電子帳簿保存法対応の電子契約システムおすすめ3選|保存要件も解説
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- 電子契約を導入するには、電子帳簿保存法に対応した電子契約システムの活用がおすすめ
- 電子帳簿保存法対応のシステムを選ぶ際は、JIIMA認証を取得しているかチェックする
- 電子契約の導入により、コスト削減やセキュリティ強化などのメリットがある
電子契約を締結する際は、電子帳簿保存法への対応が必須です。しかし、その要件は複雑で、スムーズに対応するには法令に準拠した電子契約システムの活用がおすすめです。この記事では、電子帳簿保存法に対応したおすすめの電子契約システムを紹介します。
目次
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電子契約では電子帳簿保存法への対応が必須
電子契約とは、電子文書と電子署名で交わす契約で、契約書の作成から契約の締結までの作業をすべてパソコンやタブレットなどで行います。電子帳簿保存法の改正により、ほとんどの分野で電子契約が認められるようになり、現在では多くの企業が取り入れています。
しかし、電子契約は税務上の電子取引に当たり、所得税や法人税を納税する企業が行う場合には、電磁的記録として保存しておく必要があります。電磁的記録での保存は、電子帳簿保存法に定められている要件を満たすことが必須条件となっています。
以下では、電子帳簿保存法の概要と電子契約におけるデータ保存の要件について解説します。
電子契約の仕組みとは|書面契約との違いやメリット、注意点を解説
電子契約では、従来の紙による契約書を使用せず、電子データによって契約・保存・管理を行うことができます。本記事では、電子契約の仕組みや、法的効力について解説し、電子契約を導入するメリット・デメリットの他、導入に関する法律について紹介します。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法の正式名称は、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿の保存方法等の特例に関する法律」です。したがって、電子帳簿保存法は、会社法や法人税法が定める原則紙媒体の帳簿保存の特例として、国税関係帳簿の電子保存を認めるものです。
しかし、特例の該当には電子帳簿保存法の定める要件を満たすことが必要であり、要件を満たさない帳簿の電子保存は認められません。
電子帳簿保存法は1998年の施行から改正を繰り返し、現在ではほとんどの契約を電子契約で行えるようになりました。また、2024年1月1日からは、電子取引における電子データ保存が完全義務化されています。
電子帳簿保存法とは?保存方法・要件や罰則などをわかりやすく解説
電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。本記事では、電子帳簿保存法の3つの保存方法と要件や、対応しなかった場合の罰則、電子帳簿保存法に対応したシステムの選び方などを解説しています。
電子契約におけるデータ保存の要件
電子契約におけるデータ保存の要件は、「電子帳簿保存法」や「電子帳簿保存法施行規則」によって定められています。まず、契約書などの電子契約に関わる書類は、納税地で7年間の保存が必要です。保存期間は、紙媒体の場合と同じです。
そして、電子保存を行うためには、記録の改ざんがないことを証明できる「真実性」と、保存されたデータを検索・表示できる「可視性」の確保が要件となります。
「真実性」の確保は、認定タイムスタンプの付与、訂正削除が不可能なシステムの利用、訂正削除の履歴が残るシステムの利用、改ざん防止等の事務処理規定策定などの要件から1つを満たすことでクリアできます。
「可視性」の確保は、ディスプレイやプリンターとその説明書を備え付け、目的の電子契約を素早く検索し、画面または書面で確認できるようにすることでクリアできます。これは、税務監査がスムーズに進められるようにするための対策です。
参考:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】 Ⅱ 適用要件【基本的事項】|国税庁
電子帳簿保存法に対応した電子契約システムの導入を
電子契約システムとは、インターネット上の電子ファイルで契約業務のすべてを完結し、締結した契約書も効率的に管理できるシステムのことです。中には、相手方がシステムを利用していなくても電子契約を行えるものもあります。
電子契約システムの導入により、契約書の作成からアップロード、電子署名の生成や付与、契約締結などの一連の業務がスムーズに進められます。押印・郵送・返送の手間がないため、契約締結が短期間で完結でき、最短契約書完成当日の契約締結も可能です。
しかし、電子契約の帳簿保存は電子データであることが必須なため、上記で解説した電子契約におけるデータ保存の要件を満たさなくてはなりません。そのため、電子契約システムを利用する際には、電子帳簿保存法に対応したシステムがおすすめです。
電子契約システムとは、契約時のやり取りを電子上で行うことができるシステムです。この記事では、電子契約システムの仕組みや、メリット、導入する際の流れや注意点などを解説します。
JIIMA認証を取得しているか確認する
JIIMA(Japan Image and Information Management Association)認証とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が実施する、電子帳簿保存法に関する認証制度です。電子帳簿保存法などの法的要件を満たしたシステムやソフトウェアにJIIMA認証が与えられます。
電子契約システムが電子帳簿保存法に対応しているかどうかを確認するのは難しいですが、JIIMA認証の有無をチェックすることで簡単に対応状況を把握できます。
しかし、JIIMA認証には、電子取引・スキャナ保存・電子帳簿・電子書類・アーカイブ用光ディスクに関わる法的要件認証の5種類があります。自社で電子契約システムを運用する場合に、どの認証が必要であるかをしっかり確認することが大切です。
JIIMAが認証したシステムやソフトウェアは国税庁に報告され、下記の国税庁サイトで確認できます。
電子契約を導入するメリットは多い
電子契約の導入には、電子帳簿保存法の遵守の手間はかかりますが、多くのメリットを得られます。ここでは、電子契約導入の主なメリットとして、下記の3点について解説します。
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電子契約導入の主なメリット
コストや手間を削減できる
電子契約は、紙媒体のやり取りがなくインターネット上で行うため、印刷・製本の費用や契約場所まで移動する交通費などが不要になります。さらに、契約に関わる書類のファイル保管もなくなり、ファイルや保管庫購入の費用もかかりません。
また、印紙税法による課税文書に該当する領収書や契約書などには、規定額の収入印紙の貼付が義務付けられています。しかし、印紙税は紙媒体の書面にかかる税金であり、電子契約は印紙税の対象とならず、印紙代も不要になります。
このように紙媒体の契約から電子契約への移行により、削減できるコストは多くあります。さらに、契約場所への移動・書類郵送・ファイリングなどの手間や、契約業務のスムーズな進行による人的コストも削減できます。
セキュリティを強化できる
紙媒体の契約書類は、改ざんしにくいメリットがありますが、押印は偽造されても分かりにくいという注意点があります。一方、電子契約で押印の代わりに用いられる電子署名は、偽造が難しく、成りすましの危険性を抑えられます。
また、紙媒体の契約書類は盗難のリスクがありますが、電子契約の契約書類データはサーバーに保管されるため、必要な人物以外のアクセスを防げます。データの暗号化や閲覧権限の設定などにより、自社に合わせたセキュリティ強化も図れます。
働き方改革に対応できる
紙媒体の契約から電子契約への移行は、働き方改革の推進にもなり、テレワークなどオフィス外でできる業務の幅を広げられます。
電子契約では、テレワークを行う従業員が押印のためだけに出社する必要はなく、自宅にいながら契約業務が行えます。そのため、育児や障がいなどで出社できない従業員にもコア業務の提供ができ、企業の人材不足の解消にもつなげられます。
電子帳簿保存法対応の電子契約システムおすすめ3選
GOOD
ここがおすすめ!
- 自社のタイムスタンプが総務大臣に認定を受けている
- シンプルな機能で使いやすい
MORE
ここが少し気になる…
- 2023年度にリリースされたばかりなので取引先が利用している可能性が低い
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
電子取引サービス@Sign
GOOD
ここがおすすめ!
- 全世界で利用されており、多言語やアプリ連携にも多数対応
- 契約書の作成はもちろん、締結から保管までの契約業務をまとめて管理できる
- 個人版と法人版とでプランが分かれている
MORE
ここが少し気になる…
- 契約関連業務が一元管理できる反面、機能を絞って使いたい方には不向き
【比較表】電子帳簿保存法対応の電子契約システム
その他の電子契約システムの選び方
電子契約システムを提供するベンダーは数多くあり、より高い効果を上げるためには、自社に適したシステムを選ぶことが重要です。システム選びに困った場合には、以下のようなポイントにも注目するのがおすすめです。
【重要な3つのポイント】
- 電子署名のタイプは当事者型か立会人型か
- 自社の契約件数とコストが見合っているか
- 自社に必要な機能が搭載されているか
【その他の比較ポイント】
- スマホに対応しているか
- 複数言語に対応しているか
- セキュリティ対策は万全か
- サポート体制は充実しているか
- 無料トライアルがあるか
まとめ
電子契約を締結する際には、電子帳簿保存法に定められた要件を満たす必要があります。しかし、自社で適切に要件をクリアすることはハードルが高いため、法令に準拠した電子契約システムの活用がおすすめです。
電子契約システムを選ぶ際には、法令に準拠していることを証明するJIIMA認証の取得状況をチェックしましょう。紙媒体の契約から電子契約への移行は、契約業務の効率化だけでなく、コスト削減やセキュリティ強化、働き方改革の推進にもつながります。