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お名前.com スペシャルインタビュー Vol.01 アルファブロガー"akiyan"の体験談に学ぶ WEBサイト運営とコミュニケーションの心掛け

Twitterのフォロワー数16万人越え(2010年6月現在)!!

ライフハック、技術系のアルファ・ブロガーとして、Web系ソフトウェアエンジニアとして、大活躍中の”akiyan”こと秋田真宏さん。

日本におけるインターネット活用の先駆者の1人として、これまでのご自身の体験談から、WEBサイトを運営する上での心がけや、人とのコミュニケーションネットワーク構築についてなど、さまざまなお話を、お伺いしてみました。

作ったものに対してフィードバックが帰ってくるっていうのはすごい嬉しかった

――初めてパソコンに触れたのは、いつ頃ですか?

akiyan「小学校6年生頃で、いわゆるパソコンではなくて兄のポケット・コンピュータを借りて、小さな画面の中でBASICでプログラムを組んで遊んでたりしました。
 その後、中学生の頃知り合いのおじさんからMSX(注)を貰って、『MSXマガジン』(注)や『マイコンBASICマガジン』 (注)を片手に、そこに掲載されているコードを手で書いて改造なんかしたりして、プログラムは覚えていきました。当時ゲームが好きで、サウンドノベルを作ってMSXサークルが発行するディスクマガジン(注)に投稿したり。
 たまに感想のお手紙を貰ったりして、手法はアナログですが、今と同じような人とのコミュニケーションがありました。自分が作ったものに対してフィードバックが帰ってくるっていうのは、すごい嬉しかったですね。」

13歳くらいで初めてオフ会に参加。周りは大人ばっかり(笑)

――そのころネットはご利用されていたのですか?

akiyan「この当時は、インターネットの前身だったパソコン通信で、地元石川県内の草の根ネットに出入りしていて、たしか13歳くらいの時に初めてオフ会に参加しました。自分以外は大人ばっかりで10名くらい。みんなでカラオケに行ったんですけど“未成年だからキミは、お酒はダメだからね”なんて言われながら(笑)
 16歳くらいの時からインターネットを触るようになりました。ローカルだった草の根ネットから文字通りワールドワイドなインターネットになって、だだっ広くなった分、逆に人がいないなと感じました。でもまあ掲示板もあるし、こっちをやってみるかと。ポケコンを解析した情報なんかをWebで公開したりとか、そんなことをしていました。」

――ホームページがお金になりましたか?

akiyan「ずっといろいろなHPを作ってきたけど、全然お金にはならなくて。張っていたクリック課金のバナーもまったくクリックされないし(笑)。2004年ぐらいから、GoogleAdSense(注)が出てきて、初めてクリック報酬で数千円得たんですね。そうして実際にお金を得た時に初めて現実的な感覚がしましたよね。“これからはネットで不労所得!”なんて(笑)
 2005年くらいにCSSの斬新な書き方について書いた記事が初めて『はてなブックマーク』でホットエントリー(注)入りしたのですが、そこから、自分の書いたものが人に読まれているという事を強く意識するようになりましたね。ちょこちょこホットエントリー入りするようになってくると、イベントなどに出席した時に“akiyanさんですよね”と名前が知られている事があったりして、そうなると話が早くて、ネットワークがさらにぐっと広がっていきましたね。

 インターネットを始めて、人とのネットワークが出来てくれば出来てくるほど、東京へ出たい気持ちが強くなって、当時働いていた職場の上司のおかげもあって東京に出てきました。やはり、勉強会などのイベント東京は充実しているので、リアルでのネットワークをさらに充実させていくことができました。」

昔から自分の持っている情報を人と共有したかった

――ホームページを持つことについて自然な流れだったのでしょうか。

akiyan「昔から、人に自分の持っている情報を伝えたい、共有したいという気持ちがありましたね。例えば、ちょっとマイナーな物が好きで、古くはゲームだとSEGA が大好きで、その思いを紙と鉛筆で書きあげたものを校内でみんなに見せたり。そんなふうに、自分の好きなものをみんなに伝えて、その面白さを共有したいという気持ちが自分のなかで強くて、それが今もブロガーとしての原動力になっているのかな、という自覚があります。」

本気でやるなら、独自ドメインを取って自分のメディアを作った方がよい

――それでは、ちょっと質問の方向を変えて、これからホームページをやりたい、という初心者の方々にアドバイスを頂きたいのですが。

akiyan「少しでも本気でやりたいのであれば、フリーのブログよりも、独自ドメインを取ってサーバーを借りて、自分でブログなりのCMSをインストールして始めることをお勧めします。今だったらWordPress(注)が便利ですね。自分の自由にカスタマイズ出来るメディアを作ることでモチベーションも上がりますし、拡張もさせていけると思います。
 フリーのブログにもJavaScriptを張り付けて情報を表示させる仕組みもあるけれど、それでは検索エンジンに拾ってもらえないですよね。WordPressならPHPでソースに吐き出せる仕組みが自分でいくらでも作れるので、検索エンジンに拾ってもらえるコンテンツが作れる。自分のブログもWordPressをかなりカスタマイズしています。やっぱり検索エンジンから来る人たちがバナーを押してくれる率が高いですし、SEOには気を使わないといけませんね。」

――数多くの人々が関心を寄せるサイトを続けていく秘訣は、何でしょう。

akiyan「うん、そうですね。やっぱり自分の得意分野の話をして行くことが良いんじゃないでしょうか。そしてとにかく書き続けること。同種の記事などにブログのトラックバックを飛ばしたり、リンクを貼られるようになって、そうして地道にネットワークを広げて行くことですよね。
 コメント欄も公開して、連絡先も公開していった方が、良いと思います。フィードバックを貰える環境を作って行かないと。もちろん貰うばかりではなく、まずはこちらからコメントを書いたりトラックバックを投げたりといった事の方が大事かもしれません。
 そうやってネットワークが出来てきて他人からのフィードバックがある事で刺激になって、続けていくことが出来ると思います。」

批判には真摯に対応し、更なる人間関係を広げていく

――なかには、まったく知らない人から批判的なコメントを貰うことを極端に恐れている人たちもいるようです。

akiyan「ああ、そういう気持ちも分ります。だからもし批判を頂いた場合、まるで当てはまらない批判ならばスルーするというのも一つの方法。けれども、それは反省すべきことだな、と思うならば素直に謝罪して訂正して、真摯に対応する事で信頼関係ができますね。
 そうしてネット上の人間関係を広げて行ければ良いと思います。自分のまったく知らない人からコメントを貰える、その初めての衝撃というか、それはとても嬉しいものですよ。そうして、いろんな人たちからコメントを貰うことを楽しみに出来れば、書き続けることができると思います。」

自分自身の知識を価値のある財産として蓄積するのは、ホームページ

――今後情報発信を行っていこうという方々へ一言お願いいたします。

akiyan「ツイッターや、Ustreamで生中継とかは、リアルタイム性もあってインパクトはありますが、本当に見て欲しいコンテンツ、また、さまざまな自分自身の知識を価値のある財産として蓄積するのは、やはりホームページだと思います。さらに自分でドメインを取ってカスタム出来る環境を作れれば、自由度MAXです!」

――akiyanさんお忙しいところ誠にありがとうございました!

(このインタビューは2010年4月に行われました)

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秋田真宏さん
●プロフィール
1981年生まれ、石川県出身。
中学時代からプログラムを始め、パソコン通信の時代から自身でHPを制作し、通信に親しむ。
2005年頃に東京に移って今、アルファ・ブロガー、エンジニアとして活躍中!

読んでちょっと為になる文中注釈

ポケットコンピューター
ポケコンと呼ばれ、VHSカセットを一回りぐらい小さくした筺体の中にフルキーボードと2行から6行程度の画面を備え、複雑な計算式やBASICやC言語などのプログラムも行う事が出来る携帯型のコンピューター。特に工業高校生には関数電卓と並んでお馴染み。
MSX(エム・エス・エックス)
1983年、アメリカのマイクロソフトとアスキー(現アスキー・メディアワークス)による8ビットパーソナルコンピューターの名称。さまざまなメーカーからMSXの仕様に則ったパソコンが発売された。パソコン用専用モニタを必要とせず家庭用テレビに繋げられるなど、比較的安価なパーソナルコンピューターとしてプログラミング環境を世間に広げ、根強いファンが存在していた。文中のakiyan氏の年齢に換算すると、MSXブームは終焉に近く、そういったMSXをなんとか盛り立てたいというコアなファンが頑張っていた成熟期と考えられる。
『MSXマガジン』
アスキー発行のMSX専門コンピュータ雑誌。1983年10月に創刊。当時は唯一のMSX専門誌だった。akiyan氏がMSXを貰 って意気揚々と雑誌を買いに行ったところ、すでに最終号だったとのことで、時代背景が伺える。
『マイコンBASICマガジン』
1982年から2003年までに電波新聞社が刊行していたパーソナル・コンピュータ関連雑誌。
当時の愛読者たちから「ベーマガ」と呼ばれ、親しまれていた。BASICプログラムの基礎勉強や読者投稿などが人気を博し、紙面に掲載されたプログラムをもちろん手で1文字ずつ入力し、プログラミングを覚えた読者がたくさんいた。
ディスクマガジン
紙ではなくフロッピーディスクを媒体とした、読み物やミニゲームなどをまとめたソフト形式のマガジン。
プログラムやテキストの配布形態として便利だったことからゲーム企業や同人サークルで数多くリリースされていたが、WEBの発達により現在では終息している。
GoogleAdSense
Google社の提供するネットワーク広告配信の総称。ここではWEBサイトオーナー向けの、コンテンツに連動した広告配信の事をいう。コンテンツのジャンルと合致した広告が自動的にサイトに表示されるため、閲覧者に興味を持って貰いやすく、サイトオーナーへ利益が還元されやすい仕組みを持っている。
こういったシステムが広まるまでは、特に個人でコンテンツ配信を行っている者が金銭面でのメリットを受けることはまれだったため、AdSenseをはじめとする利益還元の仕組みの登場は梅田望夫氏の"ウェブ進化論"によって新しいインターネット時代の幕開けと称された。
ホットエントリー
日本最大級のソーシャルブックマークサービス、「はてなブックマーク」にて一定数のブックマークを受けると、「最近の人気エントリー」項目に掲載される。これを「ホットエントリー入り」と言い、記事が人気を集めているという証となり、ブロガーにとっての一つのステータスとされる。
WordPress
PHPで動作するオープンソースなブログCMS。さまざまなプラグインがサードパーティーより提供されており、PHPによるスムーズな動的ページの出力で、MovableTypeと人気を二分する人気ブログシステム。
インタビューを受けてくれたakiyan氏の個人ブログakiyan.comでも2008年の末からWordPressを利用されている。(akiyan.com:ブログをMT(3.32)からWordPressに移行しました
なお、お名前.comのレンタルサーバーにはコンパネ上で行える「簡単ブログインストール」機能があるため、非常に簡単に5分でWordPrss環境を構築できます。(宣伝)
akiyan.com
akiyan氏の個人ブログ、"akiyan.com"
自信のバックグラウンドである技術系情報に限らず、身の回りの出来事やテレビの感想まで、さまざまな事柄からライフハックを発信中。

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