CRMとチャットボットの連携でできること|メリットや注意点も解説

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- CRMを用いることで、情報が一元管理され、顧客対応がスムーズかつ柔軟になる
- チャットボットとCRMを連携させると、効果的なマーケティング施策ができる
- 業務時間外の問い合わせ対応による機会損失リスクには、チャットボットとCRMが有効
CRMとは、顧客の基本情報や購買履歴などを管理するためのシステムです。CRMはチャットボットと連携することで、より効果的なマーケティングが可能になります。本記事では、CRMとチャットボットの連携でできることや、連携メリットなどについて解説します。
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CRMでできること

CRMとは、「Customer Relationship Manegement」の略語で、顧客情報を一元管理できるシステムを指します。顧客情報を可視化・共有しやすくなるため、トラブルへの柔軟な対応が可能になり、業務の属性化が解消できるというメリットがあります。
CRMでは、まず顧客の年齢・性別・職業などの基本情報や、利用履歴、コミュニケーション記録などの顧客情報を収集します。その後、情報を整理して分析し、購買傾向などを読み取ります。次に打つべき施策の提案も行ってくれるので、マーケティングを強化できます。
チャットボットでできること

チャットボットとは「自動会話プログラム」のことをいい、簡単な質問と回答を自動化するシステムです。問い合わせでよくある質問を自動化しておけば、オペレーターが直接対応する業務の負担が減ります。
チャットボットをビジネスに活用すれば、電話対応と違って同時に複数人の対応が可能になるため、生産性も向上します。あらかじめ登録した質問に時間外対応できる、時間を気にせず問い合わせできるなど、企業・顧客の双方にとってメリットがあります。
オペレーター業務を効率化できる
チャットボットを活用すれば、オペレーター業務を効率化することができます。チャットボットで簡単な問い合わせに自動化で対応することで、オペレーターは重要度の高い問い合わせに集中できるでしょう。
その結果、問い合わせ1件当たりの処理時間が短縮されるため、オペレーターの人員削減ができ、労働コストも抑えられます。顧客側にとっても、電話の待ち時間がない、簡単に問い合わせしやすいなどのメリットがあります。
CRMと連携できるチャットボット3型を解説

CRMとチャットボットの連携では、CRMにある顧客情報とチャットボット内の問い合わせ内容を紐づけることができます。チャットボットは、大きく分けてシナリオ型・有人型・AI型に分類されます。
「シナリオ型」は、予め設定された選択肢によって、正しい回答に導く方法です。オペレーターに代わって回答に対応し、自動化の回答で解決しない場合はオペレーター繋ぐなどのシナリオに沿って運用します。
「有人型」では、オペレーターが対応し、問い合わせ内容にあった丁寧な対応ができます。CRMによって顧客の情報が一元管理できるため、チャット上で過去の取引履歴などを共有し、スムーズな顧客対応が可能です。
「AI型」のチャットボットは、問い合わせの内容とCRMの顧客の年齢・性別などの基本情報、購入履歴、コミュニケーション履歴などの内容を分析します。AIの機械学習によって精度の高い回答が可能です。
CRMとチャットボットの連携がおすすめな理由

CRMとチャットボットの連携は、企業側にも顧客側にもメリットがあります。ここでは、CRMとチャットボットの連携がおすすめな理由について詳しく解説します。
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企業側のメリット
CRMとチャットボットの連携には、効果的なマーケティング施策ができたり、顧客ニーズに合った回答ができたりなどのメリットがあります。以下で詳しく解説します。
効果的なマーケティング施策ができる
CRMとチャットボットの連携によって、効果的なマーケティング施策ができます。CRMの顧客情報にチャットボットの会話を記録し、マーケティング施策に活用可能です。
例えば、過去の取引履歴や会話履歴などから顧客の人間像を把握し、個々の顧客に合ったアプローチを検討できます。顧客1人ひとりに寄り添った対応ができれば、サービス・商品のイメージアップや顧客満足度の向上が期待できます。
顧客ニーズにあわせて回答できる
CRMとチャットボットを連携すると、顧客ニーズに合わせた回答ができます。CRMにある個人情報や自社の製品情報など、コミュニケーション中に必要な情報を簡単に呼び出すことができるため、顧客への説明や提案がスムーズになります。
また、早急に応答が必要な問い合わせにも、クラウド上で顧客情報を確認できるため、外出先などでも迅速に対応することが可能です。
やり取りの履歴を共有できる
CRMとチャットボットを連携すると、やり取りの履歴を社内で共有することができます。
問い合わせ対応時に素早く対応するためには、スムーズな情報共有が欠かせません。
連携により、営業部門・コールセンターなど、幅広い部署で情報を共有することができるため、担当に引き継ぐ際もスムーズです。過去のコンタクト履歴などの情報がすぐに共有されれば、状況把握やサービス解約などにも素早く対応できるでしょう。
顧客側のメリット
CRMとチャットボットの連携は、顧客側にも業務時間外に問い合わせできるなどのメリットがあります。ここからは、顧客側のメリットについて詳しく解説します。
業務時間外でも問い合わせできる
チャットボットは、業務時間外でも問い合わせできるのがメリットです。コールセンターの問い合わせ時間には平日や営業時間内など縛りがある場合が多く、問い合わせがしにくいと感じる顧客も多いです。
チャットボットでは、質問の回答を自動化することによって、業務時間外も問い合わせを受け付けることできます。
業務時間外の問い合わせにも対応できることで、企業側の機会損失リスクも軽減されます。最近ではAIの学習技術も進み、簡単なメッセージを送るだけで、AIが判別して的確な回答の提示を行ってくれるシステムもあります。
気軽に問い合わせできる
チャットボットは、顧客にとっての問い合わせのハードルが下がることもメリットです。コールセンターの対応では、オペレーターに繋がるまで時間がかかることも多く、業務時間内に問い合わせなければいけないため、不便を感じる顧客も多いでしょう。
チャットボットを活用すれば、24時間対応が可能になり、顧客側の都合で気軽に問い合わせができます。その結果、企業側の一人当たりの平均処理時間を短縮したり、オペレーターの人員削減をしたりすることにも繋がります。
一貫性のある対応をしてもらえる
CRMとチャットボットを活用すると、一貫性のある対応が可能になります。コールセンターやメール対応では、顧客側がその都度質問を入力したり、担当者に引き継ぐ際に同じ説明をし直したりすることも多く、面倒に感じる顧客も多いです。
CRMとチャットボットを活用すれば、入力した内容がCRMに記録されるため、顧客がその都度一から入力し直したり、有人対応に切り替わった時に説明し直したりする必要はなくなります。
このように顧客側が問い合わせをしやすい環境に整備することで、トラブルに対して柔軟な対応ができるようになり、顧客満足度の向上も望めるでしょう。
CRMとチャットボットを連携する際の注意点

上述のように、CRMとチャットボットの連携には様々なメリットがありますが、適切に導入・運用しなければ十分な効果は得られません。ここでは、CRMとチャットボットを連携する際の注意点について解説します。
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CRMとチャットボットを連携する際の注意点
初期設定・運用にリソースが必要
チャットボットの利用には、初期設定が必要です。FAQの整理やシナリオ作成などに手間がかかるケースが多く、運用開始までには時間を要します。特にAI型では、学習用に過去の問い合わせデータを用意しなければならず、不足していると回答の精度が落ちてしまいます。
また、精度を上げていくためには継続的な調整が必要であり、そのための人的リソースも必要です。運用できる知識を持った人材を確保し、計画的に導入を進めましょう。
顧客の不満を招くリスクもある
チャットボットは顧客が気軽に問い合わせできる反面、回答の内容は定型的なものになりがちです。疑問が解決しない場合、顧客によってはサービスや企業への不満を抱く可能性もあります。
また、重要なクレームや緊急の問い合わせでチャットボットが自動応答すれば、顧客からの信頼が失われるリスクもあるでしょう。状況に応じて有人対応にスムーズに切り替えるなど、柔軟な体制を整えることが重要です。
まとめ

CRMは顧客情報を管理するためのシステムであり、チャットボットと連携して利用することができます。CRMとチャットボットの連携によって、チャットでのやり取りをCRMで確認できるようになり、業務効率化や効果的なマーケティングが可能になります。
ただし、チャットボットの使い方によっては顧客からの不満を招く可能性もあるため、注意が必要です。連携の際は時間的・人的リソースを十分に確保し、運用体制を整えましょう。
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