ChatGPTのオプトアウトとは?設定メリット・デメリットも解説

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  • ChatGPTでは、入力データをAIに学習させないようにオプトアウトを設定できる
  • オプトアウト設定により情報流出のリスクを軽減できるが、回答の精度は向上しない
  • 入力内容をAIに学習させない他の方法として、API連携やEnterpriseプランもある

ChatGPTは、入力したデータがAI学習に利用される仕組みとなっています。しかし、情報流出のリスクもあるため、学習させないようオプトアウト設定を行うのがおすすめです。この記事では、ChatGPTのオプトアウト設定方法や、メリット・デメリットなどを解説します。

目次

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  1. ChatGPTのオプトアウト設定とは
  2. ChatGPTのオプトアウト設定方法
  3. ChatGPTのオプトアウト設定を行うメリット
  4. ChatGPTのオプトアウト設定を行うデメリット
  5. オプトアウト設定以外で入力内容を学習させない方法
  6. まとめ

ChatGPTのオプトアウト設定とは

ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社が開発した生成AIです。チャットで送信された内容に対し、AIが人間と対話しているような自然な文章で回答する点に大きな特徴があります。

なお、ChatGPTに入力したテキストやデータは、回答の精度やスピード向上のためにAIの学習データとして活用される仕組みです。個人情報などをChatGPTに入力すると、その情報がAIによって学習・記録され、他ユーザーへの回答として出力される可能性があります。

このような情報流出のリスクを回避するには、オプトアウト設定を行うのがおすすめです。オプトアウト設定とは、AIに学習させないための設定です。本記事では、ChatGPTのオプトアウト設定方法・メリット・デメリットを解説します。

参考:ChatGPT

参考:New ways to manage your data in ChatGPT|OpenAI

ChatGPTとは?メリット・デメリット、始め方などを解説

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

ChatGPTのオプトアウト設定方法

ChatGPTのオプトアウト設定方法は、PCとスマホアプリによって異なります。ここでは、それぞれのデバイスにおける設定方法を解説します。

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ChatGPTのオプトアウト設定方法

  1. PCの場合
  2. スマホアプリの場合

PCの場合

PCにおけるオプトアウト設定は、ChatGPTのWebサイトの設定画面から、次のような手順で行います。

  1. 左最下部のアカウント名をクリック
  2. 「Settings」を選択
  3. 「Data Controls」を選ぶ
  4. 右上に表示される「Chat history & training」のボタンをクリック

オプトアウト設定の解除は、同画面に表示されている「Enable chat history」という緑色のボタンをクリックすると行えます。解除後は、ChatGPTに入力された情報がAI学習に利用されます。

スマホアプリの場合

スマホアプリの場合は、ChatGPTのアプリを起動し、次のような手順でオプトアウト設定を行います。

  1. 左上のメニュー(2本線)を選択
  2. 左下に表示されるアカウント名を確認
  3. アカウント右に表示される「・・・」を選択
  4. 「Settings」画面から「Data Controls」を選択
  5. 「Chat History & Training」を選択

設定の解除は、上記画面の「Turn on」という青色のボタンを選択することで行えます。

ChatGPTのオプトアウト設定を行うメリット

オプトアウト設定を行うことにより、入力情報の履歴がChatGPTに残らないため、AIの学習データとして活用される心配がなくなります。その結果として、情報流出のリスク低減や回答精度の維持といったメリットに期待できます。

ここでは、ChatGPTのオプトアウト設定を行うメリットを解説します。

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ChatGPTのオプトアウト設定を行うメリット

  1. 情報流出のリスクを軽減できる
  2. 回答の精度を維持できる

情報流出のリスクを軽減できる

オプトアウト設定を行うことにより、入力した情報がAIに学習・記録されなくなります。つまり、入力情報が他者の回答に出力されないため、これに伴って個人情報や機密情報の外部流出のリスクが大きく低減されます。

情報流出は企業のビジネスに大きな痛手を与えるだけでなく、社会的な信頼の低下など、さまざまな弊害を引き起こします。

そもそも機密性の高い情報はChatGPTに入力しないのが最善ですが、止むを得ず入力する場合はオプトアウト設定を行うことで、情報流出のリスクを最小限に抑えられます。これにより、企業のビジネスの存続や社会的信頼の維持に貢献します。

回答の精度を維持できる

オプトアウト設定は、回答の精度を維持できるメリットもあります。これは、入力された粗悪な情報をAIに学習・記録させないことで、誤った知識の蓄積を防止できるためです。粗悪なデータに基づく回答が出力される心配がなくなり、AIの回答品質を一定に維持できます。

例えば、ITリテラシーのレベルが大きく異なる従業員がChatGPTを利用する場合でも、オプトアウト設定を行うことにより、AIの回答品質の低下を防ぐことができます。

ChatGPTのオプトアウト設定を行うデメリット

ChatGPTのオプトアウト設定には、いくつかのデメリットもあります。ここでは、ChatGPTのオプトアウト設定を行うデメリットを解説します。

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回答の精度が向上することはない

オプトアウト設定を行っても、ChatGPTの回答の精度が向上することはありません。設定によってChatGPTに入力情報の履歴が残らず、これらを知識として蓄積できないためです。

一般的にChatGPTは、入力された情報をAIが学習して知識として蓄積することで、回答の精度が向上します。つまり、使えば使うほどユーザーの質問傾向を学習して適切な回答を表示するため、ユーザーは有益な情報に素早くたどり着くことが期待できます。

しかし、オプトアウト設定では回答の精度向上が見込めません。したがって、ユーザーが有益な回答を得るまでに長い時間を要する恐れがあります。

過去のチャット履歴を確認できなくなる

オプトアウト設定を行うと、入力したチャットの履歴が残らないため、ユーザーは過去のチャット履歴を確認できません。例えば、契約書レビューにChatGPTを活用した場合、情報収集の経緯が見返せず、更新時の差分比較などが滞る可能性があります。

なお、ChatGPTでは、不正利用などに備えて過去のチャット履歴が30日分保持されますが、30日を経過した履歴については順次削除されます。

ただし、申請フォームからオプトアウト設定を行った際は、過去のチャット履歴が残るため、履歴を残したい場合はこちらを利用すると良いでしょう。

申請フォームから設定すれば履歴確認が可能

申請フォームからオプトアウト設定を行うことにより、過去のチャット履歴を保持できます。申請フォームでオプトアウト設定を行うための手順は以下の通りです。

  1. OpenAI公式Webサイトの「OpenAI Privacy Request Portal」にアクセス
  2. 画面右上の「Make a Privacy Request」ボタンを選択
  3. ポップアップ画面左の「Do not train on my content」を選択
  4. メールアドレスを入力後「Send Email」ボタンを選択
  5. OpenAIからの受信メールから「Log In」ボタンを選択
  6. チェックをつけて居住国「JAPAN」を選択
  7. 「Confirm Request」を選択

申請フォームからオプトアウト設定した場合、処理完了後までに1時間〜1週間程度を要します。オプトアウト設定についてはやや時間がかかるものの、過去のチャット履歴を残したい場合にはおすすめです。

オプトアウト設定以外で入力内容を学習させない方法

ChatGPTに入力した情報を記録させないためには、オプトアウト設定以外にも2通りの方法があります。ここでは、オプトアウト設定以外で入力内容をAIに学習させないための方法をご紹介します。

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オプトアウト設定以外で入力内容を学習させない方法

  1. API連携を利用する
  2. ChatGPT Enterpriseを利用する

API連携を利用する

ChatGPTではAPIサービスも提供されており、ChatGPTと自社活用のアプリケーションを連携させることができます。

API連携でChatGPTを利用した場合は、入力した情報がAIに学習されないため、オプトアウト設定をしなくとも、ChatGPTを通じた情報流出のリスクを抑えられます。

なお、APIサービスを利用した場合は、オプトアウト設定をした場合と同様に、原則として30日経過後のチャット履歴の確認は不可能です。

参考:API platform|OpenAI

ChatGPT APIとは?メリットやできること、料金について解説

ChatGPT APIは、WebアプリケーションやソフトウェアとChatGPTを連携させるインターフェースです。ChatGPT APIにより、新しいサービスの開発を効率化させることができます。本記事ではChatGPT APIでできることや料金などについて解説します。

ChatGPT Enterpriseを利用する

オプトアウト設定をせずにChatGPTを通じた情報流出のリスクを抑えるには、ChatGPT Enterpriseの利用もおすすめです。ChatGPT Enterpriseとは、ChatGPTの企業向けプランの一種です。

ChatGPT Enterpriseを利用した場合は、ChatGPTに入力された情報はAIの学習データの対象となりません。したがって、情報流出のリスクを抑えることができます。

ChatGPT Enterpriseでは、企業の業務効率を向上させる機能が豊富にそろっており、利用することで、ChatGPTの利用を加速化できるメリットも見込めます。

参考:ChatGPT for enterprise|OpenAI

まとめ

ChatGPTとは、入力された情報をAIが学習することにより、ユーザーに適切な回答を素早く提供できる生成AIです。入力情報の不外部流出のリスクを低減するには、オプトアウト設定を行うのがおすすめです。

オプトアウト設定は、PC・スマホアプリともにChatGPTの設定画面から行えます。情報流出や粗悪データによる回答品質の低下を抑えられる一方で、回答品質の精度向上や過去のチャット履歴の見返しができない点に留意しましょう。

オプトアウト設定以外にも、APIサービスやChatGPT Enterpriseの利用により、AIによる入力情報の学習を阻止できます。自社の目的や用途にあわせて適切な方法を選択し、ChatGPTを通じた情報流出のリスクを低減させましょう。

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