIツリーの作製で、最終目標(KGI)の達成には何が必要なのか、そしてどのような戦略なのかの全体像を従業員が共有できます。また、業務の途中で、目標を見失ったときは、KPI と KGIの関連性を確認して、再度目標に向かって再スタートを切ることも可能です。

結果分析・PDCAサイクルを回す

KPIやサブKPIを設定するだけでは、KGIの達成はできません。どのような戦略でも、初めから万全なものはありません。検証・分析による修正を加えた戦略の遂行が必要です。そのために、短期間のKPI設定で、スムーズなPDCAサイクル回しが重要になります。

結果の分析は企業全体で行い、PDCAを繰り返しながら、目標達成のための行動に継続的に取り組むことが重要です。軌道の修正はあって当然ですが、修正した理由も含め従業員に周知しないと、従業員のモチベーションの低下につながる恐れもあります。

KPI設定で意識するべきSMARTとは

目標設定の仕方で社員の業務に取り組む意欲や、企業の雰囲気が変わるといわれています。その目標を明確に設定するためのフレームワークがSMARTです。SMARTの名称は、適切で明確な目標を立てるための、下に掲げた5つの要素の頭文字です。

SMARTモデルは1981年にジョージ・T・ドランが提案したものですが、現在使われているSMARTモデルは多くの人たちによって改良されたものです。ここでは、SMARTモデルのS・M・A・R・Tについて解説していきます。

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Specific:明確性

Specific(明確性)はSMARTモデルの一番の基本となる要素で、誰が見てもわかる目標にするということです。KPIを明確に設定することで、すべての従業員でKPIの共有が可能になり、従業員は自分のすべきことをしっかり理解し行動に移せます。

目標設定の際に5W1Hや5W3Hを心掛けると良いとよくいわれますが、それは目標に明確性を出すためです。5W1Hは、Who・What・When・Where・Why・Howで、5W3Hの場合はHow much・How manyが加わります。KPIの設定の際にも役立ちます。

Measurable:測定可能

Measurable(測定可能)は、目標を測定可能な数値化・定量化することです。定量化された具体的な数値でKPIが設定されれば、従業員も上司も進捗状況が把握でき、常に目標を持って業務に向かえます。また、評価者にとっても客観的な評価ができます。

また進捗状況を見て、達成できなさそうな従業員がいれば、上司は具体的で的確な指導ができ、若者を育てる手立てともなります。また、個人として、グループとして、または戦略としての課題を早い段階で発見でき、改善が図れるのもMeasurableのメリットです。

Achievable:達成可能

Achievable(達成可能)は、達成するのが難しい目標を立てるのでなく、達成できそうな目標を立てることです。初めから従業員のモチベーションが下がるような、達成が難しいKPIを立てないことが重要です。

そのために、KPIを設定する人の願望や希望ではなく、部署の現実をよく把握して少し頑張ればできるかもしれないという、従業員が納得の上で現実的なKPIの設定が大切です。また、達成への意識を組織の中で共有することも大切になります。

Related:関連性

Related(関連性)とは、KGIと関連性を持ったKPIを設定することです。そもそも、KPIは最終目標であるKGI達成のために設定するもので、KGIとKPIの関連性がなければ、KGIを達成できないのは当然です。

また、サブKPIとKPIにも関連性が必要です。しかし、KGIからサブKPIまで関連性を持った設定をしても、KGIとサブKPIだけを見るとあまり関連性を感じない場合があります。そのようなことが起こらないように、全体の計画が見渡せるKPIツリーの共有が大切です。

Time-bounded:適時性

Time-bounded(適時性)は、KPIに取り組む期限を設定することです。KPIの場合はできるだけ短期で達成可能な具体的な指標を設定します。短い期限を設定することで、優先しなくてはならない課題が明確になり、従業員のモチベーションの向上にもつながります。

KPIの達成にはCRMの活用がおすすめ

KPIの効果的な利用が、企業の目標達成のための近道になります。しかし、それはKPIをPDCAサイクルで繰り返す中で、適切な分析や改善がなされることが前提です。素早くPDCAサイクルを回し、分析や改善を図るために効率的に利用できるのがCRMです。

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客関係管理とも呼ばれ、企業と顧客との関係性を管理するものです。CRMに必要な機能が搭載されたシステムは、KPIマネジメントに大変便利にそして効率的に利用できます。

CRMシステムの主な機能には、顧客管理・顧客分析・マーケティング支援・プロモーション管理などがあります。機能の種類や得意分野はCRMシステムの種類によって異なっています。

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まとめ

企業では、いくつものステップを踏みながら、企業の目標に確実に近づいていかなくてはなりません。その1つのステップの目標がKPIで、達成度合いを測る指標となります。KPIは具体的な数値で表せるものであることが重要で、従業員のモチベーションにもつながります。

KPIの設定には、計画的な手順を踏むのが効果的で、その始まりが最終目標のKGIの設定です。KGIを達成するための手立てがKPIで、自社の現状分析を基にした設定が大切です。KPIがPDCAサイクルで上手に回れば、従業員の活力と企業の収益のアップが期待できます。

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