ChatGPTのGPT-3.5とGPT-4の違いは?注意点や料金も

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  • GPT-4はGPT-3.5の上位モデルで、より精度の高い情報提供が可能
  • GPT-3.5とGPT-4では、創造性や画像対応などの点で違いがある
  • GPT-4でも複雑な計算は苦手であり、回答が正確でないこともあるため注意が必要

ChatGPTには「GPT-3.5」「GPT-4」などのモデルがあります。GPT-4はGPT-3.5の上位モデルで、より精度の高い情報提供が可能です。この記事では、GPT-3.5とGPT-4の違い、利用時の注意点、利用料金などについて解説します。

目次

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  1. ChatGPTのモデル「GPT-3.5」と「GPT-4」
  2. GPT-3.5とGPT-4の違い
  3. GPT-4を利用する際の注意点
  4. GPT-3.5は「GPT-4o mini」に置き換えられている
  5. まとめ

ChatGPTのモデル「GPT-3.5」と「GPT-4」

ChatGPTとは、OpenAIが開発したAIであり、文章の生成や言語理解の能力を身に着け、対話形式で回答してくれるAIチャットサービスです。そして、ChatGPTを支えているのがGPTと呼ばれる大規模言語モデルです。

GPTは、2018年にGPT-1が登場して以来、GPT-2・GPT-3と開発が進み、2022年11月にGPT-3.5を搭載したChatGPT、2023年3月にはGPT-4を搭載したChatGPTが発表されました。以下では、「GPT-3.5」と「GPT-4」についてより詳しく解説します。

参考:ChatGPT

ChatGPTとは?メリット・デメリット、始め方などを解説

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

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ChatGPTのモデル「GPT-3.5」と「GPT-4」

  1. GPT-3.5
  2. GPT-4

GPT-3.5

2022年11月にGPT-3.5を搭載したChatGPTがリリースされ、公開と同時に世界中で注目されました。リリース後は、2か月で1億人のユーザーを獲得するなど非常に大きなブームを巻き起こし、多くの企業で活用されました。

GPTの性能は、「パラメータ値」と呼ばれる数値で示されます。パラメータで各GPTを比較すると、GPT-1が1.5億個、GPT-2が15億個、GPT-3が1,750億個、GPT-3.5が3,550億個と増加しており、進化しているといえます。

ChatGPTに搭載されたGPT-3.5は、インターネットなどに含まれている膨大なデータを学習したデータセットを用いて回答の生成を行い、文章生成や要約、質問応答、翻訳などを人が行うような自然な言語のやり取りで生成できます。

GPT-4

GPT-4は、GPT-3.5のバージョンアップとして2023年3月にリリースされた大規模言語モデルです。パラメータ数は公表されていませんが、その性能から5,000億〜1兆以上と推定されており、GPT-3.5から大幅に増加しています。

また、GPT-3.5と比較して日本語対応の精度が高くなり、日本での活用がより行いやすくなっています。さらに、GPT-3.5を提供しているOpenAIとMicrosoftは、緊密な協力関係にあり、Microsoft社の検索エンジン「Bing」にもGPT-4が搭載されています。

参考:GPT-4|OpenAI

GPT-3.5とGPT-4の違い

GPT-4は、GPT-3.5から飛躍的な進歩を遂げ、より活用しやすくなったとともに、活用範囲が広がりました。GPT-4がGPT-3.5から進歩した主な点は下記の5点です。ここでは、進歩した点を2つのGPTの違いとして解説します。

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回答の精度

GPT-4は、GPT-3.5と比べてパラメータ数が多いと推定されており、より複雑なパターンや関係性を学習できます。そのため、誤字脱字の少ない精度の高い回答の生成が可能です。

また、GPT-4は、プロンプトに複数の指示を出してもAIが理解してくれるため、GPT-3.5では複数回にわけて出していた指示も、1回の指示ですむようになりました。

GPT-3.5とGPT-4では、学習データの期間(カットオフ)も異なります。それぞれの学習データの期間は、GPT-3.5が2021年9月までで、GPT-4が2023年4月までです。なお、2024年5月に登場した最新モデル「GPT-4o」は、2023年10月までとなっています。

このように、GPT-4はGPT-3.5よりも最新に近い情報を学習しているため、最新の情報を基にした精度の高い回答が得られます

回答の整合性

GPT-3.5では、事実に基づかない情報を生成する現象であるハルシネーションが多く見られ問題となっていました。GPT-4では、完全にハルシネーションの発生を防げるわけではないものの、GPT-3.5より発生率を19〜29%抑えられることがOpenAIから公表されています。

ハルシネーションが起こる原因はさまざまですが、学習データの期間の影響も大きいため、GPT-3.5よりも新しい情報を学習しているGPT-4に優位性があります

また、ハルシネーションが起こる原因には、入力するプロンプトに問題がある場合も多いです。プロンプトに、具体的な指示を入力することや、AIが情報を無理に生成しないように、わからないと答えることを可能にする文言を入れることでも発生率を下げられます。

回答の創造性

GPT-3.5でも創造的回答の作成は可能でしたが、GPT-4モデルはさらに大きく進化し、詩や物語・脚本などの作成にも柔軟に対応できるようになりました。また、抽象的な言葉を理解して、画像を生成することもできます。

GPT-3.5では言語の切り替えが難しかったため、詩などを生成させると言語が入り混じることがありました。しかし、GPT-4では言語の切り替えがスムーズになり、プロンプトで入力した言語を使って、創造的な詩や文章の作成をしてくれます。

長文への対応

プロンプトに入力できる文字数は、「トークン」と呼ばれる単位で表わされ、日本語は1文字当たり1~3トークンといわれています。GPT-3.5では4,096トークン(約3,000文字)であったのに対して、GPT-4は32,768トークン(約25,000文字)と大幅にアップしています。

文字数が増えたことにより、GPT-3.5で分割して要約や翻訳を生成させなくてはならなかった論文なども、GPT-4では一度で読み込むことができるようになりました。また、生成できる文章の文字数も大幅に多くなり、長文でのやり取りが可能です。

画像入力・画像生成

GPT-4では、GPT-3.5ではできなかった画像入力が可能になりました。画像データとその画像から知りたいことをプロンプトに入力すれば、テキストで返してくれます。たとえば、著名な遺跡や絵画の画像を入力して、それらの解説を生成させることなどができます。

また、GPT-4では新しく「DALL-E」と呼ばれる画像生成機能が使えるようになりました。DALL-Eは画像を生成するAIであり、プロンプトに作成したい画像のイメージを入力することで、それに応じた画像を生成してくれます。

参考:DALL·E 3|OpenAI

ChatGPTでは画像生成も可能|メリットや活用例・注意点も解説

ChatGPTでは、DALL-Eという機能を使って画像生成をすることも可能です。広告のビジュアル作成やWebデザインなど、さまざまな業務に活用できます。この記事では、ChatGPTで画像を生成する手順やメリット・ビジネスでの活用例・注意点などを解説します。

GPT-4を利用する際の注意点

GPT-3.5と比較して飛躍的に進歩したGPT-4ですが、対応が難しいものもあり万能ではありません。そのため、GPT-4の弱点も理解しながら上手に活用することが重要です。ここでは、GPT-4を上手く利用するための注意点として、下記の2点について解説します。

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複雑な計算には向かない

言語能力に優れたGPT-4ですが、高度な専門知識や数学的要素の高い複雑な計算には向いていません。間違えた答えを導き出すこともあるため、複雑な計算については他のツールを利用するなどして、正確性を担保する必要があります。

GPT-4は、インターネット上の情報を基に回答の生成を行います。そのため、数学的な計算方法がインターネット上にない場合には、正しい回答はできません。また、回答が明確になっていない課題に対する問いかけに対し、誤解を招く回答を出す恐れもあります。

人によるチェックは必要

GPT-3.5に比べるとGPT-4の回答は信頼性が向上しましたが、100%信用できるものではありません。特に、抽象的なものやWeb上の情報が少ないものについては、間違った回答を生成する確率が高まります。

そのうえ、日本語はWeb上のコンテンツ量が少ないことで、学習量が不足しやすいため誤った回答を生成する可能性がさらに高まります。現段階では、間違った回答を防ぐ対策はないため、人によるチェックを行うのが最良の方法です

GPT-3.5は「GPT-4o mini」に置き換えられている

OpenAIは、2024年7月18日に「GPT-4o(ジーピーティーフォーオー)」のコンパクト版モデルとなる「GPT-4o mini」を発表し、これに伴い「GPT-3.5」の提供は終了しました。以下では、「GPT-4o mini」について詳しく解説します。

GPT-4o miniとは

GPT-4oは、GPT-4のアップデート版として2024年5月に発表された最新大規模言語モデルです。テキストや音声、画像を任意に組み合わせて入力と出力を行えます。GPT-4o miniは、このGPT-4oのコンパクト版として7月18日に発表されました

GPT-4o miniは、GPT-4oに比べて機能が制限されており、回答の精度はやや劣りますが、処理速度はGPT-4oの約2倍の速度と言われています。GPT-4o miniの処理速度は、OpenAIが提供する言語モデルの中で最も速い処理速度を持っています。

参考:GPT-4o mini: advancing cost-efficient intelligence|OpenAI

参考:Hello GPT-4o|OpenAI

GPT-4oは有料プランで利用可能

無制限のGPT-4oやGPT-4を利用するには、有料プランに入る必要があります。業務のスピードアップを目指すチームや組織向けで、GPT-4o mini に無制限アクセスできるチームプランは、1ユーザー当たり30ドル/月、年間請求であれば25ドル/月で利用可能です。

GPT-4やGPT-4oも無制限で利用したい場合は、グローバル企業向けの企業プランに入る必要があり、料金は営業担当者への相談によって決まります。

参考:ChatGPT Pricing|OpenAI

まとめ

ChatGPTには「GPT-3.5」とその上位モデルの「GPT-4」などがあります。GPT-4はGPT-3.5と比較して、回答の精度・整合性・精度の高さに優れており、長文への対応や画像入力・画像生成などの機能も持っています。

しかし、GPT-4も正確に対応できないものもあり、人が最終チェックをする必要があります。なお、2024年5月にはGPT-4の上位モデルとしてGPT-4o、7月にはGPT-4oのコンパクト版のGPT-4o miniが発表されました。それに伴い、GPT-3.5の提供は終了となっています。

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