おすすめのEDIツール10選|選ぶ際のポイントや注意点も解説
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- これからEDIツールを導入する場合は、従来のEDIではなくWeb-EDIを選ぶのがおすすめ
- Web-EDIを導入する際は、自社・取引先の双方に互換性のあるプロトコルを選ぶ
- EDI運用には特殊なノウハウが必要なため、ベンダーのサポートスキルや実績も確認する
EDIツールを導入すれば、企業間の取引データを電子化できます。受注・発注・出荷・納品・請求・支払いといった取引情報のやり取りを自動化し、業務効率化を図りましょう。この記事では、おすすめのEDIツールや選ぶ際のポイント、注意点などを解説します。
目次
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EDIツールで企業間取引データを電子化
EDI(Electronic Data Interchange=電子データ交換)とは、企業間で商取引に必要な文書や情報を電子的にやりとりするツールです。このツールを利用することで、紙ベースの文書や手作業によるデータ入力の手間を削減し、業務の効率化を図ることができます。
EDIツールを導入すると、入力作業の自動化・電子化による取引の迅速化・データの正確性向上・紙や郵送コストの削減などのメリットが得られます。
近年、電子帳簿保存法の改正による電子取引データの電子保存義務化や、テレワークの普及によるペーパーレス化の推進などの背景により、EDIツールの導入が進んでいます。本記事では、EDIツールの選び方・比較ポイント・導入フローなどを解説します。
EDIとは?メリット・デメリットやツールの選び方をわかりやすく解説
EDIとは、伝票や文書を電子データで自動的に交換することです。物流や銀行などさまざまな業種で導入されており、業務効率化や内部統制の徹底にも繋がります。本記事では、EDIのメリット・デメリットやEDIシステムの機能、選び方について解説しています。
EDIツールは形式・プロトコル・品質で選ぶ
EDIツールを選ぶ際には、EDIの形式・プロトコル・品質と信頼性を確認することが重要です。また、ツールの導入形態や実績を比較することも、自社に適したツールを選ぶ上で大切なポイントです。次の章でそれぞれのポイントを詳しく解説します。
【重要なポイント3つ】
- Web-EDIを選ぶ
- プロトコルの種類を確認
- 品質・信頼性をチェック
【その他の比較ポイント】
- 導入形態を確認
- 導入実績とサポートスキルをチェック
EDIツールの選び方で重要な3つのポイント
EDIツールは、取引先と円滑なデータ送受信ができ、業務を効率化できる利便性の高いツールを選ぶことが大切です。ここでは、EDIツールの選び方で重要な3つのポイントを解説します。
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EDIツールの選び方で重要な3つのポイント
Web-EDIを選ぶ
Web-EDIとは、インターネットを通じて利用できるEDIツールのことです。インターネットとウェブブラウザがあれば利用でき、専用のソフトウェアやハードウェアを設置する必要がありません。そのため、導入コストが低く、迅速に開始できます。
従来のEDIは、専用の通信線やシステムの設置が必要であり、初期費用や維持費が高額になる場合があります。また、専用のシステムやネットワークを通じてのみアクセスが可能なため、場所によっては取引が難しいことがあります。
しかし、Web-EDIはインターネットがあれば、どこからでもアクセスができ、外出先やテレワーク中でも取引データのやり取りが行えます。低コストで使い勝手に優れるため、これから導入する場合はWeb-EDIが推奨されます。
プロトコルの種類を確認
プロトコルとは、データの送受信を確実かつ効率的に行うために、通信の方法や形式を定義したものです。データの暗号化・認証・送信方法など、安全かつスムーズなデータ交換を可能にするためのさまざまな規格があります。
Web-EDIにおいては、電子取引を行うにあたり、自社や取引先に合ったプロトコルを検討することが大切です。適切なプロトコルを選択することにより、高いセキュリティの確保・円滑なデータ交換・業務効率化などのメリットを得られます。
Web-EDIで利用される代表的なプロトコルを以下の表にまとめます。
プロトコル | 概要 |
---|---|
EDIINT AS2 | ・データ交換のセキュリティ性に優れる ・グローバル企業や販売・流通業界で広く普及する規格 |
OFTP2 | ・自動車業界に広く普及する規格 ・大容量のデータ送受信に対応し、セキュリティ性が高い |
JX手順 | ・低コストで利用可能 ・小売・流通業界や中小企業に普及する日本独自の規格 |
SFTP | ・公開鍵暗号方式を採用 ・企業内・企業間でのファイル交換に広く利用される規格 |
ebXML MS | ・アジアでの利用が多い ・大容量データ通信・リアルタイム処理に対応 |
取引先が接続できるかが重要
プロトコルの選択は、自社のニーズだけを考慮して選ぶものではありません。取引先とデータ送受信を行うためには、取引先と同じ、もしくは互換性のあるプロトコルが必要です。特定の業界や取引先では、特定のプロトコルの使用が標準化されているケースもあります。
品質・信頼性をチェック
EDIは品質と信頼性が重要です。この品質と信頼性とは、取引データを正確に伝送できること・迅速に処理できること・セキュリティが確保されていることを意味します。EDIの品質と信頼性は、企業間取引での正確性と効率性を保証するために不可欠です。
品質と信頼性を判断する要素には、監視体制やデータスループットの高さなどが挙げられます。24時間365日の監視体制なら、システムの障害や不正アクセスを検出した場合に迅速な対処が可能です。
データスループットとは、取引データを効率的に処理する能力を保証するものです。大量の取引データを扱う上では、データスループットの高さを確認することが重要です。
EDIツールのその他の比較ポイント
EDIツールには、さまざまなツールがあるため、自社に適した導入形態か、自社業界に強みのあるツールかどうかを比較検討することが大切です。ここでは、EDIツールのその他の比較ポイントについて解説します。
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EDIツールのその他の比較ポイント
導入形態を確認
EDIツールには、オンプレミス型・クラウド型・アウトソーシングの3つの導入形態があります。ここでは、以下にそれぞれの導入形態について解説します。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社のサーバーとネットワーク環境にEDIシステムを直接構築し、運用する形態です。この導入形態は、企業がすべてのシステムを内部でコントロールすることが特徴です。
そのため、カスタマイズ性が高く、セキュリティの管理も自社で行えることがメリットです。しかし、初期設置費用・メンテナンス・アップデートなどにかかるコストが高く、専門的な知識を持ったITスタッフの確保が必要になります。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを通じてEDIサービスを利用する形態です。この導入形態では、企業は自社でEDIシステムを構築・管理する必要がなく、ベンダー(サービス提供者)がサーバーの運用やメンテナンスを担います。
初期費用や運用コストが低減されるメリットがありますが、インターネット接続に依存するため、接続が不安定な場合には取引に影響が出る可能性があります。
また、データ管理がベンダーに委ねられるため、セキュリティに関するベンダーの信頼性を確認することが重要です。
アウトソーシング
アウトソーシングでは、EDIの運用全体、または一部を外部の専門業者に委託します。メリットは、専門知識を持った業者が運用を担うため、自社での専門スキル確保やシステム投資が不要な点です。
さらに、業者が最新のセキュリティ対策やシステム更新を行うため、常に最適な環境でEDIを利用できます。ただし、データやシステムの管理が外部に依存するため、セキュリティやプライバシーの面で懸念が生じる可能性があります。
EDIツールの中には、ツールを提供するベンダーがアウトソーシングサービスを提供している場合もあります。依頼するコストはかかりますが、自社で管理するコストは削減できるため、専門業者の選択や依頼の仕方次第では、費用対効果の高い選択肢になり得ます。
導入実績とサポートスキルをチェック
EDIツールの運用には、特定の業界に特化した知識・専用のフォーマット・プロトコルに関する専門的なスキルが必要です。業界によって、独自の取引ルールやデータフォーマットがあり、これらに対応するためには業界特有のノウハウが求められます。
そのため、自社の業界で実績があり、関連するサポートスキルや知識を持ったEDIツールを選ぶことは、スムーズな導入と効率的な運用を実現する上で非常に重要です。適切なツールを選ぶことで、取引の正確性を保ちつつ、業務の効率化を図ることができます。
導入実績とサポートスキルを確認したい場合は、ベンダーのWebサイトを訪れて、業界別の導入事例やユーザーレビューを調べましょう。また、サービス提供者に直接連絡して、自社の業界に関連する実績やサポート体制の詳細を尋ねるのも1つの確認方法です。
サポート体制については、24時間365日のサポートがあるか、トレーニングや導入支援のサービスが提供されているかなどを確認することが推奨されます。
おすすめのEDIツール10選
GOOD
ここがおすすめ!
- 単なる共有だけでなく、コメントや動画・リンクの挿入が可能
- 1ユーザーあたりの価格が低く、予算が少なくても導入しやすい
- アクセス制御・デバイス個体認証といったセキュリティ面も充実
MORE
ここが少し気になる…
- カタログやマニュアルや資料の管理・共有のみに特化
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ここがおすすめ!
- 項目入力時の「エラーチェック」や「入力支援機能」を備え、運用の負荷軽減に効果的
- 複数業務の管理・運用により、受発注の一連の業務をシステム化できる
- アプリケーションサンプルとテンプレートの提供があり、短期間で構築可能
MORE
ここが少し気になる…
- 料金体系やその他の機能の詳細については問い合わせで確認
GOOD
ここがおすすめ!
- 幅広いOSに対応した「ファイル連携ミドルウェア」でシームレスなデータ連携が可能に
- 業界標準の「TCP・IPプロトコル」の使用により、安全かつ確実に送信
- スクラッチ開発が不要
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ここが少し気になる…
- 売上データやログデータなどのファイル送受信機能のみに特化
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ここがおすすめ!
- 60日間の無料トライアルがあり、1ユーザーあたりの月額費用も安い
- 情報が育つまで何度も更新・共有し、完成したら最適な場所に整理できる
- 同時編集やサービス連携・記事のバージョン管理などの機能が充実
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ここが少し気になる…
- 閲覧や編集の権限設定ができない
GOOD
ここがおすすめ!
- あらゆる文書の管理がwebベースで一元管理できる
- 状況がパっとわかるログ管理機能により、効率よく運用可能
- 申請・承認機能や、ログイン連携などの便利機能を標準装備
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ここが少し気になる…
- あくまでも文書管理・運用に特化したサービスにつき、その他も運用したい場合は不向き
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
Working Folder
GOOD
ここがおすすめ!
- 「エビデンス管理機能」や「JIIMA認証」を取得し、国税関係書類も格納
- メンバーごとの「アクセス権」や「あんしんドロワー」などのセキュリティ機能が充実
- 利用中のMicrosoft 365の「Microsoft Entra ID」と連携が可能
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ここが少し気になる…
- 有償オプションが豊富な反面、必要なものが多いと割高になる場合も
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ここがおすすめ!
- ニーズにあわせたカスタマイズ開発により、社内情報と連結できる
- 「文書管理機能」や「ワークフロー」を標準装備しており、素早い処理が行える
- 文章の派生元をすぐに探し出せる「派生管理機能」で効率アップ
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ここが少し気になる…
- Box連携や紙文書の電子化などはオプション対応
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ここがおすすめ!
- 全員が使いやすい「Easy」さと、自社ニーズにカスタマイズしやすい「Open」な環境の両立
- 「最新デジタル技術」を活用し、IT投資の効率化と業務プロセスの最適化を実現
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ここが少し気になる…
- 価格については問い合わせで確認する必要がある
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ここがおすすめ!
- 図面や書類などの重要な情報をPDFデータにして適切な管理が可能
- 特急プランの導入でスピーディーに対応を進められる
- スキャン後の資料は別途見積もりによって廃棄のサービスもあり
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ここが少し気になる…
- 合計金額が5万円以下の場合は5万円の見積と請求になる
GOOD
ここがおすすめ!
- 購買コストや人件費を大幅に削減できる
- 仕入先の送受信確認や利用者の操作履歴が残るのでいつでもトレーサビリティの確認が可能
- Web画面上で納期の回答や照会ができるため、リードタイムの短縮につながる
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ここが少し気になる…
- 発注する際は承認制のため、スムーズに発注したいときに不便
EDIツールの導入フローと注意点
EDIツールは、自社のニーズ・取引先との互換性に加え、ツールとしての機能性も考慮して導入することが大切です。ここでは、EDIツールの導入フローと注意点について解説します。
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EDIツールの導入フローと注意点
1. EDIツールの選定
EDIツールを選ぶ際には、自社の業務要件と取引先との互換性を考慮することが重要です。自社で利用しているシステムやデータフォーマットに対応しているか、取引先が使用しているEDIツールと互換性があるかを確認しましょう。
自社の業務要件を洗い出すには、導入目的や自社の課題を明確にした上で、現在の取引プロセスを詳細に分析し、どの業務がEDIを通じて自動化できるかを特定します。
取引先との互換性を調べるには、取引先に直接確認するか、取引先が公開している技術仕様を参照します。業界で普及しているEDIツールについては、業界団体やEDIツールのベンダーが情報提供している場合もあります。
2. 無料トライアルを利用して比較
一般的にEDIツールには、データの送受信・フォーマットの変換・通信プロトコルのサポート・取引の自動化・取引情報の可視化などの機能があります。しかし、その機能の仕様や使いやすさはツールによって異なります。
そのため、無料トライアルを活用して複数のEDIツールを比較することは、自社に最適なツールを見つける上で重要です。
導入目的や業務要件に一致する機能を持つツールを選定した後、無料トライアルで実際の業務フローに沿ってテストしましょう。その際には、操作性・機能の充実度・サポート体制などに着目すると、最終的な選定を行いやすくなります。
まとめ
EDIツールは、企業間取引を効率化し、データの正確性向上・コスト削減などのメリットをもたらすツールです。紙ベースの文書管理から脱却して、迅速かつ正確なデータ交換を実現することで、業務負担とエラーの削減が可能になります。
ツールの選択では、Web-EDIの利用・適切なプロトコルの選定・品質の確認が重要です。また、初期費用・運用コスト・セキュリティ面を考慮して、最適な導入形態を選択する必要があります。
導入フローでは、自社および取引先との互換性を確認し、無料トライアルを通じて複数のツールを比較検討することが推奨されます。企業間の取引を円滑にし、自社の競争力を高めるEDIツールを導入する際には、本記事の内容をぜひ役立ててください。