導入後にCRMがうまくいかない理由|改善方法や成果を得るポイント

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  • CRMがうまくいかない理由には、導入後の効果検証ができていないなどが挙げられる
  • CRMの改善方法としては、運用体制を見直したり適切な効果検証を行ったりすること
  • 改善策を試すだけでなく、現場の声を聞く・中長期的な視点で目標設定するなどが大切

CRMツールを導入しても、運用が上手くいってない・失敗したと感じる企業は少なくありません。しかし、うまくいかない理由や改善方法はいくつか共通しています。本記事では、CRMがうまくいかない理由やその改善方法、CRMで成果を得るポイントをわかりやすく解説します。

目次

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  1. CRM導入で得られる効果とは
  2. CRMがうまくいかない理由
  3. CRMの改善方法
  4. CRMで成果を得るためのポイント
  5. CRMマーケティングを外部に依頼するのも1つの方法
  6. まとめ

CRM導入で得られる効果とは

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客関係管理の略で、組織が顧客との関係を効果的に管理するためのツールです。CRMは、顧客情報の一元化と共有により、顧客とのコミュニケーションが改善され、サービスのパーソナライズ化が可能となります

また、顧客の購買履歴や趣味嗜好を把握することで、顧客ニーズを理解し、ターゲットマーケティングが可能となります。さらに、顧客満足度、信頼感の向上を図ることができ、顧客維持率と売上の向上に繋がります。

CRMがうまくいかない理由

CRMを導入したにもかかわらず、うまく活用できていない理由はいくつか考えられます。新しいシステムへの適応に時間がかかる場合や、従業員がCRMの利点を理解していない場合など、さまざまです。ここでは、CRMがうまくいかない主な理由について解説します。

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導入後の効果検証ができていない

CRMツールを上手に活用するためには、明確な目標や指標(KPI)を設定し、その成果を定期的に評価する必要があります

しかし、CRMを導入しただけで効果検証が行われず、具体的な成果や課題が把握されないままになっている場合があります。また、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)が適切に回っていないことも考えられます。

CRMは、導入後も、継続的な改善と最適化を行う必要があります。PDCAサイクルを適用せず、現状の問題点の洗い出しや改善策の実施が行われないと、CRMの活用による効果が十分に発揮されず、結果的に成果が出ない可能性があります。

運用体制が整っていない

運用体制や管理手順が明確に定義されておらず、営業担当者が必要な情報の入力業務をしていない場合があります

例えば、営業部門がCRMの運用ルールや、重要なデータの入力を徹底的に監視・指導していない場合、営業担当者はCRMに対する意識が低くなります。その結果、重要な商談情報や顧客のニーズ把握が適切に行われず、CRMが十分に活用されないことがあります。

運用体制の整備は、企業利益にも直結する重要な部分です。そのため、明確な役割分担や責任の明確化、定期的なトレーニングやフィードバックの提供などを含めた、包括的なアプローチを継続して行っていく必要があります。

分析方法が理論的ではない

CRMの成功には、適切な分析方法を使用して顧客データを解釈し、洞察を得ることが重要です。しかし、分析方法が不適切であったり、理論的な基盤が欠如している場合、CRMの効果が制限されてしまう可能性があります

また、CRMの設計段階で、組織の目的や戦略とCRMの目的にズレが生じると、CRMを効果的に活用できません。つまり、CRMは組織の目標達成を支援するためのツールであり、設計段階で明確な目的設定を行わないと、CRMの効果が低下する可能性があります。

施策の方向性が合っていない

施策の立案や実施において、顧客のニーズや行動パターンを正確に把握せず、顧客中心のアプローチを欠いている場合、CRMの効果は低下します

また、施策の目標やターゲットを明確に定めず、漠然とした戦略を採用していると、成果を測定・評価することが困難になります。よって、適切な施策の方向性を明確に定めるためには、顧客のデータ分析や市場調査を活用し、戦略を効果的に立案する必要があります。

導入したCRMが業種に合っていない

CRMシステムは、異なる業種や業態に特化した機能や、カスタマイズが必要な場合があります。業種ごとに異なるニーズや業務プロセスを考慮せず、汎用的なCRMを導入すると、顧客情報の収集や分析、効果的なコミュニケーションの実現が難しくなる場合があります。

しかし、業種に特化したCRMを選定することで、業界の特性や要件に合致した機能や連携が可能となり、効果的な顧客管理によってビジネスの成果を上げることが期待できます。

CRMの改善方法

CRMの効果を最大限に引き出すためには、継続的な改善が必要となります。ここでは、CRMのいくつかの改善方法を解説します。

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運用体制を見直す

CRMの改善方法として、運用体制の見直しを行いましょう。運用体制を見直すことによって、CRMシステムの有効活用と、顧客との関係構築の質を向上させることができます。

例えば、組織内でCRMを担当するチームや役割を明確にし、責任を明確化することが重要です。その際、チームメンバーは、CRMツールの知識を習得するために、適切なトレーニングを受ける必要があります。

さらに、CRMのデータ入力や更新の負担を軽減するために、自動化や統合ツールの導入も検討しましょう。こういった運用体制の見直しは、組織全体の協力とコミュニケーションが促進されることにより、業務全体の品質改善にも役立ちます。

メンバー間の情報共有と協力が円滑に行われることで、顧客へのサービス品質の向上やビジネスの成果に貢献します。

指標を立て直す

適切な指標を設定することによって、CRMのパフォーマンスを評価し、改善の方向性を明確にすることができます

まず、企業の目標や戦略に合わせた指標を設定しましょう。例えば、顧客獲得数、顧客維持率、売上増加率などです。次に、現状のデータを分析し、課題や改善の余地がある領域を特定します。それらに基づいて、企業が目指す具体的な指標を立て直しましょう。

効果検証を行う

CRMの改善には、効果検証を行うことも大切です。効果検証は、CRMの導入や改善施策の成果を客観的に評価し、効果の有無や改善の必要性を判断するために重要な手法です。効果検証は、具体的な目標や指標を設定し、導入前と導入後のデータや指標を比較します。

例えば、顧客獲得数や売上増加率、顧客満足度などの指標を使用して、CRMの導入がどのような影響をもたらしたかを評価します。また、定量的なデータだけでなく、顧客フィードバックや従業員の意見も収集し、総合的な評価を行います。

効果検証は定期的に実施し、継続的な改善のための情報を提供します。その際、評価結果に基づいて、CRMの導入や改善策を調整することが重要です。これらの効果検証によって、企業はCRMの効果を客観的に評価し、持続的な改善を図ることができます。

分析方法を見直す

適切な分析方法を用いることによって、CRMのデータを効果的に活用し、より深い洞察を得ることができます。そのため、現在のCRMによる分析方法は正しいのか、定期的にフィードバックを行い、必要に応じて適切な分析ツールや技術の導入も検討しましょう。

例えば、データ可視化ツールや予測分析ツールなどを活用することで、データの可読性や予測力を高めることができます。分析方法の見直しによって、企業はCRMのデータをより効果的に活用し、戦略的な意思決定を行うことができます。

施策の内容を見直す

施策の内容を見直すことは、CRMの改善において重要です。具体的な施策を見直し、効果的な改善策を導き出すことで、CRMのパフォーマンスを向上させることができます。そのためにはまず、現在の施策の効果を評価しましょう。

その際には、データ分析や顧客フィードバックの活用が重要です。次に、改善の必要性がある領域を特定し、具体的な施策を策定します。施策の内容を見直すことで、CRMの効果的な改善と顧客満足度の向上に繋げることができます。

CRMツールを見直す

CRMツールが自社のニーズに合っていない場合、CRMツールの効果が限定的になる可能性があります。そのため、現在のCRMツールが自社の要件を満たしているかを、改めて評価してみましょう

まず、現在のCRMツールの機能と使い勝手を評価します。現在の活用方法で、必要な機能が十分に備わっているか、従業員が使いやすいかを確認します。次に、ビジネスのニーズに合わせてCRMツールをカスタマイズすることを検討します。

CRMツールの見直しによって、ビジネスプロセスの効率化や顧客満足度の向上が図れ、より効果的な顧客関係管理を実現できます。

CRMで成果を得るためのポイント

CRMの改善方法を検討した後は、さらに大きな成果へと導くためのポイントを確認しておきましょう。ここでは、効果的な活用方法として3つのポイントを解説します。

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CRMを使用する現場の声を反映する

CRMは顧客との良好な関係構築のために活用されるものですが、実際にそのツールを利用し、顧客との直接的な接点を構築するのは現場の人間です。そのため、CRMの効果分析や運用体制の見直しも重要ですが、まずは現場の声を反映することに努めましょう

企業の目的や方針に合わせ、どのようにCRMを活用したらさらに効果的な成果を得られるのか、どのような改善をしたらもっと使いやすくなるのか、現場の生の声を聞くことによって、徐々に使いやすくて成果も得やすい環境づくりを行うことができます

中長期的な目標・成果を設定する

CRMは導入後すぐに結果が出るものではありません。企業が費用対効果を求めるのは当然のことですが、顧客の行動分析を行い、個々のニーズを把握して効果的なマーケティングに繋げるためには、相応の時間を要します。

よって、短期的な目標・成果の設定によって早々に切り捨てるのではなく、中長期的な視点でCRMを活用していく必要があります

そして、運用開始からすぐに会社全体で運用していくのではなく、営業部門のみから始めるなど、従業員の負担を増やさずに成果を上げる場合は、小規模スタートが鉄則です。

ベンダーからのサポートも活用する

CRMは自社内で顧客管理を行うものであり、CRMに関わる全てのことを社内で解決しようとすることも多いでしょう。しかし、ツールによっては、ベンダー側でサポート体制を整えていることがあります。

そのため、課題の解決方法や改善方法に迷った場合は、遠慮なくベンダーにサポートを依頼しましょう。複数の企業からの問い合わせに対応しているベンダーなら、解決策をいくつも保有しているはずです。

なるべく悩んでいる時間を増やさず、活用できるものは積極的に利用していくのが得策です。

CRMマーケティングを外部に依頼するのも1つの方法

CRMマーケティングを外部に依頼することは、客観的な意見や専門知識を取り入れるための有効な方法です。外部の専門家に依頼することで、新しい視点や戦略を得ることができます。

専門業者は、市場動向やトレンドに精通しており、他社の成功事例も把握しています。外部の視点を取り入れることで、自社のCRMマーケティングの改善点や潜在的な成長領域を発見することができます。

また、CRMツールのベンダーによっては、マーケティングやコンサルティングのサポートを提供している場合があります。ベンダーは自社のツールに詳しく、顧客のニーズに合わせたカスタマイズや最適化を行うことができます。

外部の専門家やベンダーのサポートを活用することで、より戦略的で効果的なCRMマーケティングを実現できます。彼らの知識と経験を活かし、ビジネスの成長と顧客満足度の向上に繋げていきましょう。

まとめ

CRMのマーケティングの改善策として、ツールの見直しや適切な指標の設定、効果検証や分析方法の見直し、施策内容の見直しなどがあります。しかし、これらの改善策を試しても改善されない場合は、CRMのマーケティングを外部に依頼することをおすすめします。

外部の専門家やマーケティングエージェンシーに依頼することで、客観的な意見や専門知識を取り入れ、新たな視点や戦略を得ることができます。専門業者は市場動向や成功事例に精通し、自社のCRMマーケティングの改善に貢献することが期待されます。

CRMの改善は、顧客関係管理やマーケティング戦略の向上につながります。ツールの見直しや効果検証、適切な指標の設定などを通じて、さらなる業務効率化と顧客満足度の向上を実現させましょう。

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